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ぎょーむ日誌 2006-03-04
苦情・お叱りは, たいへんお手数かけて恐縮ですが, 久保 (
kubo@ees.hokudai.ac.jp
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2006 年 03 月 04 日 (土)
0850 起床. やはり夜おそくまで呪われ言語 C++ のばぐとりなんかをするのは健康にすごく悪い. 朝飯. コーヒー. 洗濯.
昨晩なかなかうまくいかなかった部分, つまりあてはまりの良さ (尤度) がなかなか改善されない, というのは計算空間の設定にちょっとしたまちがいあるため, とわかった. このハコのとなりのハコはこれでその上のハコは …… という接続まわり.
で, なおしてやるとさすがにマシにはなるんだけど …… なんというか, 「現実っぽく」するために光計算をやや複雑にしたんだけど, やはりこの世界でのあてはめは難しいね. 今までの計算だとハコごとに光を集計して均等にばらまくとしていて, これだと MCMC 計算は「うまい」葉群配置をいくらでも発見してくれる. しかしながら, 方向ごとにきちんと光量の保存則を満たしてやると, とたんに苦闘しはじめるんだよね. うかつに葉っぱを増減できなくなる, といいますか.
とりあえず学校に. 1130 自宅発. 晴. 1145 研究室着.
本日午後の
進化植物学研究会
でしゃべってくださるヒトたちの論文を今ごろダウンロードしてみたり.
そしてわずかの時間を利用して母子里 Gibbs 林分モデルの改良にいどむ. 今朝ぢたばたしてるうちにわかったことは, 「あてはまりの悪いハコには観測データより 『明るすぎる』場所が多々ある …… にもかかわらず, そこにさらに葉っぱを押しこむことができない」 という状況におちいってるということだ.
これはつまり 「斜めからきた『光線』に保存則が成立する」 といったモデルが破綻していることをあらわす. ということは …… 何かさらに工夫が必要とされているということだ.
まずはこのあたりの状況を確認する実験いくつか. へろへろぎみなのにこういうことやるとさらにバテる. ちょっと休憩して, てみじかに昼飯.
残り時間で思いついた改良案を試みる. いままで使っていたのは林内の光が天頂 & 東西南北 5 枚の 面光源からの直達光の重ね合わせ, といった考えで計算していたわけだが …… 林分内で光が乱反射してるよーな状況, つまりハコごとに直達光と散乱光にわけて計算する, といった方式だ …… 高尚そうに聞こえるかもしれないけどがぢつはたいしたことではなく, 改良前のモデルと改良後のモデルの折衷案にすぎないのである.
時間ないけど, 試験運転開始. 予想どーり「あてはまりの良さ」 尤度のはねあがりが速くしかも高い.
これだけ確認して 1329 研究室発. 今回の進化植物学研究会 はなぜかしら札幌市南区の山の中の温泉街・定山渓のホテルで 開催されることに. ごーぢゃすなことにホテルからでむかえのバスが. 1332 地環研前出発.
バスの中でさきほどダウンロードした論文ながめたり. 1440 定山渓グランドホテル「瑞苑」着.
1500 すぎ
進化植物学研究会
開始. 最初は東北大から来てくださった木村恵さんで 「ヘテロダイコガミー種オニグルミにおける花粉流動パターン」. ヘテロダイコガミーとはひとつの植物種の中に 雌性先熟 (メスの花がさきに成熟) の個体と雄性先熟の個体がまじっていること. オニグルミでは両タイプがほぼ 1:1 で存在し, タイプ間交配によってこのシステムが維持されてるらしい, ということでそれを遺伝子もちいて解明されていったしくみが (莫大な調査実験労力を感じさせない) 軽やかさで展開されていく. そして寒い富良野の低密度個体群ではまた挙動がかわったりするとか.
次も東北大からきてくださった
牧野崇司さん
, 「マルハナバチの空間採餌パターン: ハチはどんな株を頻繁に訪れるのか?」 野外調査 & 室内実験の報告. ハナシを拝聴していると, (いまはカルガリーにいる) 石井さんとか (昨年のこの研究会で発表してくださった) 大橋さんに吹き込まれたマルハナバチ雑学がアタマの中に ぼこぼことわきかえってくる …… そんな中にまた新しいマルハナ知見が混ぜこまれていく. それはともかく牧野さんの面白いところは 「知りたいこと全体」と「いま解くべき問題」の関係づけ, つまり「研究プログラム」の明晰さと柔軟性 …… うーむ戦略的だ, とゲリラ指揮官か野盗の頭目みたいな私は感心するのであった.
さらに師匠に忠良なる牧野さんの (むろん誰に強制されたわけでもない本人の自由意志のもとになされた) 行動をここに記さねばならぬ:
(発表おわったと見せかけ, そのままの流れで) 師匠本の
大改訂増補版
の宣伝を行った
「北大における発注とりまとめを井田君とかに」依頼すべし, と指示されたことを伝えた
ついでに (夜になってからだけど) ダメおしに「ぎょーむ日誌」に かくのごとく自らなすべきことをなしたと記録 (証言) してほしいとの依頼 …… 「書くな」と掣肘されることはしょっちゅうだけど逆に 「これは書いておいてもらいたい」 と言われるのはまったく異例のことだ.
1720 ごろ本日の研究発表終了. お二人の良い発表に対して皆さんの議論も活発で, しかもその時間がぜいたくに使えていいかんぢであった. これに比べると生態学会大会とか研究発表に対する議論の場がほとんどない …… ポスター発表なんかでも講演者をいつまでも自分に拘束できないしね.
晩飯まで部屋で雑談. 1830 から晩飯.
[晩飯会場]
五十畳以上ありそうな笑っちゃうぐらい広い宴会場の中央に並べられた 二十席ばかり. うーむ, 去年の進化植物研究会は廃校になった夕張の高校で開催されたんだけど, それとはえらく様子がちがうな.
そのまま懇親会ということで延々と雑談だけで 6 時間以上も. 私はエタノールいり飲料のまないんだけど, まわりのみなさんけっこうないきおいで杯があけられていく.
いや, 研究のハナシもちょっとだけ. 木村さんオニグルミ遺伝子流動データのモデリング (とくに花粉親としての成功要因モデリング) まわり …… このあたりの基本は multinomial logistic model で, 参加者の一人である富田君 (北大農) によると EM (expectation-maximization) アルゴリズムを組み合わせた版 (これは「系外」からの流入を評価するため) も発展してきているとのこと. 単純に考えると「自殖するか否か」もふくめて, こういったモデルでおしていけば良さそうだ. 木村さんが説明したいことがこのモデルで言えるかどうかで, ちょっとツマってしまったんだけど …… けっきょく花粉親のサイズ・距離などは 同時に考慮して現象を説明せざるをえないので, これでよいのである.
みなさんの酔っぱらいぶりがどんどん加速していく …… しかも酔っぱらった大学院生・PD のヒトたちが 私の身だしなみ・日常の言動その他あれこれを糾弾しはじめたので, 2630 すぎにこそこそと逃げる. 温泉にきたのに温泉に入れぬまま一日がオワってしまった.
[今日の運動]
おんせんきゅうようび
[今日の食卓]
朝 (0930): 米麦 0.7 合.
昼 (1300): 研究室お茶部屋. サンクスで買った握り飯二個.
晩 (1830):
[こんなの]
温泉晩飯. といっても阿寒の民宿みたいに分量が致死的に多い, ということがまったくなくてたいへん適正だったので助かった. 温泉宿はどこでも食いきれないほどの物量攻撃にでる, という偏見がすこし払拭された.
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