ぎょーむ日誌 2001-10-(11-20)

2001 年 10 月 11 日 (木)

• 0430 起床． なんかしばらくは早起きな日々が続いてしまうんだろうか．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． コーヒー． シャワー． やはり朝からコーヒー飲むと …… たくさん寝たんで気分悪くはならんけど， 頭ずきずき． 今回買った豆にたまたまたくさんのカフェインが混ざっていたのか?
• 0630 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0640 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0703 京急上大岡発． 0715 研究所着．
• 教訓． 早起きしたからといって朝早くから仕事できるわけではない． しかし静粛なる独房群ってのは悪くないな．
• 先日の樹木モデリング会議で紹介されてた Seppo Kellomaki が率いるFinland のもひとつのグループの Scots pine シミュレイターのものである． これは説明のしかたは泥くさいけど PipeTree でやってるようなサブモデルはなんらかのカタチで すでに取り込まれてしまってる …… おっと， PipeTree じゃなくて「ニセ」アカマツ論文書きの 参考にしてるんだった．
• 開発動機は林学よりな気がするな． 材の質がどうとか， かなり詳細である． フィンランドは樹木モデリングには こだわりがあるんだろうね．
• なぜか夕方までメイルやりとりに費されてしまう． まぁ， 私のばあい近ごろはメイルすらめったに 来信しなくなってるから …… たまにはいいのかも． 面倒一式はそれなりに片づいたし．
• 平八郎提督から深田百名山のひとつに登らぬかとの おさそいうけるが …… ひじょーにおりあしく信州百名山とやらの ひとつに登ることになってしまったので， 今回はおわびして辞退． 残念．
• 明日は午前中から脱柵して (というか門限やぶって) 都立大におじゃまする． Tomas Herben さんのセミナー聞くためである．
• 菊沢モデルを三次元計算 …… というハナシが先日の樹木会議のときにあったんだが …… 予想してたよりややおおげさになりつつある． まぁ， 旅費があればありがたいかも． いや， どうなんだろ?
• このような面倒をひとりで片づけるのはたいへんなので， 先方の傭兵にして 京大農学部院生たちから Perl の魔女と畏れられている 牧さん まきこむ方向に発展させる． つまり， くだんの三次元虚業ライブラリを Perl から 叩けるようにしちまえば良いわけだ． こういうふうにすれば自分にとっても有用かも．
• 元過激派でありながら 兇悪化するいっぽうの世情に絶望して 昼間から酔っ払っておられる 長谷川宣教師殿 から酩酊メイル攻撃をうける． 今日はメイル書きモードになってたので， ついついこちらも対応してしまった．
• …… ああ， あれこれあって仕事すすまなかったな． いや， 当方がまぬけなだけか? えーい． 1755 研究所発． 普通に乗って 1810 京急杉田発． 特急乗り換えて 1820 京急上大岡発． 1900 帰宅．
• いかん， はやおきすると夜仕事できない． 起床時間と仕事に集中できる時間帯， の関係が把握しきれていない． 固定した関係ではないのかもしれんが．
• 路線・時刻検索は goo から yahoo! に 移った んだろうか? …… ともあれ平和島から都立大のある南大沢まで 80 分ほどだから， 明朝は 0830 すぎに自宅でればいいな． つまりいつもより遅くていいわけだ． 独房群から追っ手が派遣されたりはしないと思うけど．
• 今日の食卓
  • 朝 (0530): 米 0.6 合． サントウサイ ( 山東菜 ) ・ニンジン・タマネギ・ショウガ・ ヒラタケ・豆腐の炒めもの． のつもりが煮物になった．
  • 昼 (1220): 弁当． 米 0.8 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1930): 米 0.8 合． サントウサイ・ニンジン・タマネギ・ヒラタケの味噌汁． 煮干だし．

2001 年 10 月 12 日 (金)

• 0530 起床．
• 朝飯の準備． 今日は弁当無し． 朝飯． コーヒー． シャワー．
• 独房群には行かずに都立大にお邪魔する． 0835 自宅発． 曇り時々晴れ． 特急に乗って 0840 京急平和島発． 0845 京急川崎着． JR 川崎まで歩く． 0855 同発． 南武線． 多摩川に沿う路線である． 0930 JR 稲田堤着． ここまで 380 円． なぜか苦い一往復をした記憶のある商店街を通り抜けて 0935 京王稲田堤着． 南大沢まで 270 円． 0944 同発． 1003 京王南大沢着． 1010 都立大 植物生態学研究室 着．
• 研究室に入って鈴木準一郎さん・Tomas Herben さん・院生の皆さんに ごあいさつ． 雑談． 工藤洋さんもみえる．
• Tomas さん (a の上に '，s の上に逆さの ^ がついていて， まわりのひとたちはトマシュと発音してるように聞こえた) のセミナーの前に 研究室のセミナー があるのでそれにも参加させてもらう． セミナー室で可知さんにご挨拶．
• 今日は卒研生の高島さんの モンテンボクの花弁サイズと土壌水分環境について というもので， この樹木の花サイズの個体間ばらつきが局所的な水の得やすさに 依存してそうかどうか， というのを調べるものであった．
• 1 時間ほどかけて説明と質疑応答． 花形成についはまったく知らないことばかりなので 「あのー，質問が ……」 と手をあげると一瞬だけとてもイヤそうにされてしまった． ああ． しかし， 個体内の水分布がどうなってると考えているのか， といった質問にはてきぱきと回答していただけた．
• メモ． 植物個体がどれぐらい水の得ているか， というのは水ポテンシャルという指標ではかられる． えーと， 圧力式だとすると取ってすぐの葉っぱに何気圧かけると 水が出てくくるかを測定 ? …… 夜明け前に測定． その時刻では個体内の水ポテンシャルが一様化してる， と仮定できるため．
• 1145 Tomas Herben さんのセミナー． 彼の web site で紹介されている二次元 spatial-architectural クローナル植物 シミュレイションにさらに遺伝学的構造も追加しました， というもの． 鈴木準一郎さんとの共同研究．
• 話の骨格はどこかで聞いたような …… 従来型の帰無仮説棄却型のデータ解析と (いうならば) 計算生態学的なアプローチの対比を軸としたもので …… 今回は報告的というより そういった枠組について考察する教育的なものだった． あとで質問で聞いたところによると， 計算によって生成される遺伝学的構造と実際の観測パターンの 比較に関しては現在まだ進行中， ということのようで． ときおり鈴木さんがクローナル植物に関する日本語の捕捉説明をはさみ， これまた教育的である．
• 可知さんが以前から気にしておられるらしい 自由度の高くてしかも要素間に強い相関が見られるような 面倒なシステムにおける個体間相互作用に関する質問， 工藤さんが体細胞突然変異と genet 生成に関する質問 …… などされてるので， 私も生態学におけるシミュレイションの使いどころだの 計算に関するいくつかの details だのをご教示乞う． まにあっくすぎて教育的ではない? いやいや， 利他的な講演者には下手な英語で身勝手な質問しても 回答いただけるという実例を身をもって示していたんですよ．
• 1300 セミナー終了． 都立大生協で Tomas さんかこんで昼食． 昼食後は時間とってもらって， 私がこういう研究やってますというわかりにくい説明を がまんして聞いてもらった．
• セミナーで紹介されたクローナル植物シミュレイションの ドキュメント類ももらった． 彼は野外調査・野外実験もやるいっぽうで Window$ 上の C++ 開発環境 (Visual C++ だったか?) でシミュレイターもさっと作って関連文書もちゃんと整備してる， という多芸多才な人である． 日本の生態学者もデータ解析プログラムぐらいは 自分で作れるようんならんもんかねえ ……
• 1610 都立大発． えーと， この時間だと横浜市南部の独房群までいっても しゅーぎょー時間とやらをすぎてしまうな． 丸一日脱柵， とするか． いやいや， いちおう戻る努力， そのふりぐらいはしてやるかな．
• 往路を逆に戻ることにする． 1620 京王南大沢発． 車内の床に座り込んで輪型陣作ってる女子高校生たち数名． 流行というものの伝播速度には上限があるために， 多摩川上流のここらではまだまだ顔面暗色迷彩 (そんなに濃くないけど) が主流のようだ． しかしながら， その会話はまさに時流にそったものであり， 京急車内でときおり聞かされるおやぢどものそれに比べて かなり興味ぶかく思索的なものであった．
  「…… 戦争いつまでつづくんだろうね」
  「来年には終るんじゃない?」
  「おわんねーよ」
  「またハイジャックとかで飛行機落ちるのかな」
  「オキナワ危ないってよ」
  「なんで?」
  「基地あるから」
  「アツギあるからここらへんも危ないじゃん」
  「安全って言ってたよ」 (誰が?)
  「安全じゃないよ，落ちたら全員死ぬよ」
  「えー …… 死ぬのイヤ」
  「死んだらどうなるんだろうね」
  「死んだら死んだって意識がずっと続くの ?」
  「死んだら何も思わないよ」
• 1630 京王稲田堤着． あるいて JR 南武線稲田堤へ． 1650 同発． 1725 JR 川崎着． よーし， これで 1730 には独房群に戻れないこと確定． 自宅に帰ろう． そのまえに駅前の紀伊国屋に寄る． ここにくるのは久しぶりだなぁ． 明後日の山行の地図を買う． なぜか計算機本 4 冊ほどとベイズ統計学の本 1 冊， ついでに樹木学のてごろそうな入門書があったのでそれも買う …… ああ， 半年ぶんのコメ代が．
• 京急の普通に乗って 1820 京急川崎発． 1850 帰宅．
• う， 普段とは異なり今日はたくさんしゃべったような …… 音声で情報をやりとりするとばてる．
• 今日の食卓
  • 朝 (0530): 米 0.6 合． 山東菜・ニンジン・タマネギ・ヒラタケの味噌汁．
  • 昼 (1320): 都立大生協のカフェテリア． えーと， とろろ飯，味噌汁，サンマ塩焼，サヤインゲン小鉢． 530 円．
  • 晩 (1910): 米 0.9 合． 朝の残り．

2001 年 10 月 13 日 (土)

• 0500 起床．
• 今日は予定としては …… 山行準備をさっさと整える． 夜の出発までに仕事をてきぱきと進める …… というつもりだったんだが． 仕事のほうはススまなかったな． いつものことながら． 週末ばてか． ばても多彩だな．
• あ， 縞枯山は信州百名山とやらには入ってないんだ． これはなんとしても明朝のうちに隣の 横岳 に登ってしまわなくては．
• 2350 JR 新宿発の急行アルプスに乗るつもり． 2200 自宅発の予定． 天気は良さそうだ．
• (一言近況) 都立大の調査にまぜてもらって 北八ヶ岳・縞枯山 (標高 2395m → 訂正 2403m) に登ってきます． 東京流刑地ではまったく運動してないのに こんな高所に登って大丈夫なんだろうか． そして仕事もせずに遊んでばかりで …… 月曜日夜にもどってくる予定です． (2001.10.13)
• 今日の食卓
  • 朝 (0530): 蕎麦．
  • 昼 (1230): パンケイキ． 紅茶．
  • 晩 (1830): 米 0.8 合． サントウサイ・タマネギの炒めもの．

2001 年 10 月 14 日 (日)

• まだ 13 日 (土) である． 2205 自宅発． 近くのローソンで電気代支払う． 1989 円． 2220 特急に乗って京急平和島発． 2230 JR 品川着． 切符買う． 長野県の茅野まで乗車券 3260 円． 新宿からの急行アルプス 1050 円． 2238 山手線に乗って同発． 2255 JR 新宿着． 6 番ホーム． 土曜日夜だというのに各行列に 2-3 人．
• 2330 急行アルプスに乗り込む． 乗車率 4 割ぐらいか? 2350 JR 新宿発． まもなく 14 日 (日) になる． 座席ふたりぶん使って寝る．
• 0300 起床． JR 茅野駅着． 17 分間停車なので急いで下車しなくてもよい． どうやらこの駅の待合室は終夜開放みたいだけど 寝るのに適した場所がない． 新聞紙もってくるべきだった．
• 天気がよいので明朝に乗るバスのバス停で露営． かなり寒いので エアマットをベンチ上にのべ寝袋にもぐり込む． 満天の星をながめてから寝る．
• 0540 起床． 払暁とともに街路樹樹冠内でさわぎ始めた スズメの大群に起こされる． まもなくバスが来るので出発準備．
• 0600 諏訪バスにのって JR 茅野駅発． 0645 ピラタス横岳ロープウェイ 山麓駅着． 標高 1771m． 始発は 0820 なのでロープウェイ横 (すなわちスキー場横) を歩いて登ることにする． 0710 駐車場横の登山口発．
• ちょっとした体ならし・高所順応のつもりだったんだが …… でだしの 10 分でいきなりばてる． うう， 運動不足． 荷物は 10Kg ちょいぐらいなんだが． 幸運なことにそこからはスキー場横の緩傾斜が続く．

[北八ヶ岳の Abies] なるほどこれが …… さてさて， Abies PipeTree と比べてどうだろう …… うん， やっぱり実物のほうが葉群の密度が高い． この連中は計算速度を気にしなくていいからなぁ． えーい， 腹がたつ …… と空気がうすくなると腹を立てやすくなるのである．

ぜいぜい言いながら 0800 ロープウェイ山頂駅着． 標高 2227m．
• 都立大調査隊到着まで 2 時間ほど時間あるはずなので， そのすきに横岳登頂をもくろむ． ただし体力の衰弱は身にしみて理解できたので， 山頂駅待合室にザックはおいて， デイパックに必要なものだけつめてもっていく． 0805 山頂駅発．
• ここ山頂駅は「山頂」を自称してるけどピークでもなんでもなくて …… 北横岳-縞枯山のあいだのコル (鞍部) なのである． コル平坦部をぬけて北横岳に直登するルートをたどる． 0840 北横岳ヒュッテ通過． 荷物が軽いとさすがにバテてない． 0845 2475m 三角点ピーク通過． 0848 北横岳山頂． 標高 2480m．
• 八ヶ岳には横岳というのがふたつあって， こちらのほうは北横岳と呼ばれている． 展望よし． 私は八ヶ岳の山に登るのはまったく初めてなんだが …… 晴れていれば北アルプス-中央アルプス-南アルプスほか (あまり詳しくないんだけど) 浅間山だの妙高だのいろいろと見ることができる． 南八ヶ岳であればさらに富士山なんかもよく見えるだろう． 北八ヶ岳からは見えんけど．

[蓼科山と北アルプス] 例によって私のへぼ撮影技量 & 安物でぢかめの 組み合わせでは何が写ってるのかよくわからぬ 画像ばかりになるんだが …… 北八ヶ岳の最高峰である蓼科山と北アルプスである． この朝は白馬岳から乗鞍岳にいたるまで全部見えた．

• 0900 山頂発． 駅にもどろうとするも …… すでにロープウェイが稼働しており， 下からはウンカのごとく団体登山客がはいあがってくるので， しばしば登山路横に退避をよぎなくされる． いうところの中高年登山． しかしこの旗をかかげむれをなす， ってのはいかにもヘンだよ． これだから関東に近い山は …… こんどからヒトの多い時期・山域は注意深く避けねば， と決意しつつ 0940 ロープウェイ山頂駅にもどる．
• 1000 都立大調査隊の皆様と合流． すでに荷物は縞枯山荘においてきたとのこと． 今回のメンバーは可知さん・加賀屋さん・谷さん・杉阪さんである (すでに縞枯山北斜面で調査してた小澤さんとあとから山荘で合流)．
• まずは毎木調査地に． 山頂駅のあるコルから南には縞枯山・茶臼山と稜線がつづき， これは八ヶ岳山地を南北にわかつ麦草峠に至る． この麦草峠と現在地を直接にむすぶルート， つまりピークをまいてほぼ等高線沿いに 南斜面を横切る登山道がある． この道ぞいに調査地がある．
• 整備された木道ぞいを 10 分ばかり歩く． ところどころにササ原あり． なんでも中部日本の山林は 1959 年の 伊勢湾台風 ですさまじく撹乱されちゃったそうで (べつの山だけど こういう かんぢ)， 縞枯山の斜面でも多くの林冠木が倒れて一斉更新状態が 始まったそうだ． ただし場所によってはササが素早く占居しちゃって 樹木の入り込めない場所になってしまってる (数十年あるいは百年以上の後のササの一斉枯死期が到来する， その日まで)， とのこと．
• はしごプロット着． この名前は 40 年程まえに調査中のできごとに由来するそうで …… 一晩残置しておいたハシゴが盗まれたから， というもの． 部外者にはわからん名前ですなぁ …… 道の上下にあり， それぞれ 2m コドラートが 16 コ， だったと思う． 樹木の大半はシラビソ・オオシラビソ …… すわなち Abies のたぐいである．
• 院生 3 人は林冠木の樹高と高さ生長を測定し， 私と可知さんは競争に敗退してジリ貧状態にある 「傘型樹冠」をもつ個体の高さを測定する． 高さ 1-2m ぐらい． Abies PipeTree でいうところの Vertical な末端 (つまり主幹の一番上) が失われた個体も多々あり． PipeTree 的な解釈だと， 個体全体が被陰されると頂芽優先を失われる計算になって， 横方向に資源を奪われる， というスジ書きなんだが ……
• 昼飯いただいて， しばらくしたら低いシラビソ・オオシラビソの測定は終了． 可知さんと次の調査地に先に移る． トラヴァース道をさらに麦草峠のほうに進んで 五辻と呼ばれるところから廃道を逆方向にたどる． ここからは縞枯山-茶臼山間の 縞枯れ現象 がよく見える．
• はしごプロットは縞枯山斜面であり， こちら五辻プロットは茶臼山のすそで高度が相対的に低い． ここもまた「はしご」と同じく伊勢湾台風→一斉更新という 経緯をたどったんだけど， 環境がマシなので林分の生長が速いとかで …… そのためかどうか 「傘型樹冠」もつような貧弱な連中はすでに一掃された後なのか， その姿をあまり見ない． プロット内のコドラート数も少なくすぐに終ってしまう．
• しばらく待っても林冠木高さ測定班があらわれないので， もとのはしごプロットに戻ると， 谷さんと加賀屋さんのふたりで 高さ 5m をこす樹木たちを測定されていた． 明日の「ぎょーむ日誌」に書くけど， この作業は人数×時間を必要とするのである． 小柄な加賀屋さんが木登りの才能を発揮してそれを補っている．
• もうひとりの院生・杉阪さんは 14 時すぎに単身で主稜線に上がってそこから 縞枯斜面をくだりつつ全天写真の撮影にでかけた， とのこと． この仕事もまた時間かかるばかりでなく， 空模様に大きく影響されてしまう． 今日は快晴でまったく素晴しい天気なんだけれど， 全天写真撮影者はかくのごとき好天をひどく憎むのである． この観測に最適なのは直射日光のささぬ曇天状態であるからだ …… 果してどうなるのか．
• 「はしご」上下の全個体の測定が終ったので今日の毎木調査はここまで． 時刻は 1630． 明日は五辻の林冠木の高さを測定するばかりである．
• 途中でお茶をわかしたりして飲んだりしながら， ゆるゆると縞枯山荘にむかう． 今晩の宿泊地であり， 縞枯山近辺の調査基地である． 1650 山荘着．

[縞枯山荘] 雨池山-縞枯山のコルに位置する． 冬はスキー登山の客が訪れるので 気合の通年営業． 電力は風力発電+太陽光発電． ふつーの山小屋につきものの 内燃機関発電機がないために極めて静粛である．

• 九大山岳部時代はテント泊ばかりだったし， 大雪山系では無人小屋ばかりだったので， メシつき・フトンつきの小屋泊まりは始めてなんだよね …… なんと宿泊する部屋は畳じきである．
• 日没までしばらく時間あるので， 小屋の裏山である雨池山に登ってみる． りある Abies たちとはもはや和解の境地にあり， 計算負担の高いパラメーターセットをもつ樹木たちをみても 「うむ，そうくるか」 と勝負を楽しむ間柄となった． 15 分ほどかけて登った山頂から， シラビソ・オオシラビソに包囲された 縞枯山荘周辺の地形を見おろし， 遠く乗鞍岳のむこうに沈みゆく夕陽を眺めてから撤収． うす暗くなりつつある中を小屋にむかっていると キツネに出くわしたり．
• 山荘には縞枯山北斜面 (こちらは縞枯れていない) の調査を終えた 小澤さん も戻っておられた． 林床に生きる オサバグサ なる可憐な草本の研究者 …… であるこの女性の驚くべきもうひとつの相貌 …… 彼女の手になる 都立大植物生態のペイジ や 縞枯山調査地のペイジ を見て何か気づかないだろうか． 「ああ，見やすくてカッコいいレイアウト」 「あれれ? このあたりの URL は」 「ということはこのペイジのソースは」 「こ，この埋め込まれた vb script は」 …… そう， 小澤さんは Micro$oft な II$ のサーヴァーサイド実行の スクラッチプログラミングですら易々とこなす (さらに Perl も Java もできてしまう) 練達の web 技能者なのである．
• とっくに日は暮れたのに， 南斜面に撮影にいった杉阪さんが戻ってこない， と皆で危惧してたら …… 1800 の食事時刻の直前に無事に帰還． この「最悪な」快晴のもとにあっても 薄暮時なんかにかなりの撮影に成功したとのこと．
• 全宿泊客十余人が一同に会して晩飯． 標高 2250m とは思えぬ豪勢な内容であった． 食後は大コタツに移ってあれこれ雑談． このコタツは火のついた木炭で温める機構のものだ． 電灯ではなくオイルランプ．
• 満天の星空のもとで歯みがきしてから 2100 すぎに就寝． きわめて快適．
• 今日の食卓
  • 朝 (0550): 昨晩， 自宅近くのローソンで買ったあんぱん． 自販機で買ったミルク紅茶． JR 茅野駅前のバス停ベンチにて．
  • 昼 (1130): 「はしご」調査地で弁当いただく． えーと， 鷄飯だったかな．
  • 晩 (1800): 縞枯山荘の夕食． 飯． 味噌汁． レンコン・コンニャクなどの煮物小鉢． ハンバーグとポテトサラダ …… 「山小屋の飯」はこれが初体験なのだけど， このような豪勢なモノだったとは …… でもこの山荘は特別なんだろうなぁ．

2001 年 10 月 15 日 (月)

• 縞枯山荘 (標高 2250m)． 0600 起床． よく寝た．
• 朝食とってから出発の準備． 主稜線南斜面で全天写真撮影にいどむ 杉阪さんはすばやくでかけてしまう． 小澤さんも南斜面に． 残りは「五辻」プロットに． 0710 山荘発． 快晴 …… 全天写真撮影むきではないのだが． 気温低いけど無風．
• 今日の毎木調査班は全員で林冠木の樹高測定である． その要領は下の図のとーりで， 木に登って測高ポールの上げ下げを指示するヒト (加賀屋さんと久保)， 測高ポールを上げ下げして高さを読むヒト (谷さん)， データを記録するヒト (可知さん) という共同作業となる． 木に登るヒトが複数であるのは効率化のためである． 一本の木から見える範囲はかなり限られているのだ．

• シラビソ・オオシラビソは幹がまっすぐで 比較的登りやすい樹種なんだろうな …… とはいえ， 上のほうは枝が密生してるのでなかなか上がれん．

	[樹冠内をうろうろ] 上に長く滞在する場合は枝に座るとラクです． しかし安全ベルト+スリング+カラビナあれば もっとラクかも．
	[木登りにおける華麗な動き] この方面にかなりの才能をもっておられる 加賀屋さんの模範演技である． ヤニがつくので雨具装着．

• 0915 「五辻」下の調査地終了． 1005 上の調査地終了． 以上で今回の毎木調査終了である． めでたしめでたし．
• 1100 ロープウェイ駅まで戻る． 今日は鈴木準一郎さんと Tomas Herben さんが こちらに来るはずなんだが …… と待ちながら昼食をとる．

[昼飯風景] 今回大活躍した可知さんの携帯ストーヴ． いわゆるカセットコンロ用のブタンガスタンクを つなぐことのできるモノなんだが …… この画像は明るさ補正に失敗してるんで何がなんだか．

• どうも鈴木さんたちは先に行ったのではないかなぁ， と言いつつ縞枯山荘まで戻ると …… 小屋にいた登山者の目撃情報あり． お二人はすでに主稜線上である． 荷物を整理して主稜線追撃準備． 昨日から悪化するいっぽうの風邪をおして 気合で調査していた谷さんはここで一足さきに下山． 可知さん・加賀谷さん・私はゆるゆると縞枯山南斜面調査地をめざす．
• 展望のよくない山頂を経由して 南側を下る． おお， これがかの有名なる縞枯れの中か ……

[一番上の枯れ帯] シラビソ・オオシラビソが立ち枯れている． 可知さんによるとここはあまり「教科書的」 ではなく， 林床には Abies だけでなくカニコウモリ (植物の名前!) など草本も入りこんでいる， とのこと．

• 1315 杉阪さん・小澤さんと合流してお茶． 今日はもう調査をきりあげて下山することに． 縞枯山荘にもどって荷物をまとめて 1425 ロープウェイ山頂駅着． 片道 900 円． 車内から縞枯山や南八ヶ岳をながめてると 10 分もたたずに山麓駅着．
• 駅駐車場に鈴木さんの車がまだ残されていた． 何本か下山ロープウェイが到着するのを待つ． なぜか鈴木さん・Tomas さんあらわれないので， 可知さんの車 (研究室の車?) に乗れるだけの人数が乗って 小斉の湯 に移動． 途中で駐車場に残留してた杉阪さんから携帯電話で連絡あり， 鈴木さんたちが下山してきたので， あとから温泉で合流するとのこと．
• 露天風呂に入ったんだけど， やむえぬ仕儀からさっさと出なければならなくなる． 帰路は私と谷さんが鈴木さんたちの車に便乗して先行出発する． 時刻は 1630 ごろだったかなぁ． 考えてみれば帰りの費用を分担してなくてよかったんだろうか．
• 諏訪インターチェンジから中央自動車道に乗って南東へ． 南八ヶ岳だけでなく南アルプス北端もよく見えるなぁ． 鳳凰三山・甲斐駒ヶ岳・鋸岳にいたる稜線．
• 19 時すぎ， 都立大横の京王線・南大沢駅の横で皆さんとお別れ． ここから先日と同じ経路で帰る． 1916 南大沢発． 1934 京王稲田堤着． ここまで 270 円． JR 南武線のほうに歩いていって 1950 JR 稲田堤発． 2018 JR 川崎着． ここまで 380 円． 京急川崎まで歩いていって 2027 同発． ここは毎日通る経路なので定期券が使えるのである．
• 大森町で買いものなどしてから 2050 帰宅． ふう， 今年にはいって初めて山行， かなり楽しかった． りある Abies も堪能できたし．
• (一言近況) 縞枯山からもどりました． 今年初めての山行 (というか初めての有酸素運動)， シラビソに木登りしたり …… かなり楽しかったです． (2001.10.15)
• 今日の食卓
  • 朝 (0600): 縞枯山荘の朝食． えーと， 飯・味噌汁・目玉焼・ハム・漬け物・小梅 …… だったかな．
  • 昼 (1100): 調査隊昼食として用意されてたパンなどいただいてしまう．
  • 晩 (2120): スパゲッティー． 豆腐・タマネギ・マイタケのトマトソース．

2001 年 10 月 16 日 (火)

• 0710 起床．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． コーヒー． シャワー．
• 0755 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0804 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0830 京急上大岡発． 0845 研究所着．
• 縞枯山「ぎょーむ日誌」でも書こうかと思ったんだけど， 写真はりつけたところで根性が尽きたので中止． ハンパなままアップロードする．
• 火急の仕事であるはずの「ニセ」アカマツとりまとめに 着手しようとするも …… なんか昨日から頭の中でぐるぐるまわってる 縞枯山お手軽シミュレイションの アイデアのほうに引き寄せられてしまう．
• こういうときは core dump してしまったほうがよさそうなので， とりあえずの思いつきのたぐいを紙に列挙してみる …… まぬけなことにこれで午前中終った．
• 昼飯食ってから， 昼休みと称して縞枯山「ぎょーむ日誌」の続きに着手してみる． …… しかしうかつなことを書くと 何かとてつもなく恐ろしい状況になりそうな気がして なかなか進まぬ． てきとーに切り上げる．
• Perl モジュール Net::FTP を使いたい場合は， CPAN から libnet をとってきてインストールする．
• 「ニセ」アカマツをぢりぢりと直す． 北大の甲山さんがご自分で何か計算しておられるらしく， 確率論的モデリングに関する質問メイルが確率論的に到来する．
• 1600 すぎに自分の郵便物を取りに行くと …… まったく驚愕すべきことに， 九大の粕谷さんから封書が一通 …… な， なんで粕谷さんが? それも郵便なんかで …… 封筒のおもてうらを何度もひっくり返して眺めつつ よくないことの生じる可能性について全力で検討してみる．
• えーとえーと …… ここ一年ほど粕谷さんには直接お会いしてないし， メイルのやりとりもほとんどなかった． 何か粕谷さんを怒らせるようなことをしてしまっただろうか? いやいや， そんなことは …… まてまて「ぎょーむ日誌」なんかにヘンなこと 書いたんじゃなかろーか． そうだ， 一年ほど前のあの富士山麓統計学セミナーで， 異端審問官がどーのこーの書いてしまった． あれか． あれがまずかったのか ……
• 時節がら封筒は破かぬようにナイフでそろそろと口を切り， 指先でつまんでおそるおそる内容を取りだす …… なーんだ， 別刷を送っていただいたのか …… と安堵のあまり脱力してしばらく机の上に昏倒．
• 気を取り直してさっそく拝読 …… 粕谷さんが Animal Behaviour に投稿して掲載された解説 (commentary) ``Mann-Whitney U test when variances are unequal'' である．
• その主旨をひとことで述べるなら， 観測されたデータにばらつきが大きいときに U 検定やるのはマズいんじゃないの， というもの． 「何でもかんでもとにかく U 検定」 という配慮にかけた当世風の生態学者的統計解析に対する 厳しい戒めである．
• いつものごとくに …… と言いますか …… 1999 年の Animal Behaviour (動物行動生態学の学術誌) に掲載された全論文で U 検定やってる事例をみつけては， そのときに標本集団間でばらつきが大きすぎないかどうかを ご自分で検定されて， まずいことになりそうな事例を 容赦なく数えあげるところからこの解説は始める． じつに過半数の場合において U 検定を使うのは危ない， とのことである …… 私も含めて方法論のいいかげんな全世界の生態学者が 粕谷さんを畏れかつ恐れるゆえんがわかっただろうか．
• このあとはシミュレイションによる実例の解説があり， 上記検定方法によって Type-I エラーが過剰に生じてしまう状況ついて説明される …… それはよいのだが， この解説の文章と計算に触発されて， 「そもそも U 検定って何をやってるんだろうか」 「どういう状況で使われるべきなんだろうか」 という問題を考え続けてこの日は終ってしまった．
• というのも， 「ばらつきがあまりにも違う二標本集団をむやみに U 検定するんじゃない」 という粕谷さんの主張には全面的に賛成なんだけど， その根拠はもう少し別な方法で示すべきでは， という気がしてきたのだ．
• 考えのまとまらぬままに 1750 研究所発． 普通に乗って 1803 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1810 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1830 京急川崎発． 1905 帰宅．
• 明日 17 日は JAMSTEC 関連のなんとか記念日とやらで休み， である． つまり独房群まで出向かなくてよい．
• 今日の食卓
  • 朝 (0720): 米 0.6 合． 昨晩の残り 豆腐・タマネギ・マイタケのトマトソース．
  • 昼 (1205): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1920): 米 0.7 合． 朝と同じ．

2001 年 10 月 17 日 (水)

• 0710 起床． 今日は独房群のなんちゃら記念日とやらで休みである．
• 午前中は縞枯山「ぎょーむ日誌」書いたり， 粕谷さんの U 検定解説にコメントするために文献しらべてみたり．
• 午後からなんとなく …… 縞枯山みたいな環境での二次元個体群シミュレイターを ケガれ Perl で書いてみる． ごく簡単なものなんだが． そしていつものごとくごく簡単なものが ごく簡単に書けない． やれやれ．
• えーい， ホントに必要最小限の機能だけにしよう． めんどうな拡張なんかは先方のプログラマーたる 小澤さんに押しつけてしまえばよいのである …… とヒトに迷惑をかける方向を選択してしまう私．
• 夜になってからちょっと食料の買いだし．
• Perl/Tk の悪夢， ふたたび． いかん． どうしてこんなところにトラップされてるんだ ……
• 今日の食卓
  • 朝 (0930): スパゲッティー． 昨日のトマトソース残り．
  • 昼 (1330): スパゲッティー． 塩を間違えて大量投入してしまったので， 塩味だけのもの． うう．
  • 晩 (2130): 米 0.8 合． ニンジン・タマネギ・ニラ・シイタケの炒めもの． コマツナおひたし．

2001 年 10 月 18 日 (木)

• 0710 起床． 0630 ごろ震度 3 ぐらいの地震があって 建物全体がみしみしと揺れた． 不気味だ．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． コーヒー． シャワー．
• 0745 自宅発． 雨． 特急に乗って 0756 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0818 京急上大岡発． 0835 研究所着．
• 午前中いっぱいかけたのにここまで． まだ縞は動かない． 植物もいない． まぬけだ．

…… 問題は Perl/Tk で描画してるんで， ディスプレイか postscript に出すしかなさそう， ということ． 上の図は postscript → png と変換したんだけど， これって数秒かかってしまうんだよね (BookPC, PentiumIII 733MHz)．
• 昼飯食ってから， 縞々を動くようにしてみる． これは問題なくできたみたいなんで， この縞々世界の底でうろうろぢたばたする植物たちの 挙動を規定する Perl モジュールを書いてみる．
• 1715 どうにかこうにかひととーりできた． 個体群動態パラメーターとかまだまだヘンなままなんだけど …… それから， こんな林床植物に個体間相互作用なんぞあるとは思えないんだが， 残念ながらある種の局所密度依存性をいれないと システムが安定しない． 相互作用というんではなくて， もう少し広義に「密度の上限がある」 ぐらいのつもり …… ま， 具体的な問題はデータ持ってるヒトたちが悩めばよい．

year 100

year 200

year 1000

year 2000

プロットの外からの移入がないから， 標高が低いほどすかすかになるような勾配ができてしまった …… そう， 個体群ごと「下流」に押し流されてしまうためである．
• 1810 研究所発． 普通に乗って 1820 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1830 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1850 京急川崎発． 1910 帰宅．
• 「縞々環境下における植物個体群動態」なる 解説を書いてしまって， この仕事にさっさとキリをつけようとしたんだが …… パラメーター調節で遊んだりしてしまう． 意外と面白い． 解説書きかけの段階で今日の仕事おしまい …… ということにする． 明日の午前中に終るだろう． たぶん．
• 今日の食卓
  • 朝 (0720): 米 0.6 合． コマツナおひたし．
  • 昼 (1215): 弁当． 米 0.8 合． ニンジン・タマネギ・ニラ・シイタケの炒めもの．
  • 晩 (1920): 米 0.7 合． タマネギ・ニラ・卵の雑炊．

2001 年 10 月 19 日 (金)

• 0700 起床． 7 時間ぐらい眠れたか．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． コーヒー． シャワー．
• 0745 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0754 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0818 京急上大岡発． 0835 研究所着．
• 昨日つくった変動縞々環境下の植物個体群動態シミュレイションについて， ごくごく簡単なる解説を書き上げるのに 1110 ごろまでかかる． 1150 さらに縞枯山調査隊の皆様にメイルなど書いて この件とりあえずは終了． これで一宿一飯のギリは果たした …… 「一飯」 というにはずいぶんと飯を食ってしまったような気もするんだが．
• 昼飯食ってぼーっと …… いかん． 一仕事終えたと勘違いしてる． さっさと「ニセ」アカマツに復帰しなくては． その前に先日の月曜日に山に行ってたのを有給休暇とする 紙切れをまだ出してなかったんだよね …… メイルでは出していたんだが． で， 書いてハンコなど押してもっていくと担当のかたがいない …… のですごすごと撤退．
• 「ニセ」アカマツ原稿を眺めつつどうにかしなくては思いつつ …… うーん， 8 月に Abies PipeTree に取りかかる前に何をやろうとしてたのか いまだに思い出せん．
• 確信もてぬまま昔の赤ペン直しの指示どーりに直す …… まるで改善されたような気がしないんだが．
• ぢりぢりと匍匐前進 …… 1820 研究所発． 普通に乗って 1830 京急杉田発． 特急に乗り換えて 1838 京急上大岡発． 1910 帰宅．
• なんかばてたなぁ．
• 今日の食卓
  • 朝 (0705): 米 0.7 合． コマツナおひたし．
  • 昼 (1220): 弁当． 米 0.8 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1920): 米 0.7 合． タマネギ・乾燥ワカメ・煮干の雑炊．

2001 年 10 月 20 日 (土)

• 0700 起床． 土曜日なのになぜか早く起きてしまった．
• 私が一昨日に作った「縞々環境下の個体群動態」を シミュレイトする PopWave とゆー Perl + Perl/Tk スクリプト群が， 多芸多才なる都立大植物生態の 小澤さん にあれこれと英雄的努力を強いてるみたいだ． かなり恐縮して補足説明メイルを送る．
• この PopWave ってのは個体群動態計算パートと 作図パートに分かれていて …… 動態計算のほうは Window$ 上の ActivePerl で とくに問題もなく動いてくれたらしい． で， 作図パートなんだけど， ActivePerl には標準では Tk 呼び出しがついてない， ってのと， 私の作ったわかりにくい Perl/Tk ケガれコードのせいで ……
• Tk 問題は昨日のうちに解決され， 当方由来の問題については今朝の補足説明にて なんとかなったもよう． めでたしめでたし．
• PopWave を少しだけ手直し． かなり冗談はいってるんだけど 「縞止めモード」を追加してみる． 70-80 年周期の明暗サイクルからまぬがれると， 個体群の定常サイズはおよそ 6 倍にもなる (約 2000 個体→ 約 12000 個体)．
• その結果として， ドリフトが生じなくなって単色で塗りつぶされるのが ずいぶんと遅くなってしまうわけだ (たぶん次の氷河期のほうが先に来る)． むろん縞が動かないことによって 「侵入しやすさの極性」らしきものなくなったかも， というのもまた重要そうな気はするんだけど．

year2000

• このあたりをひととーり整備したり， 関連ファイルを <鳳翔> にアップロードしたりして， ひとまず作業終了． 小澤さんは果敢にもこれを MacPerl でも動かすことに挑戦， とのこと． ああ， MacPerl． これもまたたいへんかも． はらはら．
• Linux/Unix 使いなどという変わり者は 研究者 (とくに生態学) のあいだでもぜんぜんいないわけで …… もう少し人口に膾炙した計算環境が自分の手元にあれば これほどヒトに迷惑かけなくてすむんだろうけど …… うう． こんど新しいノート PC をオークションで落札することがあったら， ThinkPad 560E は cygwin な環境にしてみるかな? いやいや． こいつ (Pentium 166MHz) には近ごろの Window$ は荷が重そうだな．
• 1800 すぎから 2400 までかかって (途中で晩飯の準備して食ったりしながら)， 統計学本だの web site だのをあちこち調べ回りつつ， 粕谷さんへのメイルを書く． 先日送っていただいた commentary への意見である． 前にも書いたとおり， 総論としては賛成なんだけど， その結論にもっていくやりかたがまずいじゃないでしょうかね …… という (考えようによっては) 挙げ足とりな内容である．
• 当方の意見を要約すると 「えーと， 粕谷さんのモンテカルロ数値実験でやっておられるみたいに， ふたつの異なる母集団からサンプリングしてきて U 検定して Type-I エラー調べるのは まずいのではないでしょうかねえ」 というのにすぎないんだけど …… まぁ， その表現に苦労してみたり， U 検定と関連しているワザとの比較をしてみたり．
• たとえばパラメトリックの世界についてよく知らなかったんで 調べてみたんだけど …… t 検定って標本集団間のばらつきが大きい (「等分散」とはみなせない) 場合でも 適用できる方法があると初めて知った． Welch の修整 t 検定である． これは母集団がいずれにしても正規分布だっ， って大々前提があるからそーいうワザが使えるんだ …… ふーん． 確率分布の正規性 (normality) って意外と便利なモノだねぇ． とはいえ， 同じ母集団からのランダムサンプリングという原則は ゆらがないんだけどね． そしてノンパラメトリックな検定にはこのような 都合よい逃げ道はないのである．
• 2400 直前にだーっと書き上げて九州に送ってしまう． ああ， 疲れたばてた． キモチとしては某テロ計画者の 50 日前のそれに近いものかも． 先方にインパクト与えそうなんだけど …… その「報復」が ……
• 今日の食卓
  • 朝 (0730): 蕎麦．
  • 昼 (1320): パンケイキ．
  • 晩 (1930): 米 0.9 合． 豆腐・タマネギ・シイタケのカレー．