更新: 2018-01-16 12:26:08
生態学のデータ解析 - GLMM 参照
- 混合 (効果) モデル,とくに一般化線形混合モデル (generalized linear mixed model; GLMM; 一般化線形混合効果モデルとも) を簡単に紹介するペイジです
- 混合ではない一般化線形モデル (GLM) については GLM 参照 を
- 混合モデルは fixed effects と random effects の項を同時にもつ統計モデルです
[もくじ]
2010 年代のニュース
- 2017-10-26 glmmTMB
- bioRxiv 論文 https://twitter.com/KuboBook/status/933585659347943425
- メイリングリスト "AR(1) も?" https://twitter.com/KuboBook/status/933584598352650240
ネット上の GLMM の解説
- 一般化線形混合モデル (GLMM) とは何か? -- 2006 年 3 月の生態学会新潟大会 データ解析自由集会 では「『個体差』のモデリング」として混合モデルをあつかっています
- GLMM 解説記事 : 生態学会誌 (2006 年 9 月) に掲載
- 数学セミナー2007: 数学セミナー (2007 年 11 月号) に掲載
- 沓掛展之さん による 動物行動学者のための一般化線形混合モデル では GLMM の自習の手がかりになる説明がなされています
- ベイズ統計 & MCMC もちょっとながめてみると良いかも
- というのも GLMM は階層ベイズモデルを経験ベイズ法であつかっている,と見ることもできるので
- GLMM for ecologists and evolutionary biologists
- GLMM 総説: Bolker et al. Generalized linear mixed models: a practical guide for ecology and evolution. Trends in Ecology & Evolution. doi:10.1016/j.tree.2008.10.008
混合モデルを推定計算する R の関数たち
- カウントデータ (ロジスティック回帰・ポアソン回帰で説明したいデータ) に random effects ある場合のモデル
- 久保要約:
- random effects が一個だけ (``random intercept'' だけ) なら
glmmML()
in library(glmmML) がおススめ (glmmML 紹介) - もっと複雑な場合には
- ベイズ統計 & MCMC (階層ベイズモデル + MCMC) や JAGS を使うべきでしょう
- MCMCglmm も良いと思います
-
lmer()
は何かと挙動不審で おススめできません
- 伊東さんのまとめ: http://blog.so-net.ne.jp/ito-hi/2006-10-30-1
- random effects が一個だけ (``random intercept'' だけ) なら
尤度を数値積分しようとする方法
- 尤度を計算しているので AIC つかってモデル選択できる; あるいは尤度比検定もできる
-
glmmML()
(glmmML package): 「glmmML 紹介」も参照- random effects 切片 (intercept) をいれたモデルの推定計算ができる.
- random effects は nest できない; 一個だけしか指定できない
-
glm.nb()
(VR package 中のlibrary(MASS)
)- これは負の二項分布を family とする一般化線形モデルの最尤推定
- 参照: glm.nb() 雑
- 他にもいろいろあるけれど,原理的には複数の random effects をもつ統計モデルにおいて,パラメーターを最尤推定することはかなり難しいので,MCMC によってパラメーターを推定する方法を検討するべきでしょう
MCMC 計算によって解決するもの
-
MCMCglmm()
(MCMCglmm package): 「MCMCglmm」も参照 - 階層ベイズモデル化する → ベイズ統計 & MCMC
尤度近似数値積分などつかう方法
- これらの方法はおススめではありません
- 理由: 出力される推定計算結果があやしいので
- Laplace 近似によって計算された尤度はおそらく AIC によるモデル選択が可能
- 「lmer 紹介」も参照
罰則つき擬似尤度 (PQL) つかう方法
- これらの方法はおススめではありません
- 理由: PQL つかった推定はあまり正確ではない; 尤度を計算していないので AIC つかってモデル選択できない; 尤度比検定もできない
-
glmmPQL()
(VR package 中のlibrary(MASS)
)- 罰則つき擬似尤度 (penalized quasi likelihood, PQL) 法を使ってパラメーターを推定計算する
- random effects を nest でき複数指定できる (下の
library(nlme)
使っているので) -
glm()
と同じようにfamily
指定できるらしい
正規分布の線形・非線型混合モデル
-
nlme()
(nlme package)-
method=ML
とした場合 (default) は最尤推定法 - 非線形モデルの推定計算もできる
-
-
lmer()
(lme4 package)- 上の GLMM 内の
lmer()
の説明参照 -
family=gaussian,method=ML
とした場合は最尤推定法
- 上の GLMM 内の
もっと複雑な random effects をあつかいたい
- ベイズ統計 & MCMC をみてください
書籍
- Cawley. 2005. Statistics: An Introduction using R. Wiley (URL)
- p.178 から random effects に関する丁寧な説明がある
- その一部を訳してみた→ ランダム効果とは?
- p.178 から random effects に関する丁寧な説明がある
- Faraway. 2006. Extending the Linear Model With R: Generalized Linear, Mixed Effects and Nonparametric Regression Models (Texts in Statistical Science). CRC (URL)
- Random Effects (chapter 8) などの解説にかなりペイジをとっている
- Youngjo Lee, John A. Nelder, Yudi Pawitan. 2006. Generalized Linear Models With Random Effects: Unified Analysis Via H-Likelihood. CRC. (URL)
- 久保は持ってないのですけどよさそう
- McCulloh and Searle. 2000. Generalized, Linear, and Mixed Models. Wiley. (URL)
- 久保は持ってないのですが表紙からしてよさそう
- 岡田昌史 (編). 2004. The R Book. 九天社. (URL)
- 第 15 章「R でマルチレベルモデリング」 (林啓一) は線形混合モデルの解説である
- Pinheiro and Bates. 2000. Mixed-Effects Models in S and S-Plus. Springer. (URL)
- 上記の
nlme()
作者たちによる nlme 解説
- 上記の
- Venables and Ripley. 2002. Modern Applied Statistics with S (4th ed.). Springer. (URL)
- 通称 MASS 本 (MASS4)
- Chapter 7. Generalized Linear Models に上記の
glm.nb(),glmmPQL()
の解説がある - Chapter 10. Random and Mixed Effects に上記の
nlme()
の解説がある