ぎょーむ日誌 2006-03-(01-10)
2006 年 03 月 01 日 (水)
-
0820 起床.
コーヒー.
朝飯.
0945 自宅発.
曇.
1000 研究室着.
-
母子里林冠モデル
のペイジをちょっと変える作業 (とかメイル書き)
……
内容的にはあまり変わってないけど,
けっこう時間かかるな.
-
で,
このモデルの光計算まわりを改善する作業のつづき.
走行中の自動車のエンジンを修理するようなものか?
……
路肩につっこんでしまった.
-
すでに 1400 すぎなので,
きぶんてんかんに昼飯.
-
塩寺さんと熱帯林葉寿命 (またしても葉寿命!)
の相談.
-
そして今日は帰宅時まで小山さんといっしょに
谷地坊主データ解析
R
ぷろぐらみんぐ.
-
しかし院生たちの
R
プログラミングの工夫あれこれというか能力向上はすごいね
私はほとんど何も教えてないんだけど.
「データ解析を自作プログラムで自動処理できる生態学研究者」
がこんなに急増するとは.
他分野のヒトのために書いておくと,
数年前までこういうことできる生態学研究者ってすごく少なかった.
-
2155 研究室発.
雪.
路面がまた完全に雪で被覆された.
2220 帰宅.
晩飯の準備.
晩飯.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0850):
バゲット.
ヨーグルト.
- 昼 (1420):
研究室お茶部屋.
米麦 0.6 合.
ネギ・シラタキ・タラすりみの卵とじ.
- 晩 (2330):
米麦 0.8 合.
ネギ・ブナシメジ・ワカメ・豆腐・ホタテの味噌汁.
2006 年 03 月 02 日 (木)
-
0800 起床.
ねむい.
朝飯.
コーヒー.
0920 自宅発.
曇.
0935 研究室着.
今日は「外来こんさる」の日
(ふだんは「入院」してるヒトたちの診察?).
-
1000 から
東研
の阿部さんとオオタカ / ハイタカの営巣場所えらびモデリング.
R
の
glm()
でなんとかなるのか,
glmmML()
が必要になるのか,
というあたりとか.
-
「こういう論文参考にしたんですけど」
と見せてもらった鳥営巣モデル論文では,
AICc だけでなく Akaike weight をもちいて
「最良モデルはこれだけど二番・三番はこれに比べると……」
といった議論がなされていたので驚いた.
なんでも,
営巣モデリング研究まわりではこういう方法がよく普及している,
とのこと.
たしかに
検索してみるといろいろみつかる.
鳥営巣研究者ぎるど,
おそるべし.
-
そして日本の鳥学会まわりでは,
前回の大会での
山口さんたちの自由集会
がいんぱくとあったそうで.
-
昼前に終了.
昼飯.
-
1300 から
雨龍研究林
の吉田さんと空間相関ある森林データのハナシ.
SAR だの CAR だの
昨年一月ごろ
に検討していたモデル
(
library(spdep)
で計算できる)
のハナシもでたんだが
……
けっきょく,
いつものごとくというかこういう問題は
R の
geoRglm
(あるいは
CRAN 内)
をどううまく使うかという方向に流れてしまいがちな今日このごろである.
森林の空間構造について考えるのはひさしぶりで,
吉田さんと対話しつつ
「森林内にみられるあれこれ現象の空間相関とは何か?
それが推定できたら何が『よい』のか」
といったあたりも検討できた.
-
外来・入院とわず
データ解析こんさるは当方のアタマの中をりすとらするのにかなり有効,
といつも実感する.
しかしアタマの中をかきまわされるのでへろへろになる.
-
今日の外来はコレで終わるはずだったんだが
……
なぜかしら 2110 すぎまで A 棟 5F の
野田さん
おふぃすにとらっぷされた
(往診??).
-
群集生態学のハナシ.
競争みたいな生物学的過程なんかを重視したい,
という野田さんの意向を無視して
(というのも現時点のデータは「ある種がいた・いない」
データであるからだ),
久保的文脈での発見はこうなる
(したがって内容はすごくすごく偏っている):
-
species rank-abundance 曲線まわりを中心とする
記載的 (ぱたーん解明的) 群集生態学あれこれの問題は
「種の出現確率分布 (多項分布)」
の推定が本質的で,
その他はこれから派生するハナシばかり
-
ある標本セットで閉じる「有限種数の」
出現確率分布の推定も使いものになる
(群集なヒトたちは種数は事実上無限大だと考えてるらしいが)
-
複数の調査地があるとき,
ベイズ推定的に出現確率分布を構成してやると
(Gaussian multinomial logit model でよい
……
多項分布というと事前分布はぢりくれ (Direchlet)
分布が事前分布,
となりがちだけど Gaussian のほうが何かと便利
……
多次元正規分布で群集行列の推定とか),
いろいろな問題解決に使える
-
さらにこのベイズ推定計算方法は群集生態学にとどまらず
(地理的な) 集団遺伝学の問題などに使える
-
へろへろ度がかなり強まった状態で A 棟 8F にもどると,
ちかごろ GLM にコってる川合さん
(GLM 感染の GLM 万能適用第 II 期)
につかまり,
面倒そうにみえる推定問題が
glm()
でうまく解決しないとのこと
……
ハナシをよくきくと,
これはモデル推定とかのハナシではなく,
むしろランダマイゼイションなどによって注目している変数の傾向と
その信頼区間を計算してみせるべき問題,
とわかった.
-
ふらふらと
2210 研究室発.
2225 帰宅.
晩飯.
へろへろ
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0820):
米麦 0.7 合.
ネギ・ブナシメジ・ワカメ・豆腐・ホタテの味噌汁.
- 昼 (1210):
研究室お茶部屋.
米麦 0.5 合.
ネギ・ブナシメジ・ワカメ・豆腐・ホタテの味噌汁.
- 晩 (2320):
米麦 0.7 合.
ネギ・ブナシメジ・ワカメ・豆腐・ホタテの味噌汁.
2006 年 03 月 03 日 (金)
-
0930 起床.
電灯つけたまま寝てた.
そしてまだへろへろ状態から完全には復旧してない.
コーヒー.
朝飯.
1130 自宅発.
晴ときどき雪.
わけわからん.
1145 研究室着.
-
起動状態,
悪し.
-
R-help
に
R
の
stepAIC()
使って (AIC ではなく) AICc 使った自動モデル選択やるにはどうしたらよいか,
という質問あった
(これは昨日のオオタカ営巣モデリングでも検討したけど
「無理そう」と結論した).
これに対する
stepAIC()
(作者の一人?) Ripley 先生の
(いつもながら親切か不親切なのかわからぬ)
ぶっきらぼうな
コメントは
stepAIC uses extractAIC to calculate AIC. So all that is in principle
necessary is to modify extractAIC to return AICc.
つまり
(generic な関数である)
extractAIC()
をどうこうせよ,
というもの.
ふーむ,
めんどうな
……
しかし stepAIC()
の引数まわりでは抜け道なさそう.
-
へろへろして仕事が進捗しないので,
単純作業療法と称して
(なぜかしら)
2000 年自由集会の名波さん
話題提供ぺいじ
などを作り直してみる.
日浦さんから
苫小牧
での林冠葉群推定研究の論文を教えてもらったので
Gibbs 林冠
の参考文献ペイジに反映させる
(反映させてほしそうなので).
福島君が英雄的努力でもって 50 万枚の葉っぱを数えたアレです.
-
この苫小牧のハナシには続きがあり,
1940 年代ロスアラモス的
……
というよりさらに 100 年ほど時代をさかのぼって
19 世紀数表工場的な手法と
現代 (における自然科学発展の阻害要因) のゑくせるを組み合わせでもって
(ここでまた苫小牧大学院生たちの英雄的努力にも言及すべきなのかもしれぬけど
これはまた別のハナシ),
この葉群分布データでもって林冠光合成に関する推定計算がなされたんだけど,
日浦さんはいまだにこの結果は隠匿してるそーで
……
ひょっとしたら,
この研究で地球温暖化を回避する秘密なんかが明らかにされてしまったから,
なのだろうか?
たしかにそんなの公表しようとしたら,
温暖化ナシではやってられない
研究者や役人や商売人たちがさしむけた刺客に暗殺されてしまうだろうね
(……
と,
ここまで曝露しておけば苫小牧にゴルゴ 13
とかが出没してくれないかしらん).
-
昼飯.
-
アタマはぢりぢりと復旧中.
計算機でいえば file sytem のチェック終了,
というところか.
わけわからん.
-
おそるべき超常現象がまた再現されてしまった
……
かとーさんがかとーオフィスに入った瞬間にこの部屋の
switching hub 内でパケットづまり (?) が発生した.
あるいはこれは超常現象などではなく,
かとーさん開発したなにか新手の hacking わざなのかもしれぬ.
-
仕事ススまぬうちにまたお茶部屋にいくと
……
亀山さんとお茶部屋雑種雑談にとらっぷされてしまった.
ヒマワリでは
雑種形成による種分化
がその遺伝的基盤にいたるまで解明されていて
……
といったハナシなど.
-
母子里 Gibbs 林冠モデル,
光計算まわりの改善にとりくむ.
-
1945 研究室発.
2000 帰宅.
-
ひたすらプログラミング
……
かなり動くようになってきた.
しかし光計算をほんの少しだけ「現実的」にしてやると,
あてはめが格段に難しくなる.
-
翌朝,
あてはまりが悪い原因のひとつは当方のまちがいプログラミングにある,
とわかった.
しかしながら,
あちこちから光がやってくるという状況のもとでの
(という状況をやや正確に計算してやっている)
林冠再構成が難しい,
というのはたぶん正しいようだ.
-
そして明日・明後日は
進化植物学研究会
……
嗚呼.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (1020):
米麦 0.6 合.
卵焼き.
- 昼 (1430):
研究室お茶部屋.
米麦 0.5 合.
海藻スープ.
- 晩 (2130):
米麦 0.7 合.
卵焼き.
海藻スープ.
2006 年 03 月 04 日 (土)
-
0850 起床.
やはり夜おそくまで呪われ言語 C++
のばぐとりなんかをするのは健康にすごく悪い.
朝飯.
コーヒー.
洗濯.
-
昨晩なかなかうまくいかなかった部分,
つまりあてはまりの良さ (尤度) がなかなか改善されない,
というのは計算空間の設定にちょっとしたまちがいあるため,
とわかった.
このハコのとなりのハコはこれでその上のハコは
……
という接続まわり.
-
で,
なおしてやるとさすがにマシにはなるんだけど
……
なんというか,
「現実っぽく」するために光計算をやや複雑にしたんだけど,
やはりこの世界でのあてはめは難しいね.
今までの計算だとハコごとに光を集計して均等にばらまくとしていて,
これだと MCMC 計算は「うまい」葉群配置をいくらでも発見してくれる.
しかしながら,
方向ごとにきちんと光量の保存則を満たしてやると,
とたんに苦闘しはじめるんだよね.
うかつに葉っぱを増減できなくなる,
といいますか.
-
とりあえず学校に.
1130 自宅発.
晴.
1145 研究室着.
-
本日午後の
進化植物学研究会
でしゃべってくださるヒトたちの論文を今ごろダウンロードしてみたり.
-
そしてわずかの時間を利用して母子里 Gibbs 林分モデルの改良にいどむ.
今朝ぢたばたしてるうちにわかったことは,
「あてはまりの悪いハコには観測データより
『明るすぎる』場所が多々ある
……
にもかかわらず,
そこにさらに葉っぱを押しこむことができない」
という状況におちいってるということだ.
-
これはつまり
「斜めからきた『光線』に保存則が成立する」
といったモデルが破綻していることをあらわす.
ということは
……
何かさらに工夫が必要とされているということだ.
-
まずはこのあたりの状況を確認する実験いくつか.
へろへろぎみなのにこういうことやるとさらにバテる.
ちょっと休憩して,
てみじかに昼飯.
-
残り時間で思いついた改良案を試みる.
いままで使っていたのは林内の光が天頂 & 東西南北 5 枚の
面光源からの直達光の重ね合わせ,
といった考えで計算していたわけだが
……
林分内で光が乱反射してるよーな状況,
つまりハコごとに直達光と散乱光にわけて計算する,
といった方式だ
……
高尚そうに聞こえるかもしれないけどがぢつはたいしたことではなく,
改良前のモデルと改良後のモデルの折衷案にすぎないのである.
-
時間ないけど,
試験運転開始.
予想どーり「あてはまりの良さ」
尤度のはねあがりが速くしかも高い.
-
これだけ確認して 1329 研究室発.
今回の進化植物学研究会
はなぜかしら札幌市南区の山の中の温泉街・定山渓のホテルで
開催されることに.
ごーぢゃすなことにホテルからでむかえのバスが.
1332 地環研前出発.
-
バスの中でさきほどダウンロードした論文ながめたり.
1440 定山渓グランドホテル「瑞苑」着.
-
1500 すぎ
進化植物学研究会
開始.
最初は東北大から来てくださった木村恵さんで
「ヘテロダイコガミー種オニグルミにおける花粉流動パターン」.
ヘテロダイコガミーとはひとつの植物種の中に
雌性先熟 (メスの花がさきに成熟) の個体と雄性先熟の個体がまじっていること.
オニグルミでは両タイプがほぼ 1:1 で存在し,
タイプ間交配によってこのシステムが維持されてるらしい,
ということでそれを遺伝子もちいて解明されていったしくみが
(莫大な調査実験労力を感じさせない)
軽やかさで展開されていく.
そして寒い富良野の低密度個体群ではまた挙動がかわったりするとか.
-
次も東北大からきてくださった牧野崇司さん,
「マルハナバチの空間採餌パターン: ハチはどんな株を頻繁に訪れるのか?」
野外調査 & 室内実験の報告.
ハナシを拝聴していると,
(いまはカルガリーにいる)
石井さんとか
(昨年のこの研究会で発表してくださった)
大橋さんに吹き込まれたマルハナバチ雑学がアタマの中に
ぼこぼことわきかえってくる
……
そんな中にまた新しいマルハナ知見が混ぜこまれていく.
それはともかく牧野さんの面白いところは
「知りたいこと全体」と「いま解くべき問題」の関係づけ,
つまり「研究プログラム」の明晰さと柔軟性
……
うーむ戦略的だ,
とゲリラ指揮官か野盗の頭目みたいな私は感心するのであった.
-
さらに師匠に忠良なる牧野さんの
(むろん誰に強制されたわけでもない本人の自由意志のもとになされた)
行動をここに記さねばならぬ:
-
(発表おわったと見せかけ,
そのままの流れで)
師匠本の
大改訂増補版
の宣伝を行った
-
「北大における発注とりまとめを井田君とかに」依頼すべし,
と指示されたことを伝えた
ついでに
(夜になってからだけど)
ダメおしに「ぎょーむ日誌」に
かくのごとく自らなすべきことをなしたと記録
(証言)
してほしいとの依頼
……
「書くな」と掣肘されることはしょっちゅうだけど逆に
「これは書いておいてもらいたい」
と言われるのはまったく異例のことだ.
-
1720 ごろ本日の研究発表終了.
お二人の良い発表に対して皆さんの議論も活発で,
しかもその時間がぜいたくに使えていいかんぢであった.
これに比べると生態学会大会とか研究発表に対する議論の場がほとんどない
……
ポスター発表なんかでも講演者をいつまでも自分に拘束できないしね.
-
晩飯まで部屋で雑談.
1830 から晩飯.
[晩飯会場]
五十畳以上ありそうな笑っちゃうぐらい広い宴会場の中央に並べられた
二十席ばかり.
うーむ,
去年の進化植物研究会は廃校になった夕張の高校で開催されたんだけど,
それとはえらく様子がちがうな.
-
そのまま懇親会ということで延々と雑談だけで 6 時間以上も.
私はエタノールいり飲料のまないんだけど,
まわりのみなさんけっこうないきおいで杯があけられていく.
-
いや,
研究のハナシもちょっとだけ.
木村さんオニグルミ遺伝子流動データのモデリング
(とくに花粉親としての成功要因モデリング)
まわり
……
このあたりの基本は multinomial logistic model
で,
参加者の一人である富田君 (北大農)
によると EM (expectation-maximization)
アルゴリズムを組み合わせた版
(これは「系外」からの流入を評価するため)
も発展してきているとのこと.
単純に考えると「自殖するか否か」もふくめて,
こういったモデルでおしていけば良さそうだ.
木村さんが説明したいことがこのモデルで言えるかどうかで,
ちょっとツマってしまったんだけど
……
けっきょく花粉親のサイズ・距離などは
同時に考慮して現象を説明せざるをえないので,
これでよいのである.
-
みなさんの酔っぱらいぶりがどんどん加速していく
……
しかも酔っぱらった大学院生・PD のヒトたちが
私の身だしなみ・日常の言動その他あれこれを糾弾しはじめたので,
2630 すぎにこそこそと逃げる.
温泉にきたのに温泉に入れぬまま一日がオワってしまった.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0930):
米麦 0.7 合.
- 昼 (1300):
研究室お茶部屋.
サンクスで買った握り飯二個.
- 晩 (1830):
[こんなの]
温泉晩飯.
といっても阿寒の民宿みたいに分量が致死的に多い,
ということがまったくなくてたいへん適正だったので助かった.
温泉宿はどこでも食いきれないほどの物量攻撃にでる,
という偏見がすこし払拭された.
2006 年 03 月 05 日 (日)
-
0650 起床.
進化植物学研究会
の第二日目,
定山渓の温泉ホテル「瑞苑」.
朝風呂.
よーやく入れた.
朝からけっこう入ってる
(まあ定山渓は温泉しかないところではあるけれど).
朝飯.
コーヒー.
[定山渓 - じょうざんけい]
会議室からのながめ.
札幌市の南西はずれのこういう谷間にある温泉街.
-
0900 から本日の研究発表二題.
まずは
城田徹央さん
(北大)
の「東シベリア,明るいタイガの森林構造」.
森林火災 (東シベリアは林床火災が多い)
と森林の空間構造に関する解析で,
ギャップ更新 (大径木周辺をさける) & 一斉更新木たちの高さ競争
(ぱいぷ樹木 みたいな状況),
というかんぢのよーで.
城田さんと私は同年配 (かつ同じ九州大学出身)
なんだけど,
私とちがって城田さんの発表は「学者」という雰囲気があっていいよね
……
このあたりって他人の研究成果への距離のおきかた (& 距離をおく方向)
に左右されたりするものなのかしらん.
近すぎても遠すぎてもダメなんだろう
(私の場合だと生態学分野の研究成果には距離をとりすぎ,ということか).
-
最後に高橋一男君 (北大地環研の
生態遺伝)
の「ショウジョウバエにおける空間的集中と共存」.
材料はショウジョウバエで研究室は
生態遺伝だけど遺伝学まわりとはまったく関係ナシ,
むしろこんにちでは珍しいといえる純然たる個体群動態
(種間競争あり)
のハナシである.
さらに昨晩の雑談でわかったんだけけど高橋君は
MASS 本
(Venables & Ripley, 2002)
の愛読者で
(とうぜん
R
を使いこなしており
「ゑくせるなんて……」
とかキビしく批判してたような気がする),
使われている統計学的手法も GLM, L 関数, 生残解析の比例ハザードモデル,
parametric bootstrap 法,
と尋常ではない.
すでに Oikos とかに多数の成果が
発表
されている
……
ただしこれまた昨晩の雑談でもでたんだけど,
空間構造まわりの解析に関しては L 関数とかではなく
(というところまでは本人もすでによく承知していた),
Gibbs 分布にもとづく別のやりかた
(ってことでまたしても
geoRglm
とかになってしまうわけ?)
のほうが観察された現象をよりよく説明できるだろう.
-
ちょっとメモ.
質疑応答で
ショウジョウバエの集合フェロモン
について教えてもらったこと:
-
集合フェロモンと呼ばれている物質の実体は,
交尾時にオスからメスに渡されるもの
-
これの (本来の???) 機能は交尾ずみのメスから
他のオスを遠ざけることにある
-
この物質はメスが産卵時に (盛大に?) 放出される
-
するとその場所に他のメスたちが
(産卵のため?)
よりあつまってくる
ふーむ
……
-
1120 ごろ研究発表終了.
今回はなんと四題すべてにおいてデータの空間構造が本質的かつ重要であり,
そのあたりに興味のある私としては
どれもこれも考えさせられるものばかりだった.
とても良い研究会でした.
-
で,
その研究会の幹事として諸事とりしきりの陣頭にたってくださった
庄山さんが司会する「進化植物学研究会」事務会議.
さて来年はどこでやることになるのやら.
-
1210 またバスでホテル発.
帰路ではひたすらばてる.
1310 ごろ地環研着.
おつかれさまでした.
-
昼飯前後は母子里 Gibbs 林冠モデルにとりくむ
……
が眠くて眠くてあまりススまず.
-
ちょっと気分かえるべく,
コーヒー飲んで単純なネット雑用やってるうちに徐々に体調がましになってくる.
また母子里まわりにもどる.
[ダメなところは常にダメ]
Gibbs 分布からの標本 4 つ,
観測された明るさ vs モデルが予測する明るさ.
あてはまりが悪いところ (「線」からはずれてる点ども)
はどこでも悪いままということがわかる.
-
上の図のあてはまり悪いところ,
もうちょいどうにかならんかな
……
さらに詰めこめる葉数も 30000 枚ぐらいなんで,
あと 10000 枚ぐらい増えないかしらん,
と試行錯誤.
-
「葉っぱをたてる」
とたくさん詰めこめるような気がするけれど,
じつはそうではない,
とわかった.
「仰角は自由にとっていいよ」
と何もかも MCMC 計算の判断におまかせしてやると,
39000 枚ぐらい葉っぱをおしこむことができ,
さらにあてはまりの良さも改善した.
-
1910 研究室発.
雨.
1940 帰宅.
晩飯.
-
よるおそくまで計算試行錯誤がつづく.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0730):
ホテル朝飯ばいきんぐ.
- 昼 (1410):
研究室お茶部屋.
こんびに握り飯二個.
- 晩 (2110):
スパゲッティー.
ハクサイ・ニンジン・シイタケ・タラすりみシチュー.
2006 年 03 月 06 日 (月)
-
0900 起床.
ダメだ.
生活周期が.
コーヒー.
朝飯.
1015 自宅発.
晴.
1030 研究室着.
-
母子里 Gibbs 林冠モデルの試験運転をつづけつつ,
ぎょーむ日誌かきメイル書きとか.
今日いちにち,
試験運転 & 試行錯誤やりつつ何かする,
という状態が続く.
-
こころみにこのあたりを Gibbs 林冠モデル
内
に記録してみる.
ここはウラから
VikiWiki
でデータ管理してるもんで.
-
気になる点.
葉群をファイル出力 → その出力ファイルを入力データとして読みこむと,
ほぼ完璧に林冠が再構成されるんだが,
場所によっては明るさ (これは再計算された値)
が 0.1-0.3% ぐらいずれるんだよね.
不思議だ.
-
改善された点.
空中浮遊葉が少なくなった.
光観測点のひとつ上にもし観測点の明るさをどう設定するか,
という問題.
これまで「開空率 100%」としていたけど,
これが原因で林冠より上に葉っぱが数十枚ふわふわ浮いてたんだよね
……
これは林冠の上の観測点での明るさが 100% ではないため.
[空中浮遊葉を消す]
そこで
「上をもたない」
観測点の明るさを「上」にコピーしてやると,
そこによけーな葉が押し込まれる確率は低くなり,
左の図のごとく比較的すっきりする.
-
ふと計算まち時間が生じてしまった.
一昨日・昨日の
進化植物学研究会
にも参加していた北大農学部造林の勉強家学部生
富田君
(四月から東北大の
鳴子
に進学)
の
Web 日記 2005-10-21
(と進化植物でのいろいろなやりとり)
に触発されて,
Burczyk (ポーランドの人……どう読むかわからん)
とかの論文をダウンロードしてみる.
-
この Burczyk は 10 年 (以上) 前から
「花粉親としての成功」
を多項 logistic モデルで推定してるんだよね
……
これは私が
2004 年初めごろ
思いついて
「こういうモデルって誰も考えてないだろうなあ」
などと考えてしまってたのとほぼ同じもの.
ちょっと検索してみると
さらに同系統のモデルは以前から世界のあちこちで何度も発明されている
(EM アルゴリズムで系外の遺伝子頻度を推定していくやつとか).
-
亀山さんに教えてもらったところなど勘案しつつ邪推すると,
どうも遺伝子とったり調べたりは好きだけどデータ解析とか好きではない
日本だけがとりのこされてんぢゃないの,
というような
……
ただし最近出版された
サクラソウの分子遺伝生態学
第 12 章には多項 logistic なモデルが紹介されている
(2005 年に発表
されてる
……
(訂正)
花粉親としての成功要因を多項 logistic モデルで調べる北本さんの
論文は上の 2005 年 Molecular Ecology ではなく,
Kitamoto N et al. 2006.
Effect of flowering phenology on pollen flow distance
and the consequences for spatial genetic structure within
a population of
Primula sieboldii (Primulaceae).
American Journal of Botany
93:226-233.
(URL)
でした).
-
そして松田さんと駒ヶ岳ミネヤナギが他種の開花おたすけしてるのか,
の GLMM 解析 (混合ロジスティックモデル).
-
2000 研究室発.
2008 帰宅.
体重 72.8kg.
晩飯.
-
また計算ぢたばた.
[ながーい MCMC 計算]
やはり最初の 150 万 MCMC step は捨てないといかんかな.
しかし
「いつぐらいからサンプリングしてよいか」
は試行ごとに数十万ステップずれるんだよね
……
計算の設定:
light_mixture 0.5 # [0, 1]
transmittance_fbox 1.00 # [0, 1]
radius_leaf 5.0 # [cm]
angle_e_range 0.0 0.5
-
あ.
もう真夜中だ.
-
POV-Ray 図をアニメイションで見てみると,
MCMC 計算の平衡状態においては,
暗い部分の葉っぱ (青いところ)
が激しく明滅し,
それに対して林冠上層部の葉っぱはぴくりとも動かない,
とわかった.
当然といえば当然の結果だよな.
そして,
このことは林冠生産力にはあまり寄与してなさそーなところだけが
入れ換わってることを意味する.
うーむ
……
対抗策としては,
葉っぱを動かしたり回転させたり,
というあたりか.
-
[今日の運動]
-
ぢたばたうんどう休養日
……
まずい,
今週も運動休養になりがちの予感
(3/8-3/10 出張)
-
[今日の食卓]
- 朝 (0930):
米麦 0.7 合.
ハクサイ・ニンジン・シイタケ・タラすりみシチュー.
- 昼 (1330):
研究室お茶部屋.
米麦 0.5 合.
ハクサイ・ニンジン・シイタケ・タラすりみシチュー.
- 晩 (2030):
米麦 0.7 合.
ニラ卵.
海藻スープ.
2006 年 03 月 07 日 (火)
-
0840 起床.
どこかで生活周期をりせっとせんといかんな.
コーヒー.
朝飯.
-
シャワーつかってるうちに昨日のばぐの原因に気づく
(どちらもすでに回避してるわけだが).
ファイル入出力問題に関しては精度の問題だとわかった.
現在の光計算のやりかたはあらっぽいくせに
葉っぱの位置にすごく sensitive な部分がある.
葉の座標のファイルへの出力は 0.1 ミリ単位にしてたんだけど,
12000 個の葉っぱセット
(一セットはだいたい三枚ぶん)
の中にはこれでは不充分だったものも含まれていた,
ということだ.
いやはや.
-
というふうに朝はバグ対策とか改良案がいろいろと思いついてしまう
……
1040 自宅発.
晴.
いかんすっかり春めいてる.
三月は時間の進行に恐怖感をかんじる.
1055 研究室着.
-
昨日のぎょーむ日誌内の論文引用にまちがいあったので
訂正.
サクラソウの花粉親の成功を推定する北本さんの論文は
2006 年の Ame.J.Bot. のほうでした.
-
すぐには手をだせそうにない林冠モデル改良案を
このあたり
に列挙してみる.
-
計算プログラム修正
……
やってたつもりがふらふらと浮動して,
いつのまにか
「合宿」
ネット雑用に拘束されてしまっている,
とか.
-
私は関係ないんだけど
(ポスター発表だから)
……
新潟大会の口頭発表まわり,
予想
どーりというかたいへんなことになってるみたいだね.
poorpoint 地獄.
紙谷さんが
jeconet
に投稿した内容を勝手に転載.
JES53およびEAFES2の一般講演(口頭発表)用ファイルの作成方法と送付につ
いてのお願いです。
すでにお送りいただいているファイルの中には,ファイル名の間違い,上限を
超えるファイルサイズ(意味無く解像度の大きい画像が主な原因)が多くみら
れます.
以下の点に注意していただき,大会プログラムに書かれてある作成と送付につ
いての説明を「熟読」してからお送りください.
1. メール件名およびファイル名:大会参加の登録番号ではありません.
・大会プログラムにある講演番号と筆頭者の名前を連続で記載してください。
例 JH313新潟太郎
2. ファイルサイズ:上限5MBを守ってください.
・写真をそのまま貼り付けていませんか?
パワーポイントに貼り付けた写真を左クリックして,右クリックで[図の書式
設定]−[図]−[圧縮]−解像度の変更を[WEB/画面]に−オプションを
[図を圧縮する]に−[OK]−[適用]
・Excelのグラフをそのまま貼り付けていませんか?
エクセルでグラフをコピー → パワーポイント 編集 > 形式を選択して
貼り付け > 貼り付ける形式:図
これらの操作によりファイルサイズはかなり小さくなります。
3.アニメーションや画面効果:使用しないでください.
・文字の動きも含めてアニメーションや画面切り替えは使用しないでくださ
い。
4.メール本体:文を書かないでください.
・質問などは別のメールで件名を[質問]などとしてください.
詳細は以下の大会HPをご覧下さい.
http://www.esj.ne.jp/meeting/53/
なお,シンポジウムの発表用ファイルの作成や送付方法につきましては,各企
画責任者にお問い合わせください.
昼飯.
計算機には林冠モデル MCMC 計算の試運転とかやらせといて
(しかし「ながら」なのであまり複雑な指示をだせない),
メイルやりとり方面を片づけてみようと試みる.
昨日,
香川の小林さんに個葉の光透過についてお尋ねして
丁寧なるお返事いただいたんだけど
……
よく見ると私の質問って,
極端な表現をすれば
「個葉はあたった光をほぼすべて吸収する『黒体』
みたいなものしてとモデリングすべきか」
ということだよな.
常識で考えればわかるようにそんなはずはない.
たとえば手もとにあった Taiz & Zeiger (2002)
の入門的で良い教科書
Plant Physiology
の p.174 の Figure 9.3
にはマメの葉の吸光・反射・透過の割合が示されている.
その前のペイジの説明:
Only photons of wavelengths from 400 to 700 nm are
utilized in photosynthesis, and about 85 to 90%
of this PAR is absorbed by the leaf; the remainder is
either reflected at the leaf surface or transmitted
through the leaf (Figure 9.3).
ということで,
(波長は無視とか)
いささか乱暴なモデリングながら
absorption_leaf
なるパラメーターを追加し
(値はとりあえず 0.9 としてみる),
これであたった光の全部をつかうわけではない,
というモデリングに変更してみる.
試験運転.
メイル書きとか.
「非黒体」葉試験運転,
当然ながら MCMC 計算の平衡状態での葉数が増える.
[林冠上部]
1024x768 の巨大な図を作ったので,
その一部だけを切り取ってみた
(ImageMagick の
convert -crop 320x240+640+100 ...
).
現在のモデルでは林冠上部はいったん葉がおしこまれるとなかなか動かない.
これが林冠生産力の見積りにどう影響するか?
全体図は
Gibbs 林冠
ペイジの下のほうからリンクしてる).
-
私は使ってないんで MacOS X における
R
package 状況ってよくわからないんだが
……
てもとで R そのものを
make
していないと package をソースから構築するのは難しいかもしれない.
パスまわりの設定がそれなりに面倒であるからだ.
そこでコンパイルずみの package などをさがすことになるんだけど
……
たとえばそれらは
UCLA 統計学部
のサーヴァーなんかに置いてあったりするわけだが,
つくばの
(硬直的せきゅりちーぽりしーの)
某研究所からだとここにアクセスできない,
と.
-
小山さんと
R
でサロベツやちパワー
zicounts
モデル選択のプログラミング
……
うーむ,
意外と「やちパワー嫌い」な植物が多いのか?
-
2100 研究室発.
2115 帰宅.
晩飯.
-
IBM の
developerWorks
で 1.5 年ぶりに R の話題が
……
Rによる統計的プログラミング、第3回:再利用可能なオブジェクト指向プログラミング.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0920):
ヨーグルト.
- 昼 (1330):
研究室お茶部屋.
米麦 0.5 合.
- 晩 (2220):
米麦 1.0 合.
ハクサイ・ネギ・ニラ・豆腐の煮物.
2006 年 03 月 08 日 (水)
-
0900 起床.
今日から東京出張なんだが.
といっても千歳離陸は 12 時間後
(ふむ,
この時点では出発時刻をちゃんと記憶している).
コーヒー.
朝飯.
洗濯.
すでに出張状態なんでだらだらと.
しかし出張の準備 (といっても何もやることないんだけど)
めんどう.
たしか札幌-東京間は 2-3 時間ぐらい時差があったはずなんで
(そう考えると日本列島も長大だね),
出張すると生活周期がマシになるかも.
西ということはちょうど遅れる方向で都合がよろしい.
-
1110 自宅発.
雪.
しかし歩道を被覆してた雪はかなりなくなってる.
1125 研究室着.
-
出張雑事のつづき.
もってくものとか,
訪問先の電話番号確認とか.
-
生態学会新潟大会ポスター賞審査員ひきうけてしまった.
ことわる理由をでっちあげるのがめんどうになったので.
3/25 (土) か.
どわすれしそうでコワい.
-
窓の外,
すごい吹雪
……
ダメだ,
もう吹雪を見ても
「ああ,まだまだ冬だ」
という気分になれない.
-
返信とどこおりメイルはかなりへった.
うっかりひきうけてしまった査読あるな.
これは東京からの帰路とかで読んで,
翌日に報告を提出,
とするしかあるまい.
-
昼飯.
苫小牧駒大付属高の甲子園出場辞退
(の原因となったうかつというか「北海道的」な卒業生たち)
にご立腹の高校野球ファン大学院生弁ずる
スポーツマン倫理に関するキビしいご意見を拝聴する.
-
そして研究室のメイリングリストに甲山さんが雑用メイルを.
出張好きの甲山さんは現在
Pune
にいる.
-
母子里 Gibbs 林冠モデル,
林冠生産力推定計算の布石として各個葉
……
と書いて計算まちがいに気づいた.
ええい,
ともかく MCMC 計算にはまったく影響しないんだけど
(なぜかといえば MCMC 計算で重要なのは観測と対応のつく
光センサーで測定された光量であり,
個葉はそれをホンモノっぽくするための光遮蔽物にすぎないから)
……
しかしながら,
個葉ごとの光合成速度とか計算するときに重要になる
「この位置にいてこの角度でついてる葉はどれぐらい光子を受け取ってるか」
の計算ですね.
-
で,
しくじったのは葉それぞれがてんでばらばらな方向むいてるのに,
それを失念していた.
つまり
「どの葉も水平においたとすればどれぐらいの受光量あるか」
なんてのを計算してんだよね.
うかつだ.
-
コンピューター内のダケカンバ林分は
30cm × 60cm × 60cm
の大きさの計算区画「ハコ」に分割されてて,
その中のそれぞれの葉はハコ内で 10 分割されてる計算セクターのうち
5 つに所属していることになっており,
そのセクターごとに決まる光透過が光回廊を形成して
……
と面倒な世界の中で正しい計算を実現するには,
それなりの集中力が必要とされる.
-
……
などとうだうだしてると,
私が「ウラ金づくりのためのカラ出張」といった違法行為を画策してるんでは,
なる深刻な疑念にとらわれてしまったらしい女性大学院生が,
「久保さんまだいるんですか,
東京いかないんですか?」
と「せかす」ふりをして「悪事からは手をひけ」と牽制してくるんで,
「もうすぐ出ます,
ちょっとバグとりで追いつめられてるだけです」
と答えてみると,
ホントに追いつめられたような心境になってしまった.
-
しかし人間は追いつめられると一時的に短期記憶容量が拡大することあるらしく
……
これはバグとりにはひどく重宝される資源であり,
そのおかげでバグ特定できた
……
光が直交する平面の法線ヴェクトルを規格化するの忘れてた.
阿呆阿呆だ.
-
5000 MCMC step だけ試験運転.
11 秒で終了.
ざっとみたところ悪くなさそう.
よーし
……
make save & scp ...
で一式を手もとの計算機つまり
A803 (かとーオフィス) ThinkPad に転送.
A801 の Dell デスクトップ機にはひきつづき
250 万 MCMC step の試験運転とサンプリングを命じておく.
これは約 87 分後に終了するはず.
-
計算結果は東京からみることにして出発準備.
1810 研究室発.
雪はやんで星が見える.
1816 JR 札幌駅着.
ANA チェックイン機にクレジットカードいれる.
航空券と領収書がでてくる.
1825 快速エアポートにのって同発.
帰宅時間なんでけっこう乗客おおい.
-
いやはや,
どたばたと出発してしまったけど,
なンか忘れものとかしてないよな,
とごそごそ調べてるうちに「大失敗」
いや「まぬけ失敗」に気づいた
……
出発が一時間ほど早すぎた.
このまま汽車で運ばれていくと空港で二時間弱まつことになる.
なんとゆーべきか,
追いつめられると人間の長期記憶ってのは錯乱したりするものなんですね
……
-
1910 なぜかしら 5 分ほど遅れて新千歳空港着.
ここまで 1040 円.
もーどんどん遅れてください.
期せずして空港で晩飯くうことに.
空港 3F で蕎麦をくってると,
私の搭乗する便が機材やりくりがどーのこーので
出発が 15 分ほど遅れるとの館内放送.
もーどんどん遅れてください.
とりあえず検問ぬける.
-
時間あるので試験運転 5000 MCMC step 計算の葉データしらべる.
個葉分布は興味ぶかい.
[光センサー vs 個葉]
縦軸は個葉の受け取ってる光量,
横軸はその個葉から見て最寄り (下方) にある光センサーでの受光量.
最初の 5000 MCMC step なので葉セット数はおよそ 4000 枚.
具体的には上述「ハコ」内の葉とそこに一個だけ設置されてる光センサーの対応である.
ここからわかることは,
ハコ内の葉たちと光センサーの値には相関あるけれど,
ぢつはけっこうずれてるよというもの.
-
なぜ同じハコ内でもこれほどばらつくのか,
と言えばそれは
「葉が向いてる方角がばらばらだから」
ということになる.
[林冠上部の図,再掲]
これは昨日示した図なんだけど
……
この Gibbs 林冠では葉の向きはばらばらである.
ただし,
これは本物ダケカンバ葉 3 枚ぶんぐらいの面積をもつ円盤葉である.
この円盤葉の面積は自由に設定できる.
そして着色は「同じハコの光センサーでの受光量」
(上の図の横軸)
を表現している.
-
光センサーはどれも水平に設置されており,
直上 & 東西南北ななめ上からくる光を効率よく受けとる.
しかしながら,
個葉は極端な場合「直立」してたりして,
同じ場所にある光センサーにくらべて
半分未満の光量しか受け取ってないんだよね.
[個葉受光量で着色]
これは東京についてから転送した 250 万 MCMC step 時点での林冠上部.
上の図との最大の違いは,
個葉受光量 (上の上の図の縦軸)
で着色している.
林冠上部でも「暗い葉 (青)」が混じる.
-
光センサーより受光量の多い葉は?
これは光センサーより上にあり,
しかも水平に近い葉である.
-
この「光センサーと近くの葉の受光量は別モノ」
は MCMC 計算の平衡状態ふきんでもかわらない.
[250 万 MCMC step 世界]
縦軸は個葉の受け取ってる光量,
横軸はその個葉から見て最寄り (下方) にある光センサーでの受光量.
葉セット数 14631 枚 (葉数でいうと 4.3 万枚ぐらい).
くらしっくな群落光合成モデルだと
赤線の上に個葉の受光量がならぶはず.
この「個葉受光量のちがい」
が生産力のちがいにどう影響することになるのだろうか?
……
バイアスありそうだ.
方向は計算してみないとわからん.
[観測 vs モデル]
念のためのせとくと
……
MCMC 計算によって到達した Gibbs 林冠においては,
各光センサーの受光量
(縦軸はモデルで計算されたもの)
は観測
(横軸)
にかなり近いものになってる.
これは「そうなるように」 MCMC 計算しているので,
いわばあたりまえのことなんだけど.
個葉に関しては受光量の観測データないんで,
比較できない.
-
2105 ADO 26 便の B767-300 搭乗.
こんな時間なのに搭乗率は九割以上.
明日おあいする伊庭さんの
「ベイズ統計と統計物理」
を再読してみると,
何だか入りこんでしまっていつ離陸したのかわからなかった.
2240 羽田空港着.
気温すごく高い.
-
京急の特急に乗って
2300 羽田空港発.
特急といっても蒲田まで各駅なんだが.
2310 京急蒲田着.
ここまで 330 円.
うわー
……
下車するとプラットホームにはスギ花粉仮面の男たちが.
駅の西口から出て,
ややいかがわしい (←偏見)
蒲田の商店街を西に進む.
大田区内の京急の駅では線路に直交する方向に商店街が発達している.
-
12 月の出張
のときと同じ宿,
2322 東横イン蒲田東口着
(なぜ「東口」かといえば JR 蒲田からみれば
東
だから).
保健所指導によって厨房区画設置工事中で朝の無料給食は中止だの,
区役所の点検で図面と実態のちがいがばれてしまって修正中だの,
いろいろごたごたしてるよーで
……
二泊で 14280 円.
-
上の図を作るのに必要な計算結果を北大から転送する.
平衡状態での葉数 14600 枚?
今までより 1000 枚ぐらい増えたな
……
つまり出発直前に修正した
「法線ヴェクトル規格化わすれ」
ばぐが他にも影響あたえてたわけだな.
三次元光計算は悪魔の迷宮だ.
-
とかやってるうちにどんどん夜がふけていく.
いかん,
また時差が
……
-
てきとーにきりあげて,
ぬるい風呂にはいることにする.
時刻はすでに 2540.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0930):
米麦 0.6 合.
ハクサイ・ネギ・ニラ・豆腐の煮物.
- 昼 (1340):
研究室お茶部屋.
米麦 0.5 合.
ハクサイ・ネギ・ニラ・豆腐の煮物.
- 晩 (1930):
新千歳空港 3F の蕎麦屋
「一灯庵」
田舎ざるそば + 焼きおにぎり 840 円.
茶碗蒸しとそば湯つき.
2006 年 03 月 09 日 (木)
-
0730 起床.
東京出張二日目.
東横イン
蒲田東口.
ねむい.
あまり寝てない.
朝飯.
今日は寒くなるそーで.
-
R-help
「
data.frame
ちょっとずつ見るような less
(これは unix コマンド)
みたいなのある?」
質問.
回答いくつか:
-
仕事すすまん.
-
メイルだそうとしたら Gmail がいきなりこわれてるし.
宿から出発できん
……
asahi-net 経由でだす.
-
0945 出発.
統数研で伊庭さんとお会いするのは 1300 なんで,
とりあえず JR 蒲田南 (にある大田区区役所のさらに南)
にある区立図書館蒲田駅前へ.
歩いて五分で到着.
区の生活センターと同じ建物になっており,
3F が図書館.
カウンターでパソコン利用席,
というのをもうしこむ.
[ぱそこん利用席]
まあ,
電源あるだけですが.
しかし助かりました.
大田区立蒲田駅前図書館,
よいところです.
-
で,
母子里 Gibbs 林冠モデル説明かき,
とか.
-
1145 図書館発.
JR 蒲田駅前のドトールコーヒーで昼飯.
1204 京浜東北線に乗って JR 蒲田発.
大井町まで 150 円.
りんかい線にのりかえて 1216 大崎着.
JR 山手線に乗り換えて 1229 恵比寿着.
ここまで 350 円.
東京メトロ日比谷線に乗り換えて 1232 同発.
1235 広尾着.
1243 統数研
着.
ちょい時間あるんで
有栖川宮記念公園
ふらふらと.
-
1255 を期して ISM 突入.
受付で来意をつげてから
伊庭さん
の研究室におじゃまする.
はい,
あの
ベイズ統計と統計物理
の著者で,
計算統計 II
の編著者である伊庭さんです.
-
それから場所などあちこち変えつつ,
ぢつにいろいろなお話をうかがうことできました
……
-
たとえば私の研究まわりだけに限定しても
(以下は伊庭さんが言ったそのままではなく
久保の理解):
-
母子里 Gibbs 林冠モデル
の MCMC 計算みたいに,
葉っぱをつっこんだり消したりするのは面倒のもと
(状態間の次元が異なっていたり,
状態間遷移の確率のえらびかたに注意しなければならぬ
場合あるから)
-
ただし事前分布は一様分布になってるので
(randomwalk sampler によって),
現在のサンプリング方式で問題ないかもしれない
(一見すると事前分布ないように見える確率モデルであっても
「遷移がぜんぶ accept ならどういう分布になるか」
を考えれば当然ながら事前分布がうかびあがる)
-
ただし事前分布を「等確率」と置くのは,
これまたしばしば危険な場合もある
……
何を「等しい状態」とおくかで結果がころころ変わるのが
ベイズ推定
(統計物理でも同様の問題があったんだけど
量子力学がこのあたりを解決した)
-
現在のこの林冠モデルの尤度計算
(二項分布)
は意味不明
(ということでこれは修正せねば
……
いやはや,
まさか自分が相対光量子量なる割り算値に
アタマ支配されてしまっていたとは)
-
「定常状態」で林冠上部がふりーづするのはあからさまにまずい
……
アニーリングとかやってるならともかく
-
とりあえずの対策としては葉っぱを動かす・回転させる
(これはぎょーむ日誌にも書いてあったり)
……
しかしより抜本的にはパラレルテンパリング法
(20 系列?!)
-
一月ごろ
にやってた屋久島葉寿命 MCMC 計算,
どうみても定常状態には見えない
-
シュートの休眠・二度伸びといった隠れマルコフモデル
は MCMC 計算しなくても recursive に
(dynamic programming 的に)
うまくあつかえるかもしれない
いやー,
自分のちから不足でした.
モデリングそのものもその説明も
……
-
統計学ざつだんいくつか
(以下も上と同じく久保の勝手な解釈):
-
自分はデータ解析者でも理論家でもなくメタ理論家
-
AICc の「おつり」
の項は分布が正規分布のときに導出されたもの
-
赤池さんはこういう「拡張」は気に入らないかもしれない
-
Akaike weight はべいぢあんな定式化が正調
(いま普及しているのはべいぢあん版ではない)
-
統数研の赤池スクールでは入門的教科書は書かず,
教えを乞うと FORTRAN77 のコードわたされる
(後記: 80 年代の,
という限定つき
……
なお伊庭さんご自身は
こういうスクールとかに属してるわけではなさそう)
-
赤池スクールのベイズモデルは MCMC 計算などやらずに
何でも周辺尤度最大化で決着をつける
-
ただし統数研内はじつに多様で,
ベイズモデルの周辺尤度つかった尤度比検定を発明する
検定好きなヒトもいたり
(尤度比の確率分布がふつーのものとは異なる)
-
あるいはカテゴリー変数を好まず,
諸事を連続変数としてモデリングすべしという主張なんかも
-
Bioinformatics まわりで
多重比較・多重検定がすごく使われる場合あり,
多重検定の専門家たちがはりきっている
-
モデル選択でも多重性の考慮は必要
-
モデル選択してから検定,
はまちがい
-
医療統計学まわりで普及しつつある
「信頼区間主義」
は「検定してゆーい差だしてオワり」
から「どういう推定値を得たのか」
を重視していく流れ,
その考えかたとしてはモデル選択と共通する部分ある
-
現代的な統計学勉強のルートのひとつとして,
parametric bootstrap で確率分布と検定の勉強
→
GLM
→
GLMM
→
ベイズ統計,
という流れがあるかも
-
経済まわりの統計モデラーは
MCMC 計算において
(いろいろな近似計算導入してでも)
なぜかしら Gibbs sampler にこだわる
(Metropolis-Hastings 法は好まれない)
……
まずたくさんの確率分布を勉強しないといけない
(後記:
これは不正確な記述でランダムウォーク型の
Metropolis 法が好まれないということ
……
たしかに経済なヒトたちが書いた教科書にもちゃんと
Metropolis-Hastings 法は紹介されており,
これが基本だと書かれている)
-
2055 ごろ広尾発 → 恵比寿.
160 円.
JR にのりかえてそのまま山手線 → 京浜東北線
(品川のりかえ),
2128 蒲田着.
210 円.
2132 宿着.
いきなり寝てしまった.
そして夜中に目がさめてしまって,
今度はねむれなくなったり.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0800):
昨晩かっておいたロールパン.
- 昼 (1150):
JR 蒲田駅前ドトールコーヒー,
ミラノサンドとコーヒー,
620 円.
- 晩 (1900):
伊庭さんと広尾のタイ料理屋,
バンコクキッチン
で.
トムヤンクンやグリーンカレーなどなど,
たいへんおいしくいただきました.
2006 年 03 月 10 日 (金)
-
0830 起床.
東京出張三日目.
本日は札幌に帰るだけ,
のはず.
東横イン
蒲田東口.
ねむい.
よく眠れなかった.
-
0905 チェックアウト.
雨.
京急蒲田に向かう.
途中のコーヒー屋で朝飯.
のんびりと論文なんぞ読む.
-
0949 快特にのって京急蒲田発.
なンか羽田空港とは逆方向に行ってるような気がするな.
0959 快特なので無停車で品川着.
空港にもどるべく同じホームからとりあえず都営浅草線なぞのってみる.
しかしこれも空港とは逆方向なので,
三田で降りて三田線に.
1011 同発.
これまた逆方向で大手町で降りる.
うーむ,
おそるべし東京地下迷宮.
とりあえず山手線にたどりつきそうな千代田線を
……
で,
気づいたら都心から見て二時方向の根津まで輸送されてた.
時刻は 1030.
ここまで 440 円.
-
地下はもはやわけわからんので,
地上に出る.
あいかわらず雨.
見とおしのよい方向を探索するべく斜面をのぼっていくと
……
なぜかしら東大本郷キャンパス着.
まあ誰かに羽田空港に到達できる経路を教えてもらえばよろしかろう,
と内部に進入.
これまたなぜかしら農学部の建物の位置関係の地図がアタマの中に
(一時的に)
入っているので
……
生物多様性科学研究室
の七号館 B へ.
-
ぜんぜん面識なかったんだけど宮下さんにごあいあさつして,
いきなり
鈴木牧さん
の研究室の位置を教えていただく.
あらら牧さんだけ一号館の弥生講堂側の林学の部屋に机があるそうで.
うーむ,
そんなことはぜんぜんおそわらなかったよーな.
そちらに移動.
-
で,
「何でもできる PD」
と評判
(あとで昼食いただいたときの研究室のみなさんのコメント)
の牧さんに空港への経路を教えてもらい,
ついで R
の
geoRglm
,
これは
Gaussian Random Field (GRF) くみこみの
generalized linear spatial model (GLSM) 計算まわりの
package なんだけど,
についていろいろと教えていただいた.
-
いままでよくわかってなかったナゾがいろいろと解明された.
以下は現時点の私の理解なんだが:
-
たとえば GRF Poisson モデルまわりだけでも似たような
関数があり,
その区別が重要である
-
pois.krige()
:
これは GRF Poisson 乱数を生成させるだけの
シミュレイション
-
pois.krige.bayes()
:
これは 1. に加えてパラメーターの事前分布
(おそらく離散化一様分布)
も指定して GRF 生成と同時に
パラメーターの Bayes 推定をおこなう
-
likfit.glsm()
:
これは 2. とは異なり非 Bayes な GLSM 最尤推定,
おそらく周辺尤度最大化
(GRF の分散共分散パラメーターは推定されない?)
-
おもしろい (そしておそらく重要な)
のは 2. かもしれない.
そしてここでは推定すべき GRF のパラメーターの
範囲と「離散化」
を指定する必要がありそうだ
……
randomwalk 型 sampler による
MCMC 計算をやっているように見える.
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これらのモデルでは空間は常に格子に切られていて,
近傍格子間だけで相互作用が指定されているように見える.
GRF の MCMC 計算は Langevin-Hastings 法で動く.
格子点ではない場所の linear-predictor の値 (s) は
(これまたおそらく)
内挿で得られている?
(やりかたまだわからん)
そして,
これらの生成・推定関数を使うためには,
mcmc.control()
だのいろいろなおぶぢぇくとの準備が必要
……
ふーむ,
たいへん勉強になりました.
ありがとうございます.
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1330 ごろ,
牧さんや宮下研の皆さんと農学部三号館地下の生協で昼飯.
[農学部ほじょう]
都会の中の実験農場,
といいますか.
七号館からのながめ.
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さらに七号館 B でコーヒーいただきつつ雑談.
この研究室の皆さん,
けっこうシュミが楽しいというか
……
そのあと藤田さんと牧さんから房総半島のシカ集団シミュレイターについて
詳しく教えていただく.
空間構造・齢構造ありの個体ベイスモデル.
なるほど,
シカ管理のモデリングとかこういうふうにやるのか.
その後,
宮下さんもまじえて動物分布拡大自由集会
(3/24 (金) 夜)
に関する雑談.
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空港への経路もわかったので 1645 東大発.
東京メトロ千代田線に乗って 1655 根津発.
この時間はまだ帰宅ラッシュではないので快適に移動できる.
1705 日比谷で降りる.160 円.
徒歩で JR 有楽町へ.
山手線にのって 1713 同発.
浜松町まで 130 円.
ANA チェックイン機で搭乗便を早いほうに変更.
東京モノレイルにのって 1726 同発.
1750 羽田空港第二ターミナル着.
470 円.
空港まで長い寄り道でした.
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検問とおって搭乗口へ.
すでに機内への搭乗はじまっている.
金曜日夕方であるせいか札幌いき B-747-400 は満席.
1820 離陸.
機内で「『葉数』を変えない Gibbs 林冠 MCMC 計算」
の方法を思いつく.
あらかじめ現実の何倍もの葉面積ぶんもの葉をつっこんでおき,
それらの葉に属性を追加してやって (……は
しばしばまた面倒のもとになると伊庭さんに教えられたのだけど),
「見える葉」「見えざる葉」にわければよい
(そしてこれらのあいだで状態遷移させる).
1945 新千歳空港着陸.
JR 快速エアポートにのって 2004 同発.
2045 札幌着.
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買いものして
2105 帰宅.
晩飯.
いきなり寝てしまった.
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[今日の運動]
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[今日の食卓]
- 朝 (0930):
蒲田駅前商店街のはずれのコロラドコーヒーで,
トーストなど.
530 円.
- 昼 (1340):
東大農学部地下の生協.
サバ味噌とか.
440 円.
- 晩 (2140):
タラコスパゲッティー.
海藻スープ.