ぎょーむ日誌 2001-09-(11-20)

2001 年 09 月 11 日 (火)

• 0700 起床． 昨日はほとんどコード書かなかったんだけど， 夜明け前にまたわけのわからんバグと乱闘してる悪夢で目がさめた． でもそのまままた寝たので 6 時間ぐらい寝たか．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー． コーヒー．
• 0735 自宅発． 雨． 台風 15 号は伊豆半島のあたりまで来てるらしい． 特急が出ていったばかりなんで， 普通に乗って 0743 京急平和島発． おお， 多摩川が河川敷まで氾濫してる． 特急に乗り換えて 0757 京急川崎発． 普通に乗り換えて 0820 京急上大岡発． 0835 研究所着． やはり台風の中心に近づくと風雨強し．
• 考えてみれば， まだ夏休みとやらが残ってるんだから， 休めばよかった．
• 昨日， 「どろくさくなりがち」 と書いたカベとの衝突点わりだし方法， (X, Y, Z で場合わけとかやらずに) もうちょっとマシにならんか， 京急の中で考えた． するとカベごとに基底ヴェクターを指定し， それとの内積を計算すればいいとわかった． 簡単にメモしとく (・は内積)．
  • 基底ヴェクター B ∈ { { 1, 0, 0 }, { 0, 1, 0 }, { 0, 0, 1 } }． 「カベ」ヴェクター (仮称) W ∈ { { wx, 0, 0 }, { 0, wy, 0 }, { 0, 0, wz } }．
  • 動点の現在位置 P = { px, py, pz } と方向ヴェクター D = { dx, dy, dz }． 視線の式は ( x - px ) / dx = ( y - py ) / dy = ( z - pz ) / dz = q．
  • 衝突点 C において q_c = (( W - P )・B) / ( D・B )． 衝突点の位置は C = P + q_c * D ．
• 時刻は 1200． ふう． 基底クラス Boundary と その派生クラス BoundaryAbsorptive, BoundaryReflective, BoundaryPeriodic は書けた． 問題はこいつらを三次元区画 Voxels に 組み込むところなんだが …… 昼休みにしますかね．
• 弁当食ってから， 杉田郵便局に出かける． 先日 Yahoo! オークションで落札された ThinkPad560E 電池を発送するためである． 外は雨． しかし台風の中心は北関東のほうに移動しつつあるので， 風は強くない．
• 独房群を脱柵． 歩いて 5 分ほどで JR 新杉田近くの郵便局． 電池重さ 310g ほどだったので， 簡易書き留めにて 740 円の送料となった． 独房群にもどる． 昼休みにふらふら出歩くのは， ちょっとした気分転換になる．
• 午後は Boundary を Voxels に組み込む作業． うーん， なんかばててる．
• ふと気がつく． いままで Border と書いてたのは 全部 Boundary の間違いじゃないか． いやはや． 一括置換． 証拠隠滅． むろんライブラリ内も同様である．
• 1520 まだ作業続行中． Voxels から動点移動に特殊化したクラス TravelGuide を分離． Voxels の子分が TravelGuide でそのまた子分が Boundary* という関係． 書いててばてそうになる …… そうだ， 台風もどっか行ったことだし， 屋上にでもあがってみるか．
• …… と書いてから， またコード書きに没頭してた． 時刻は 1555． よし今度こそ独房群の屋上に．
• 台風一過． 空はまだ曇っているが， 西の空は晴れつつある． 10 分ほどストレッチなどして体を伸ばす．
• またコード書き． 虚業家 Fvision を中核とする 三次元計算系が書き直された．
• しかしバテたので 新造の Boundary と TravelGuide のコンパイルを 通したところで撤退． 1810 研究所発． 普通に乗って 1822 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1830 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1850 京急川崎発． 1915 帰宅．
• 晩飯食ってもばてたままだけど， 砂糖をたくさんいれた紅茶で大脳どーぴんぐ． ライブラリの再編成に取り組む．
• その前に システムが腐れぎみの Yahoo! オークションの管理機構に 動作がヘンだと報告するメイルを送る． なんで他人のバグの挙動を 金払ってる当方が (280 円出すとひと月使える) 報告してさしあげねばならんのだろう， といぶかしみつつ． くそう．
• わりとあっさり新ライブラリは作れたんだが …… 試験運転用コードとリンクさせようとすると， Undefined Reference という意味不明というか …… いろいろ試してみるとリンカーの挙動不審としか思えぬ不具合が． 呪われているなあ．
• わからん． 調べ出すと深みにはまりそうで恐い． 独房群の BookPC でもこの現象が再現されるか 明日しらべてみよう． ああ， たかが「はしっこ」でふつかもみっかも ……
• 今日の食卓
  • 朝 (0715): 米 0.6 合． タマネギ・ニンニク茎・ヒラタケ・卵の炒めもの．
  • 昼 (1210): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1925): 米 0.7 合． 朝と同じ． リンゴなどかじってみたり．

2001 年 09 月 12 日 (水)

• 0700 起床． ひさびさに 6 時間ほど連続して眠れた．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー． コーヒー．
• 0745 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0754 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0820 京急上大岡発． 0835 研究所着．
• 「ぎょーむ日誌」用語で言うところの敵国， その中枢でテロリストたちが 跳梁したようですなぁ． 二週間後には北米大陸に行かねばならぬとは いろいろな意味でゆーうつ (合州国中西部でけべっく行きに乗り換えねばならんし)． 昨晩， ネット上の新聞サイトみながら 「『小型機』ぶつかったぐらいで 高層建築が折れたりするわけないだろ …… 錯乱した報道だなぁ」 と呆れてさっさと寝てしまったんだが …… まさか B-767 を沈着冷静に操縦して幅わずか 60m の地上建造物に正確にあてるとは． 航空自殺攻撃としては史上最大． しかも 2 地点 3 機突入 4 ハイジャック同時， か． 日航機がワシントンの連邦議会を吹き飛ばす トム=クランシーのホラ吹き小説よりよほど手荒い．
• とはいえ， 私にとっては自分自身でつくり出した目の前のバグのほうが 目下のところよほど危機的である． うう． Undefined Reference とやらは BookPC でも再現した． つまりこれも自作バグか． 強引な解決方法はひとつ見つけてるんだけど， それを行使する前にもうちょっとどうにかしたい．
• 今朝はめずらしく諸方からメイルいただいたので， まずはそれらに返信でも書いてアタマ動かし始める．
• ライブラリの見直し． そういえば， 「カベ」に何かがぶちあたった場合の経路や衝突点の計算とか， その後の処理をやってるんだよな …… 関数名も CrashProcessing とかにしてるし． なんかなまなましいぞ． 動点を衝突点まで精密に誘導するクラス名は TravelGuide にしてた …… ぶらっくだ．
• 時刻は 1430． 本業である「ぎょーむ日誌」書きも放り出して， 三種類の境界条件をまぜあわせることのできる Boundary* の動作試験をやってたんだけど， どうやら， ようやくのことでうまくいったようだ． 昼飯食いながら試験やるというような よゆーの無い態度である．
• あ， Undefined Reference は結局よくわからなかったので， 強引な解決策を採用した． すなわちこの警告がでなくなるまで 実装ファイルの関数をヘッダーファイルに移行してたのである． 邪悪予約語 inline の使いすぎかしらん? 矛盾無いように inline 宣言してるんだけどな．
• { X, Y, Z }*{ LOWER, UPPER } の六つのカベに関して， 吸収・反射・周期的の三種類を自由自在に指定できるようになった． 試みに六面とも同じ種類のカベで構成すると， 下のような「視線」の軌跡が形成されるのである．

	[六面ともすべて吸収壁にしたら] x = 1 のカベにぶつかって終了． 赤線は「視線」． 丸は「その場で近くの観測を行う」 (クリックすると図が拡大)．
	[六面ともすべて反射壁にしたら] いつまでも反射を繰り返すんだけど …… 動点が動くたびに， gaze の記憶してる traveling_distance がどんどん増えて traveling_distance_max (ここでは 10) を越えたら終了．
	[六面ともすべて周期境界壁にしたら] えーと， これはたとえば， x = 1 のカベにあたったら， 「パックマンワープ」して x = 0 のカベから出てくる， という趣向です． やはり， gaze の記憶してる traveling_distance がどんどん増えて traveling_distance_max を越えたら終了．

• ふう …… しかし， じつはこれって， 四半世紀前に 及川さんが大型計算機でいろいろ工夫 してたころからまったく進歩がない， というか …… 古典的問題にまるまる二日を費してしまった．
• ちょっと休憩． 独房群屋上ストレッチ． 今日は晴れ． もどってお茶など飲む．
• 北米出張者の「無事」情報がときどき流れる． 生態系領域の Dennis さんはなんとワシントンにいたらしい． 北大の浦口さんは当日はフィラデルフィア (NY とワシントンの中間!) に行ってたけど無事， とか．
• さてさて， 新しい境界を PipeTree と組み合わせなければならない． じつはインターフェイスの整合性とかは 昨晩のうちに調整してたんだよね． 原因不明のエラー直す過程で．
• ということで， 再コンパイルはとくに問題なし． つぎはどうするか． その前に X-Y 平面に関しては「境界線」でも 引いてみようかな．
• さて， 新ライブラリと Abies PipeTree はうまく結合できたように 見えるんだが …… 期待してたような効果が出ない． なんでだ． 樹木個体内の光分布どうなった? 全センサーの報告を見る．
• 視線の動点が運動しうる区画をせまくすると， 約 1/3 のセンサーが機能不全? そりゃまたどういうわけで …… 黙考 1 分． あ， わかった． こいつら 「圏外」に出てるからだ．
• どうしたもんかねえ． 対策は …… 対策はあるな． またちょっとライブラリ側に機能追加せんといかんけど． あ， またまっとうではない奇策です．
• その準備として， 関数をいくつかさらに小分けにしたところで 帰宅することに． 1755 研究所発． 普通に乗って 1808 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1815 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1835 京急川崎発． 1900 帰宅．
• 晩飯食いつつ あれこれと憶測にみちた NHK ラジオ 19 時ニュース聞く．
• 2030 ごろから夕方思いついた「対策」を カタチにするべくゆっくりコード書き． 2330 とりあえず見てくれだけは思いどーりの 結果得られた． まだ完全ではない． しかし今日はここまで．

「これがッ …… これが周期境界条件だッ!!」

• つまり境界からはみ出た枝， といいますか枝の構成部品である PipeBundle にはアチラ側にお移りいただく， と． 新造した Boundary* たちの機能を活用して jump point を計算してもらったのである．
• PipeBundle 以外の部品， 末端 PipeTerminal とか葉群 Foliage なんかは もともと「自分はどこにいるのか?」を知らないんだよね． 不安になったときは寄生してる PipeBundle に 「ここどこ?」と聞くようになっていた． ということで， PipeBundle だけをアチラに飛ばしてしまえば， それにくっついてるさまざまなモノもいっしょに移動する．
• あー， PipeBundle どうしの関係はむろんつながったままです． つまり生き別れになったかに見える枝は われわれには見えないカタい絆で しっかりと結ばれているのですよ．
• さーて， 明日はこれらの工夫が使いものになるか どうか調べんといかん． さっさと寝よ． もう 2350 か． しまったもっと早くに終了すべきだった．
• けべっく出発まであと 14 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0715): 米 0.6 合． シイタケ炊きこみ飯． ツルムラサキおひたし．
  • 昼 (1220): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1910): 米 0.7 合． 朝と同じ． チンゲンサイ・タマネギ・アスパラガスの 炒めもの．

2001 年 09 月 13 日 (木)

• 0700 起床． 6 時間ほど寝た． 今日はもうちょっと早く寝よう． 眠い．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー． コーヒー．
• 0740 自宅発． 曇． 雨降るかな? 特急に乗って 0754 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0820 京急上大岡発． 0835 研究所着． こちらはやや晴れ．
• 周期境界条件な計算チェックの続き． 昨日の晩に挙動がへんだと思ってたのは 単なるファイルへの出力書式問題だとわかった． ふう．
• 午前中はこれと似たようなバグをつぶしてまわって， ようやく Abies PipeTree を独房に隔離することに成功． 昼飯の弁当食ったんで， でれでれとその概要を述べつつ午後の作業につなげていく．
• まず， 樹木を取り囲むカベのうち X と Y 方向のものは 「周期境界条件」 とする． 昨日の「ぎょーむ日誌」にも示されているように， カベをつきぬけてしまった枝は 反対側のカベから出てくる， とういアレである．

[「どこでもドア」な世界] 真上からの見おろし． あとから自分で参考にするために 境界条件をメモしておく． xyz_min = { -10, -200, 0 }, xyz_max = { 200, 200, 500 }． root_pipe_bundle の xyz_root は { 0, 0, 0 }．

• さて， この XY カベをどんどん狭くしていくとどうなるだろうか． 自分が東側に伸ばしていった枝が突如として西側から出現し …… ということで， 狭いところに閉じ込められた樹木個体は自分自身の高密度な 枝によって著しく暗い環境に閉じ込められることになる．
• 書き忘れていたんだけど， このような周期境界なワクを導入した理由は， たった一本ぶんの樹木の計算をやるだけで， あたかもその樹木がぎちぎちに詰め込まれた高密度な 森林で成長してるかのような状況をシミュレイトするためである．
• いやもちろん， PipeTree は 100 本でも 100 万本でも 同時に個別に育成することできますよ． ただし CPU と メモリが許容するかぎりにおいて …… まぁ， メモリけちけち作戦が効を奏したから たぶん 10 本同時ぐらいは難なくできると思うのだけど， 単木に比べて計算時間が 10 倍近く必要とされてしまう． で， 残り時間も少ないことだから， こういう便法でもって高密度個体群の「暗い」環境に 対する個体の反応を調べよう， そういう作戦である．
• さて， 200cm 独房と 20cm 独房で比較してみたんだが ……

200cm × 200cm のワク 10 年生，樹高 227cm	20cm × 20cm のワク 10 年生，樹高 241cm

• 20cm ワクのほうでは枝はどんどん死んでくれる． それはいい． しかし図でみるかぎり， すかっと枯れ上がってくれないなぁ．
• ところで， 上の図で 「こっちの 200cm ワク，ゆがんでんじゃないの?」 と見たあなた， ある意味正しい． しかし実はこれらの図は「見おろし」てるんじゃなくて， 地面の中から「見上げて」いるのである． いや， とくに意味は無いんですけど …… 蛇足な捕捉をもうひとつ追加すると， どちらの樹木もワクの中心にぴたっとアシをつけてるわけでなく， 5cm ほど浮遊している (計算の都合上そうなってる)．
• 200cm ワクと 20cm ワクで個体内光分布を調べてみると， これはやはり狭い独房に閉じ込めたほうが 圧倒的に暗い．

[個体内明るさ分布] 横軸は開空度ごとき量 (0 がまっくら 1 はとても明るい)． 縦軸は頻度． 青線は 200cm ワクで 赤線は 20cm ワク． 狭いところに無理矢理つめこんだほうが， とうぜん暗い．

• 上の図に関するてくにかるメモ: PipeBundle の先端を「圏内」に入れるようにしても， 「目」は「圏外」に出ることある． しかしかまわずに「視線」一斉射撃してよい． というのも， 今回は X 方向 Y 方向ともに周期境界条件にしているからである． これは「内」からだけでなく「外」から飛んでくる 視線に対しても同じように動作する． つまり北の外側から飛んできた視線は内側の南カベ手前に 「ジャンプ」させられ， すぐに北の内側に再度ジャンプさせられるから． よけーな計算増えるけど， とりあえず問題ない．
• さて， なんか明るさ暗さへの反応が良くないような気がするな …… ためしに 20 年まで育ててみた． おお， これはさすがにかれあがってる．

[20 年生 20x20cm] 下のほうの枝はばたばた死んでくれてるようです． (左図の 拡大 )

• どうもゴミのような葉群が宙に浮かんで残ってるような気がする．
• で， 比較のために 200cm ワクでも 20 年育成に 取り組んでみたんだが …… すっげー時間かかる． メモリ食いつぶしが最小限なのはエラいとは思うけどね． しかし， 遅い． 20cm ワクだと 1 分ぐらいで 20 年までいくんだけどな．
• あまりに遅いんでモデル変更． あまりにも細い枝までポリゴン化するのはやめ． 再始動． うーん， 速くはなったけどまだまだだねぇ． 20 年育てるのに何分かけるつもりなんだ． しばらく放置 …… げ， 34 分もかかってる． するとわずか 10 個体の個体群を 20 年育てるのに 5 時間以上もかかるのか． まぁ， 集団状態にするとお互いに枝の殺しあいをやるから， そのぶん計算は速くなるだろうけど．

[20 年生 200x200cm] これは何もない野原に孤立してるような状況． 下の枝にも光があたるので生き残ります． (左図の 拡大 )

• ということで， 20 年シミュレイションであっても 90 秒で終了する 20cm ワク， というのがかなり貴重であることがわかると思う． 競争でばたばた死んで行くという状況も計算しないといけないので， もうちょっとパラメーター調整とかやったら 集団シミュレイションもやらねばならない． サーヴァー室の RedHat Linux な Dell 使ったり， 一晩中計算させる， というふうになるんだろな．
• そのような調整に入る前に …… そもそもあの危ない北米大陸の不穏なけべっくくんだりまで 私なんぞが出かけなければならなくなったのは， なぜかしら甲山さんの代理発表なわけで …… その甲山さんがすでに 3 月に提出しちゃった vaporware 要旨で 何を発表すると述べてしまっているのか． このあたりを今ごろになって点検している．
• 演題は ``Population-level processes of overcrowded subalipine fir stands, ... (長ったらしいので略)''． overcrowded か． やはり枝だけでなく樹木個体ごと死ぬような状況なんだろうね．
• いろいろと読んだり作図してるうちにバテてきた． 時刻 1600． ちょっと独房群屋上に上がるか． 上半身も下半身もなんかこう血行悪くて 肩こりになったりしてるのである． 一日一回ぐらいストレッチやるとマシになる， という気分になれる． 今日は曇天． 独房群のまわりではおそるべき勢いで よくわからぬ工事が進捗中で， 深い穴掘ってはそのそこに建物の基盤らしきものを作ったり， 今日は 4 階の上にあるこの屋上よりさらに高いクレーン車が 何かつり上げようとしてる．
• 独房区画にもどる． 集中力がぷつぷつと途切れつつも， 「どういう結果出してみせれば良いのか」 整理しよう， としてみる． ああ， しかしぷつぷつ．
• 弁慶のカンジンチョウに「得られた結果としては」 と書いてあるのは ……
  1. こみあいによるサイズ階層化
  2. 自己間引の幾何学的ルール
  3. 太さ⇔樹高の時間変化
  4. 光分布 → 密度効果
  5. 生産力向上 → アロメトリーの変化
  こんなところか． さて， 計算できそうなのは， どれとどれだろうか．
• 甲山さんにいくつか質問するメイル出してから帰る． 1755 研究所発． 普通に乗って 1810 京急杉田発． 特急に乗り換えて 1820 京急上大岡発． 1900 帰宅．
• 晩飯食ってでれでれしてたら， 長谷川宣教師殿 から間違い御指摘メイルいただく． 昨日の「ぎょーむ日誌」で 「じつはこれって，四半世紀前に 及川さんが大型計算機でいろいろ工夫 してたころからまったく進歩がない」 と書いてたところで， 自分のサイト内へのリンクが切れてたのである． いやはや．
• 今晩はコード書きはやらずに雑用． まだ PipeTree が動きはじめたばかり， さらに北米大陸やばそう， ますます行きたくないけべっく． その宿泊予約である． むろん樹木モデル屋などという怪しい人たちは 州の行政からの指導によって 会議の期間中は市街地から離れたひとところにまとめて隔離される． この間の宿泊については主催者側に命令されて すでに予約したんで問題ない．
• ところが飛行機発着時間の都合とやらで， 私は会議の前日にモントリオールまで送検され， さらに会議終了した次の日まで拘置される， となってしまった． 二晩寝る場所をさがさねばならん．
• 考えてみれば日本国内においても Yahoo! Travel みたいな安直な検索システムでしか 泊まる場所を見つけられないんだから， 海外宿泊もそういう安易なやりかたで探すことにしよう． まず日本の Yahoo! だがこれでは海外の宿泊は取れない．
• つぎにカナダの Yahoo! Travel の検索システムを使ってみる． えーと， モントリオールの Dorval 空港のコードは YUL で， この近くを …… おお， 空港からの距離で sort されたリストが．
• 一覧に列挙されたひとつひとつを吟味するのもイヤなんで， 一番近い Comfort Inn 系列の宿を選ぶ． 設備とかについて略号で説明されてたりして， ですねえ． えーと …… ホテル関連の略号ペイジを探して解読する． GTD は guaranteed のことか． HTL はホテル …… Rating: Park and Fly， いくら調べても明確な定義文が 見つからない． しかし， 説明から憶測するに「蝿といっしょに公園で野宿」 というニュアンスではなく， むしろ駐車場使い放題 & 空港まで無料送迎， のことを表してるらしい． とはいえ空港まで 2000m だから イザとなれば歩けぬ距離ではない． なぜイザとなったら歩かなければならんのか よくわからないけど．
• さて， いよいよ予約を入れようとすると， Yahoo! Canada にユーザーアカウント登録しろとか言ってきて， ああ面倒なことをと思いつつフォームを埋めて submit ボタン押すと最後の最後になって (いや最初の細かい字の契約書に書いてあったのかもしれんけど)， US か Canada に bill statement が無いとダメ， と切られてしまった．
• 悔しいので， こうなったら意地でもその Comfort Inn Aeroport というのに泊まってやる． 検索エンジンを回す． そこに直接かけあうか， あるいは …… あった． ネット上の宿泊予約システムは他にいくらでもあるわけで， 今回は こーいうところ からくだんの「イザとなったら歩いていけるところ」 を予約した．
• これは SSL なペイジから 住所氏名にクレジットカード番号を送ったりするだけ． 一晩 99 カナダドル．いま 1 カナダドル 76 円らしいから， 7600 円ぐらいか． 税金 15% 取られるらしいけど．
• とりあえず往路のぶんだけ． 明日あたりにその確認もかねて復路の予約を直接 ファクシミリで送りつけてみよう． ふう， とりあえず一件落着． Yahoo! Travel は検索のところだけ役にたったな． 今晩はもうさっさと寝ようかなぁ．
• けべっく出発まであと 13 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0715): 米 0.6 合． チンゲンサイ・タマネギ・アスパラガスの 炒めもの．
  • 昼 (1220): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1920): 米 0.7 合． 朝と同じ．

2001 年 09 月 14 日 (金)

• 0720 起床． 0500 ごろ寝ながら肩を亜脱臼して激痛で目がさめた． 外れるのは久しぶりだな． 撃退したバグのたたりか． また寝たけど． 眠い．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー． 紅茶．
• 0800 自宅発． 曇り． 特急に乗って 0815 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0840 京急上大岡発． 0855 研究所着．
• 壊れてた Yahoo! オークションが修繕されたという報告メイル． 動かしてみると直ってた． やれやれ．
• (ネットワーク遮断情報) 9/18 (火) 7時-9時には北大のネットワークが 停止する予定です． (2001.09.14)
• 生態系領域長の安岡さんが会議か何かのために 東大からわざわざ独房群に来られる． 私の 6 万円 BookPC の横で 1 億 5000 万円の衛星データ解析用マシンの予算が どーのこーのというようなハナシをしてから (りもせんなヒトたちはこういう金銭感覚なのである)， 計算機てくにかるな質問． 私が 7 割ほど回答した段階で 「あっ，そうだそうだ，わかったわかった，ありがとう」 といつものごとく足早に立ち去っていったのであった．
• 午前中は甲山さんがやはり四半世紀ほど前に行った 縞枯山データをどう扱おうか考える． 質問・回答メイルなどやりとり．
• あまり進捗しなかったなぁ， と思いつつ昼飯． シラビソなる生き物がどういうふうに調べられて， どう観察されたか， は少しずつわかってきましたが．
• データを読み込んで Perl オブジェクト化するような モジュールを書こうとするんだけど， アタマが働かん …… ここ 3 週間呪われ C++ な世界で 数値樹木の構築と その独特なる呪われバグたちの退治にあけくれていた． ケガれ Perl はそれとは何か質的に異なる …… なんというか， コーナーで息を整えつつダメージ回復中のボクサーに いきなりプロレスやらせるようなもんか?
• 同時にシミュレイターも走らせてみて， 縞枯山の貧弱な Abies の成長を再現できそうな パラメーターも探索してみる．
• 孤立シラビソのデータ送っていただく． 麦草峠 (これも八ヶ岳) の標高 2127m にいたやつら． 周りに他個体がいないので枝が枯れ上がっていない． この孤立木は齢がわからない． いっぽう， 縞枯山 (山頂標高 2403m) の斜面で 縞枯れてるのは周りに他個体いるので， 枝がかれあがってる， と．
• アタマが Perl ではないんで， PipeTree のシミュレイションパラメーター調節する． 見てくれとしては， こんなかんぢかな．

[貧弱なシラビソ] 20 年かけて樹高約 300cm まで成長． 左は孤立個体． 根本直径約 7cm． 右は 2500 cm2 の「周期境界」区画に押し込んだ 場合． 根本直径 5cm． パラメーターセットの 記録 ．

• よくわからぬまま帰る． 1745 研究所発． 普通に乗って 1755 京急杉田発． 特急に乗り換えて 1805 京急上大岡発． 1840 帰宅．
• バテたので今晩は仕事しない．
• けべっく出発まであと 12 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0730): 米 0.6 合． チンゲンサイ・タマネギの炒めもの． あ， シイタケもいれるの忘れてた．
  • 昼 (1210): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (1900): 米 0.7 合． 豆腐・シイタケのカレー．

2001 年 09 月 15 日 (土)

• 0900 起床． 9 時間以上寝た．
• なんか仕事する気になれん， という状況が数時間続く．
• …… とか言ってるうちにすでに夜． ありゃりゃ．
• 24 時間ぶりに外に出る． 電気料金支払い 2830 円． 米を買いにいくと 2990 円で新米 10Kg， とういなかなか良い値段のものがあった． 山形県産．
• 集団状態のシミュレイションに対応させるべく Abies PipeTree を小改良．

[ぎちぎち集団実験開始] 2m×2m に 30 個体， だと 15 年目あたりから 競争に負けて死ぬ個体がでてくる．

• あー， 死亡処理がまだうまくいってないところあるな． しかし明日にするか．
• けべっく出発まであと 11 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0930): スパゲッティー． 昨晩の残りの豆腐シイタケのカレー．
  • 昼 (1330): 納豆蕎麦．
  • 晩 (1920): 米 1.0 合． チンゲンサイ・タマネギ・シイタケ・卵の炒めもの．

2001 年 09 月 16 日 (日)

• 0830 起床．
• 現在時刻は 2315． 午前中は例によってあまり仕事する気になれんかったけど， 11 時頃からいままで PipeTree の調整やってた．
• まず複数の樹木による集団シミュレイションやったとき 死亡処理がうまくいってなかったようなので， このあたりを修整． 死んだ樹木をきれいに片づけるだけなんだけど， なかなかややこしい． 個体内であちこちに「死んだよ」という 死亡通知を出して順序正しく殺していかないと メモリリークが生じるからである．
• で， 死んだ個体のお役所手続きは問題なくなったんで (数日ぶりに core 吐きバグとか出たりしたけど)， 集団動態を計算しながらパラメーター調節作業を始める．
• ここ二日ほど 「テキはもう包囲した」 「だから，これから先は呪われ C++ を書く量を 1 行でも減らす」 「しかしアイテの挙動をよく見て変な兆候は見のがさない」 …… と遅まきながら頭の中をでっちあげ・開発モードから 解析・説明モードに切り替えようとしている． もう残り日数ないもんねえ．
• パラメーター調節といっても別に高尚なコトをやるわけでなく，
  • シミュレイションを実行する．
  • 結果を見て気に食わなかったら 原因を考える． パラメーターの値変えたり， コード中の数式をちょっと変更して 再試行．
  • うまくいってるように見えても 信用しないで破綻するまで条件を変えてみる．
  • 破綻したら原因を考えて システムを改善する．
  …… ということの繰りかえしである． もはやライブラリを書き換えるような大ワザは使わない．
• 試行錯誤 …… といっても， もはや 30 個体とかを同時に計算するので， えらく時間がかかる． けちけちライブラリは今のところ順調であり， メモリが足りずに計算できません， とならないのは救いである．
• バカみたいに時間を食うパラメーターセット与えたときは， 晩飯の材料を買いに行って帰って来てもまだ 計算が終了してなかったほどである． まぁ， しばらくはこういう「……ながら計算」の生活になりそう．
• どーも， いまの実験設定の限界というか， パラメーター調整・モデリングのまずさが露呈してる というか ……

[消滅する林分] 2m 四方ぐらいの周期境界林分に 30 個体ぐらい投入すると， 十数年で死ぬ個体が出始めるのはよいとして， 30 年すぎたころに過酷な競争に耐え切れず (?) 全個体がほぼ同時に消滅するのは …… ちょっと脆弱すぎるような気がする．

• よろしくない点あれこれ ……
  • 一辺 2m 周期境界独房では 高さ 300-400cm 程度の個体 1 本が限界． これは少なすぎないか? 状況にあわせて 樹木をうまく変形させれば もうちょっと詰めこめるはず．
  • 周期境界壁で囲った領域が 個体サイズに比して小さくなってきた場合に， 末端の数が徐々に減じてきて …… いきなり「クラッシュ」というかんじで 全末端が切り捨てられることがある． これは末端サイズが 何らかの理由で均質化しちゃってるんだろう． ちょっといまの「切り捨てサイズ」は 厳しくしてはいる (腹だたしいことに， ちとゆるくしただけで計算時間が急増する)．
  • 樹木中央先端 …… Verital 主軸は常に側軸にかなり資源取られるので， 個体全体が暗い環境におかれた場合に 死ぬことがままある． これでは目の上の邪魔個体が消滅したときに 敗者復活ができない． 現在の優遇措置に加えてさらに何か必要． 無理やり不死にするか?
  …… などなどと残り日数も少ないのに， 挙動不審のネタはつきないのである．
• アロメトリ教の戒律をむやみに変更するわけにはいかんので， 外部から直接観察不可能なサブモデル ―― いわば観察者にとってはブラックボックスのような 部分の調整にも手をつける． この Abies PipeTree でそういう怪しい機能を担っているのは， 光合成らしきことをやってる資源同化部分 Assimilator と， それを末端に配分してる ResourceAllocator である．
• 個体全体で稼がれた資源はいったん全部プールして (現実の植物でそんなことやってるかどうかは知らんけど， まぁ，そういうモデリングということで)， また各末端に再配分してる． このときに平等に配るのではなく傾斜配分やってる． さて， どういう末端に資源配分すべきか．
  1. よく稼いだ末端にたくさん資源をやる．
  2. 効率良く稼げる場所にいる末端にたくさんやる．
  などなど， いろいろな評価基準が考えられる．
• ここしばらく， とくに理由もなく (というわけでもないんだが) 1. のようにやってた． では 2. のように切り替えてみたら …… ああ， ちょっと妙なところに 葉っぱクラスターが形成されたりして嫌だねぇ．
• さらに枝次数でダンピングしてみたら …… とかいうふうに あまり根拠のない試行錯誤が続くのであった． やれやれ．
• けべっく出発まであと 10 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0930): 蕎麦．
  • 昼 (1350): 米 0.7 合． 卵炒飯． 野菜がなかった．
  • 晩 (2020): 米 0.8 合． タマネギ・シイタケ・煮干の味噌汁． オクラ納豆． シシトウ・ヒラタケのウスターソース炒め． ああ， おかずの種類が多い!

2001 年 09 月 17 日 (月)

• 0730 起床． 寝たのは 0200 ごろ． 週末時差というほどでもないけど， 眠い．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯．
• 0750 自宅発． 曇り． 特急に乗って 0802 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0830 京急上大岡発． 0845 研究所着．
• Abies PipeTree の小改良． これまでのだとわりとすぐに死にそうなところにも 資源をまわしていたんだけど， これをやめる． なかなか死にそうにないところ …… つまり枝次数の高いところをほど優遇するようにする．
• 昼飯食いながらもいろいろ実験してみたんだけど …… 1-2m 幅ぐらいの周期境界独房に 1 個体が 50 年ぐらい 生残できるようなパラメーターの組み合せを 探索してるんだけど， なかなか見つからん． 多少の延命はできるけど， 50 年もたずにクラッシュ．
• 1600 ごろまでの試行錯誤まとめメイル．
  • いろいろ実験してみて，周期境界の 2m^2 ぐらいの領域 に 1 個体を押し込めようとしてたんですが (「最後までいっても 10 平米 5-6 個体残る」ということだったんで)，50 年程度生存さ せるにはなかなか妙な工夫が必要になってくるようです．
  • 大きくなるまで生き残った個体にとっては「区画」内の上下間の競 争うんぬんはもはや重要ではなくなり，「隣」にいる同じようなサ イズの他個体との干渉が影響してくる，という想定です．
  • で，いまのような周期境界条件だと「隣」は死んでくれないので， 側枝をどんどん削られても同化部・非同化部を維持しなくてはなら ないわけです．
  • そこで少量の同化部でも多くの生産を行うために，同化部分のパラ メーターを調整することになるわけです．今回は pmax を変更して みました．
  • 最初 pmax は 16g という値だったんですが，これはすさまじく生 産過剰なので大幅に下げる必要ありました．縞枯山のしょぼい Abies を再現するにはせいぜい pmax = 2.5 ぐらい，が妥当な数値 のようです．ところがこの値では 2m^2 の座敷牢には耐えられなく て 30 年までいかずに自壊します (じつはもっと広くてもダメ)．
  • ここで pmax を高くすると側枝をどんどん削られるような状況でも 長生きできるとわかってるのですが，生長そのものが良くなってし まい貧弱 Abies が再現されない．
  • ということで，(いざというときにそなえて) たくさん「光合成」 させたいけれど，あまり伸長・肥大生長してほしくない …… とい うことで，例の先端形成に関する構成呼吸ぐらいしか調整できる部 品がないわけです．
  • この構成呼吸は提案では例によって「一定の比率で ……」 というやつでしたが，これでは伸長・肥大の抑止には役に立たない (投入された資源量に線形に応答するんで)．ここで前に言ってた 「資源変換速度に比例した」全体として非線型に増大するコストと いうのをいれると，ようやく貧弱 Abies のような形態が再現され てます．
  • これでめでたしめでたしかというとそうでもなく，こんどは集団状 態にしたときになかなか死なない，という弊害が生じているところ です．
  • おまけに樹高がそろって面白くない．これは前の PipeTree と同じ で，どの個体も Vertical Main に資源を過剰に集めるのですが(こ うしないと横方向にどんどん拡がり三角錐樹幹にならない)， そのせいでこの leading な末端がどの個体でも同じように伸びて ばらつきがなくなる ……
  • やはり個体ごとのパラメーターの違い，というのも必要かもしれま せん．
• もはや独房内 BookPC でちんたら計算する気にもならんので， 通路むこうのサーヴァー室なる部屋に鎮座してる Dell RedHat マシンを呼び出して計算させる． 1GHz なので多少は速い． しかし上述のように 潜在生産力の高くて死なない樹木たちばかりなんで， 計算には (計算者にとって) 死ぬほど時間かかる． ちょっと屋上で体でも動かすか．
• 独房群屋上， 曇天． かろうじてランドマークタワーが見える程度． ストレッチやってるうちに 「もうちょっと光感受性を高くしてみるか」 という策を思いつく． こういう強引な手口はあまり好きではないんだが．
• あー， 変更してもダメだね． 死なない Abies 作ってしまった． だめだだめだ． だめだだめだは工夫がだめだ．

[生長遅いシラビソ] 構成呼吸というところに 「資源変換速度に比例するコスト」 というのをいれて各末端があまり伸びないようにしてる． いつ見ても思うのだけど シダ植物みたいになってしまう． 樹木造型のセンスがないのかなぁ． とはいえ Abies ってどんな生き物なのか 全体像を知らないんだけど．

• と困ってたら甲山さんより提案メイル． 非同化部の呼吸減じる「逆数式」?! 呼吸速度が「直径」に反比例? ひゃー， 私はこのテの生態学における「わが国独自」の「逆数式」 のたぐいはダメなんですよう． ただでさえこの Abies PipeTree はソチラ方面の世界に 片足をいくらかつっこんでるのである． いかんいかん． これ以上はヤバい方向にすすみたくない．
• しかし甲山さん提案の非同化部 (ってのは幹みたいな地味な部品の総称です) の呼吸を低くする， というのは良い策のように思える． けっきょく個体が自滅するのは他者との競争というより， 己の内側にある弱さに敗けているのである． うむ． いやそうじゃなくて資源獲得に直接寄与しない 非同化部を限られた同化部でもって養わねばならん 「高齢化問題」だからね． しかし逆数式はやだやだ． ああ， どうしよう．
• 虎穴にはいらずんば虎児を得ず． 件の式がいわんとしてることは何か． 要約． サイズがでかくなっても呼吸速度はそんなにでかくはならない， いやむしろ単位重量あたりは激減する …… ふーん， 理由よくわからんけどね …… だったら， 極端には呼吸速度は事実上ゼロになるわけだな． これならば怪しげな数式は不用だ． 定数モデルだ．
• ゼロ呼吸実験してみる． 1.4m 四方の 2m² の周期境界壁で囲われた 独房を用意． 昨日の晩まで使ってたパラメーターセットにもどした Abies PipeTree を 1 本だけ植える． 樹冠のふちが壁にあたるとどんどん削り取られる …… おお， これでもこの狭い領域だけで 50 年生まで難なく育った． やはり「高齢化問題」だったのか．
• いままで使っていた 0.25 g/g/year という呼吸速度は， 縞枯山の 15 年生プロットで計測されたものらしい． したがってこの値は仮題である可能性がある． ということで 0.05 ぐらいにしてみた． これでも 50 年生までは維持できる (最後のほうはあやしかったが)．
• ということで提案者の甲山さんに， (非同化部の比率高くなる) 大径木での維持呼吸が問題になるんで， 定数モデルだけど維持呼吸速度を低いと仮定する， という方向で進める， と報告メイルしてから帰る準備． その後， それでやってみたら， というようなお返事いただく．
• 外はもう真っ暗． 1830 研究所発． お， 独房群上空を戦闘機が航過． いや自衛隊の T4 かしらん? なんだかあわただしくなってきたなぁ． 普通に乗って 1842 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1850 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1915 京急川崎発． 1930 帰宅．
• 晩飯食いながらラジオのニュース聞く． 横須賀にも艦船だの原潜だのが寄港したり出港したり， ということらしい． 連中が戦争を始めたら太平洋横断はやりたくないなぁ． とはいえ， 主犯ということになってる人物の身柄が引き渡されても， それはそれで危ないような気がする． 釈放を求めてハイジャック， とか．
• 晩飯食ったあともいろいろなパラメーターセットで PipeTree 動かしてみる． よーやく挙動がわかってきた …… ような気分になるのはまだ早いか． しかし， 来週の水曜日には出国なんだよね．
• 維持呼吸が 0.05 g/g/year で 80 年生まで生きることわかったけど， これってもうほとんど死にかけ． もしこれで集団シミュレイションうまくいかないなら， もう少し「息をひそめて」みよう．

[狭いところで 80 年育ててみたものの] 面積 2m2． ほとんど死にかけ． 樹高 576cm． 本ものよりかなり低い． 根本直径約 9.4cm． パラメーターセットは これ ．

• けべっく出発まであと 9 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0735): 米 0.6 合． 昨晩の残り． オクラ納豆． タマネギ・シイタケ・煮干の味噌汁．
  • 昼 (1215): 弁当． 米 0.7 合． 昨晩の残り． シシトウ・ヒラタケのウスターソース炒め．
  • 晩 (1950): 米 0.7 合． 味噌汁の残りで雑炊．

2001 年 09 月 18 日 (火)

• 0700 起床． 寝たのは 0200 すぎ． 眠い． 今晩はさっさと寝よう．
• 朝飯・弁当の準備． 炊飯準備わすれてた． 昨晩にかじったバゲット (にせ) があるのでそれで朝飯． コーヒー． シャワー．
• 0750 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0804 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0830 京急上大岡発． なんか晴れてて暑い． 25 ℃は越えてるな． 0845 研究所着． 朝からばて．
• ばててる暇も無いようなので， パラメーター調節を少しやってから， Abies PipeTree 集団シミュレイション． 年間最大生産力 pmax は 2.0 g/g/year だと 樹高成長 8cm ぐらい． pmax = 2.2 で 12cm， pmax = 2.5 で 15cm．
• 同所的で同齢ということになっている 観測プロット内の すさまじいばらつき具合 (60 年経過した場所でも個体間の樹高・直径にまだ 2 倍の差があり …… そもそも 20 年の時点で 100 倍だからなぁ) を説明するためには， こういったパラメーターに個体差がある， と考えねばならんような気がする． (後記: 以上はかなり 勘違い …… 同齢集団ではなく， 年齢そろってない連中が同じ場所にはえていたのである!!)
• 個体間にパラメーターの差がありそうなもうひとつの 理由は (個体はことごとく均質であるとしてる) 現在の PipeTree たちの挙動である． こいつらの集団では， 競争に敗けつつある個体ほど高さ成長にはしる傾向がある． 個体内での資源ぶん取り競争と 頂芽優先みたいなモデリングの影響である．
• つまり敗けつつある樹木個体は (他個体にいち早く接近する) 側枝がまず暗い環境におかれてしまう． そういう生産性の低い枝はリストラされてしまって， 一番明るい場所 ―― つまり個体の頂点などにいるような枝に資源が傾斜配分される． さらに枝次数が上がるごとに資源誘引係数が ダンピングされていくので PipeTree 用語でいうところの Vertical かつ Main である幹先端は そういう状況においてますます伸びてしまうのである．
• 側枝が刈られつつある PipeTree は (パイプモデル教の世界なので) 細い， そのわりには背が高い， となる． ところが観測データでは 背が高ければ太く， 背が低ければ細い， という関係があるように見える． このアロメトリというのも実態がよくわからんけど．
• 樹高と太さに正の相関， というのを出したければ PipeTree 内の資源配分系を 「そうなるように」いじるか， あるいは同化系のパラメーターが個体によって違う， とするしかないのではなかろーか． そして資源配分系はむやみに変更できないかもしれない． たとえば頂芽優先的なことをやめると， たちまちにして いかにもうそくさい形状の樹冠が形成されるのである． 何が針葉樹らしい樹冠なのか， 私にはいまいちわからんけど．
• 書き忘れていたけど， 書く末端における資源誘引能力は， 先述の係数かける「明るさ」の自乗である (これを規格化したもの)． ここまで差をつけなくてもよいかも， とは思うんだけど …… これぐらいにしておかないと 「何でこんなところに葉っぱつけるんだ」 という結果になりがちである． 実際はどうなんだろうな． これまたさっぱりわからん．
• 時刻は 1020． まだ 30 個体シミュレイションが 27 年しか進んでないけど， 1 個体も死んでないな． 維持呼吸下げたためか， なかなか死にがたい Abies である． 死にかけの樹木たちが側方を捨てて「背伸び」に走るのは， 理にかなった逃避になっている． アタマひとつぶん他より高いので， 幹先端部では全力で資源獲得できるためである． こういう自助的な延命措置もあって なかなか死なない．
• 3m 四方に 30 個体もつめこむと全体に背が高くなってしまうな． pmax = 2.2 で 30 年目において 550-590cm か． ちょっと速い． 高さの幅は観測値というのと比べるとがちがちに狭い．
• いつまでたっても， 言うところの競争排除というのが生じそうにないので (あるいは自己間引きという奇妙な類義語もときどき用いられる)， 個体によって最大生産力 pmax が異なる， というのを設定できるようにコードを変更してみる．
• これをうまくやればそれらしい計算結果は出てくるかもしれない． しかしあまりうまい改造ではない． というのも， こういう個体内部の違い， というのはデータから推定するのが困難なのである． 生物に個体差が無いとは誰も考えてないだろうけど， だからといって「これが個体差です」と 直接に観測・測定してみせるのは困難だ． モデリングではこういう要因はできるだけ取り扱わずに すませたいところなんだが …… 今回は緊急避難ということで．
• 1045 集団シミュレイション継続中． 40 年経過． まだ 1 個体も死なない． 場所が悪かったために (たぶん包囲されてるんだろう) 痛めつけられている個体はあいかわらず樹高成長に努力してるけど， 高齢化が進んだためにもはや「集団からアタマひとつぬけて」 という方針を維持できなくなっている． 生産に直接は寄与しない部分に奪われる資源が増大してるためである． さて， どうなるか．
• コード書き直しもできた． 80 年シミュレイションも終った． 結局 1 個体も死ななかった． 最後は全個体が共倒れ寸前，といった状況である．

[そして誰も死ななかった] 領域の面積 9m2 に 30 個体． ランダム分布． 80 年目の樹高約 920-950cm．

• 甲山さんとメイルやりとりして， また仕様変更． 維持呼吸は樹木の表面積に比例， か． パラメーター値の変換方法を手許の紙にごそごそと 書きながら検討してると， 昨日の気色悪い逆数式とやらの趣旨が理解できた． あれは， よくある「単位重量あたり」という考えでは 維持呼吸がうまく説明できないんで， けったいな逆数式とやらを持ち出して 表面積に変換してたわけだ． なーんだ．
• むろん PipeTree では逆数式など使わず， 現象論的な「維持呼吸量は樹木の表面積に比例」 を直接的に用いる． 表面積はすべての PipeBundle に個別に計算させてから， 全部について足し合わせるわけだ．
• さらに今ごろになって， 元データについて説明されている 甲山さん 1981 年論文を見直す …… げ， 調査区画ごとに age がつけられているんだけど， これって樹木の年齢とはまったく無関係だったのか． たとえば， 齢が 8 ということになっている St.03 の樹木齢分布をいつものごとく perl | sort | uniq の複合ワザで数えてみると ……

じつはこういう齢分布だったのか． くそう， 「林分の齢」というのとその中の樹木の齢を取り違えていた． どおりで個体の太さ・高さが むちゃくちゃにばらついてると思った．
• えーい， どうしてくれよう …… と考えつつ昼飯． シミュレイター開発に入る前に 完全に掌握できるところまで元データを解析しとくんだった． 反省．
• 昼飯食ってからさっさとコード改造に着手する． 変更点は
  1. 非同化部の維持呼吸「量」は 枝・幹の表面積に比例．
  2. 年齢の異なる樹木の集団を扱えるようにする．
  順番にやる． 予想としては 1. は結果に対して影響与えないだろう． 比例係数も unknown だし． 2. をいれることで「パラメーター値を変えて個体差を出す」 というアイデアは当分は棚上げだ． 齢がこれだけばらついているなら， パラメーター値が均質でも派手な競争排除が生じるだろう．
• と着手しようとしたら， 甲山さんからメイルの三連打． 参考になる． 対応はたいへん．
• メイル書きながら perl | sort | gnuplot で描いたグラフ． さてさて， 調査区内の初期ばらつきはなんか影響するんだろうか．

• 齢ばらつき版作ってみたんだが …… いまだに core 吐きエラー? gdb で解析してみたがこれは難物．
• core 退治ぷろふぇっしゅなるの意地にかけても …… なる奮闘もむなしく一時撤退． 腹減った． 1900 研究所発． 普通に乗って 1910 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1920 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1940 京急川崎発． 2000 帰宅．
• 晩飯後も core 吐きバグに挑む．
• 今回のは個体間競争でばたばたと Abies が死んでるような 状況でときどきうまく死んでくれない個体がいる， という問題なんだよね． 数値森林にわけいり うまく死ねない個体を選びだし， そうなった事情をあれこれと聞く．
• つい先日いいかげんに作った死亡処理なんだよな， 問題あるのは． PipeTree を構成する部品はさまざまな理由で 死ぬわけだが， そのときに礼儀正しくも 「もうすぐ死にますんで， あとはよろしく」 なる通知を出す． この通知のまわりかたがいくつかあって …… そのうち一つがやられてるんだよね．
• 夕方からこの問題を考え続けてるので， 死亡通知の流れる経路が頭の中で把握できつつあるような …… しかしわからん． あっちをつつき， こっちを掘り返し …… 死亡処理そのものはどんどん手直しされるも， かんぢんのバグは消えず．
• 一休みして明日の米を虚心に研いでるときに 突如としてバグに気づいた． 末端における Foliage の赤字自滅 → PipeTerminal 通知届かず → Eye 見つからず， だ !! そうか， この経路が必要なのに入れてなかった．
• 改良してコンパイル． いままでバグが出た事例で実行． 毎年のように出現する個体たち． どんどん暗くなる林分． さてさて「くらっしゅたいむ」時刻 9 …… 26 番目の個体の計算 …… 無事に突破． やれやれ， 「最後」の難バグが片づいた．
• 何でそれが「最後」のバグなんだよう， と不審に思われるかもしれない． しかし今回の対けべっく作戦では シミュレイターの抜本的な改良は行わずに， 現時点の版をもって「勝負」するからである． いや， これで充分と考えてるわけでない． りすきーな改造やってる 時間が残されていないのである． そして現ヴァージョンのものは発表準備に求められる 機能はことごとく備えている． あとは小手先の修整だけで対応できるだろう．
• で， こういうプログラムは改造さえやらなければ 難しいバグは出ないのである． まだ残存してる手ごわいバグ? うーん， もう潰しまくったと思うんだけど …… ともあれ， そいつらはあと一週間ほど表面化しなけれりゃ， それでいーや．
• ということで， もう変な計算結果が出たって かまわず発表してやります， という自暴自棄宣言でもあるわけだが．

[今回はこれで勝負だ PipeTree] よーやくにして「(とりあえず)最後」の難バグがとれた Abies PipeTree． 9m2 の独房に閉じ込めた 20 年生． オレンジ色は死につつある葉群． 樹高 260cm， 基部直径約 7cm．

• ばててるけど， アタマの中は 呪われバグ探策撃滅モードの終了処理中なので しばらく眠れそうにない． アドレナリンはもう出さなくていいっつーの …… 時刻は 2610．
• けべっく出発まであと 8 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0720): パン． シシトウ・タマネギ・ニンニク茎・ヒラタケの炒めもの．
  • 昼 (1220): 弁当． 米 0.8 合． 朝と同じ．
  • 晩 (2020): スパゲッティー． 朝と同じ．

2001 年 09 月 19 日 (水)

• 0710 起床． 寝たのは 0200 すぎ． 今晩はさっさと寝ると決意．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー． コーヒー．
• 0745 自宅発． 晴れ． 特急に乗って 0753 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0820 京急上大岡発． 0835 研究所着．
• 一週間前にワシントンにいた Dennis さんが無事に帰日． 金曜日の予定だったけど昨晩着の飛行機になってしまった， とのこと． ともあれ無事でめでたい．
• 独房群生態系領域計算機室の Dell RedHat を 呼びつけて 30 個体年齢ばらばら集団の シミュレイション． 10 年すぎると加入に成功するやつもほとんどいなくなるね． 林床はすでに真っ暗なのである． これってやりすぎだろうか． もうちょっと同化速度落してみるか．

[樹木，です] ヒトデではありません． 20 年生 Abies PipeTree．

• などとパラメーター調節しながらシミュレイター運転させつつ， 発表の準備にようやくとりかかる． ああ， イチからぜんぶ説明せんといかんのか? まぁ， 樹木と呼ばれているこの生き物については 私より大半の聴衆のほうがよほど詳しいだろうから， モデリングの話ばかりやって 20 分間のりきろう． この点ではまにあ相手の話はラクといえる．
• 30 個体シミュレイション， 30 年ほど動かしてみると年齢幅が 5 年にまで縮まった． つまり若い個体はすでに全滅してる． えーと 10 個体しか生き残ってないのか …… と思って調べてみたらパラメーター間違ってた． 独房ならぬ雑居房の広さわずか 1.5m 四方． そんな狭いところに 30 本も植えていったら， そりゃあ真っ暗になりますな． 4 倍ほどに拡大してやりなおし． とはいえ， 縞枯山の異常な高密度状態は再現できるかどうか． 60 年たっても平方メーターあたり 1 個体残ってるからなぁ．
• 甲山さんからどんどん質問・助言メイルいただく． だんだん 縞枯山の元データ扱ってる Kohaya & Fujita (1981) がわかってきた．
• あれこれ返信したりしながら， ときどき計算止めてパラメーター変えたり評価式を変えたり しながら再試行．
• 昼飯食いつつ計算の途中経過を眺める． しかし計算遅い． 30 個体もあると 20 年すぎあたりでは， 1 ステップ (1 年) 計算するのに 10 分ちかくを要する． ほとんどの時間は明るさ (開空度) 計算に使われてる． また高速化したくなる． いや， メモリあまってるんだから， そっちを少し贅沢に使う値を指定してみるかな．
• Voxel の区画を 5cm にしてみたんだけど， あまり速くなったような気がしないなぁ． 遅々として進まぬ計算の経過が気になるけど 発表準備をやらねらばならぬ． うう． そういえば今日は 1430 から避難訓練だったな．
• 航空券取ってもらってる日本旅行から電話． テロだの何だので物騒だけどけべっく行くのかどうか， との問い合わせ． これは行かざるを得ないでしょうな． 今日発券? ツメ腹というやつか． で， 乗り継ぎをやる敵国空港で関所を通るのに 時間かかるよーになってるから便の変更を …… というところで， 火災報知器の音． 避難訓練タイムである．
• ぞろぞろと外にでる． 暑い． 気温 30 ℃こえていそう． 消防局のヒトの講評というのを拝聴して終了． 20 分ぐらいか． 日本旅行にはメイルを出しておく．
• ああ， 数値森林の一年が長い． でも高速化に着手するのは甚だしく危険である． 私はそれを良く知っている． こんなに混み混み状態なんだから， よけーな枝や個体はさっさと死んでくれ， と数値樹木たちに邪念を送る． この方法なら安全である．
• いらいらしたのでまた計算止めて， 暗い場所では死にやすくなるようにパラメーター変える． 再実行． 条件キビしすぎたか， 単木実験でもすぐに死んでしまった．
• …… などと試行錯誤してたら， 発表準備のほうを完全に忘れてた． どーも脳内ホワイトアウトぎみ． 気長に計算結果を待とう …… とはいえ気になる計算結果． いまは Abies PipeTree の暗さ耐性を少し減じてるんだけど， 20 年経過して 30 個体全部出そろった時点で， 都心方向への朝の通勤電車のごとき混み具合に絶望した 6 年生個体が一本倒れてしまった． そして明らかにバテかけてるのが 2 本． よーし．
• なんかやる気が出ないので， 雑用でもやるか …… とするとちょうど日本旅行から電話． めりけん内での乗り継ぎ時間によゆーを取るために， けべっく到着が遅れてかつ出発が早まるように変更したい， とのこと． それで発券してもらうことにする． しかしインド洋で戦争が戦争になったら行きたくねーな．
• ということで， 空港そばの宿泊をとったのは正解であった． 面倒なので復路も同じところに泊まることにする． 往路のぶんの確認と復路の予約のファクシミリを …… と思ったけどファクシミリのやりとりで 空き部屋チェックだのが面倒になったので またネット経由で復路の予約する． あとでまとめて確認ファクシミリは出そう．
• …… とやろうとしたんだけど， 独房群の腐れファイアーウォールに妨害されてるのか， あるいはどこかが Nimda なる新型ワームにやられてるのか， ともかく接続できない． 帰宅してから ADSL 経由で試してみるか．
• そして計算やけに遅いと思ったら， 他の人と CPU の取り合いをやっていたのか …… えーい， 撤収して自分の BookPC で計算するかな．
• しかし中断してみると 26 年目の計算完了するまでに CPU 時間を 62 分使っている． やはり時間はかかってる．

[樹木ばとるろいある 26 年目] 3m 四方に 30 個体 (年齢幅 20) を植えて 戦わせているところ． この時点で 2 個体が死亡．

• BookPC で PipeTree コンパイルして， 夜どーしでいろいろと計算させるスクリプト書いて 帰ろうとしたら …… あってはならぬモノを見てしまった． core 吐きエラー． 昨日のやつで最後だったはずなのに．
• あわててもしょーがないんで， 冷静に分析してみると …… 9 月 5 日に出現したのとちと似てる． Forest が「この世界終了」宣言をだしたときに 「消せないものを消そうとする」 ディストラクター関連のバグだ． 今日一日 「Ctrl+C で計算中断，また最初からやりなおし」 を繰りかえしていたんで， 処理の最後の最後に控えていたこのバグの存在に気づかなかった．
• ちょっと前までならこんなバグは 徹底的に追及して跡形もなく殱滅してやるところなんだが， もはや計算に影響与えぬバグ相手に体力と時間を 費さないことにしている． どうせややこしく階層化・網目化してるディストラクターの 呼び出し順序がけしからん， というようなものだろうし． xosview で状況みてたけど， 実行中に目だったメモリリークなし． だったら Forest の構成要素である Tree の処分は プロセス終了時に 「OS にまかせる」 ことにしてここはしのぐ．
• などといいつつ， 少し遅くまでコードを見直していたのであった． BookPC に明日の朝までかかってもできそうにないほどの量の 計算を命じておいて帰宅． 1900 研究所発． 普通に乗って 1910 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1920 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1940 京急川崎発． 2000 帰宅．
• けべっくモントリオール空港まで「走って」15 分の 例のホテルに復路の宿泊を取る． どうして往路は 99 カナダドルで 復路は 89 なんだ? 紅葉観光シーズンとの関係だろうか．
• 自宅 ADSL 闇ルーターやってる外づけ計算機で core 吐き最終ディストラクターの解析やろうかと 思ったけどやめた． 今日は体力温存．
• プログラムではなく破れジーンズを直す． ここ数年， 服を買ってないなぁ．
• けべっく出発まであと 7 日． 計算は間に合いそうだけど 発表準備は間に合うんだろうか?
• (一言近況) PipeTree 発表準備にいまだ着手できず． 世界はいよいよ不隠． どうなるんだろうね． (2001.09.19)
• 今日の食卓
  • 朝 (0720): 米 0.6 合． タマネギ・ニンニク茎・シイタケの炒めもの．
  • 昼 (1255): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (2010): 米 0.7 合． 朝と同じ．

2001 年 09 月 20 日 (木)

• 0700 起床． 6 時間以上眠れたんだけど， 眠い． バグ呪われ悪夢で目がさめた．
• 朝飯・弁当の準備． 朝飯． シャワー．
• 0745 自宅発． 曇り． 雨降りそう． 台風 17 号が近づいてるのである． 特急に乗って 0753 京急平和島発． 普通に乗り換えて 0820 京急上大岡発． 0835 研究所着．
• インド洋 …… いやペルシア湾にめりけん軍用機が前方展開， か． ところで， infinite justitce だの noble eagle だのといった作戦名命名の センスの悪さは敵国ながら 見ていて心配になるほどだ． そういうのは苦手なのだろうか．
• Nimda なるワームの被害はいよいよ広がっているようである． 幸いにも <鳳翔> へのアクセスは 今のところたいしたことない． Nimda にやられて hosho も汚染しようとした 現在までのまぬけ一覧 (左の数字はアクセス回数)．

      1 133.145.139.14 (株)日立製作所
     14 133.66.147.168 岐阜大学
     14 210.164.203.133 株式会社ソフトネット
     14 academy.cc.kagawa-u.ac.jp
     14 oohara.mt.tama.hosei.ac.jp
     14 tbk3.tailback.co.jp

なぜか国内ばかり． IP アドレスは JPNIC whois gateway などで調べれば身元が判明する．
• 独房内 BookPC に命じておいた計算， 30 個体 80 年間 5 セットのうち， 4 セットまでは終了していた． やけに速いな， と思って調べてみると …… ああ，最後の 30 年間は全個体死んでるね． つまりまたプロット内全滅だ． 単木では生き残れるけど， 競争で側枝を失った個体は生き残れない パラメーター値だったのかな．

[50 年で全滅] 横軸が太さで縦軸が高さ． age 50 までしかない． 最後は生き残り個体のサイズがかなり揃っている． そして実際の Abies に比べると 高さ生長がかなり遅い．

• 現在時刻は 1500 …… ここまでの時間使って， それらしくない樹型を少しだけそれらしくしよう， とする努力に使ってしまった． あまりそれらしくならない． というかシラビソの樹型よくわからん． 昨日の俯瞰図は二次枝が伸びすぎてて良くない， ということなんだよね．
• 枝先の写真は甲山さんに送っていただいたんで， それを見ながらあれこれと樹木形成の試み． しかしなかなかうまくいかない．

やはりよくわからん．
• 現在は右下のを狭い独房に放りこんで生残テスト中．
• 今日も計算遅いな， と眺めてるうちに明るさ計算が何ゆえに遅いかわかった． 憎むべき割算の回数が多すぎるのである． 全部削除すれば速くなるだろうな． 削除するにはどうしたらいいか． Bresenham のアルゴリズム． ところが今回は前のライブラリほど簡単には 導入できないんだよね …… いずれにせよ そもそも大改造なんてやってる時間がないんだが．
• 右したのやつも狭いところに閉じ込めると 30 年ちょっとで自滅． 脆弱というか困難な状況への対応力が低いぞ， PipeTree． どうして街路樹なんかは枝とかばさばさ切られてしまっても 生残できるのだろうか．
• 時刻は 1645． いかん． まだパラメーター決まらない． どうも Abies PipeTree はちょっとした 値の変化にすごく敏感ですなぁ． 実際の樹木って個体の半分ぐらい死んでも なんとか資源やりくりして生き残りそうな 気がするんだけど， PipeTree はそういう芸はまったくできない． しょうがないので， ある程度は高密度な集団の中でも一定速度で 高くなれるようなパラメーター探索している …… うん? 私は PipeTree を進化させている淘汰圧か?
• 結局， 維持呼吸をかなり低くした樹木を今晩の計算用に準備する． 以前の 「そして誰も死ななかった」 試行に比べると， 暗いところに弱いとはしている．

[今晩の計算用樹木] 維持呼吸を低くした． かつ葉をコンパクトにして 高密度に展開できるようにしてる． ただしこれは他個体の成長を妨害する能力も 失っているわけだが． パラメーターファイルは これ ．

• 想定がひとつでは不安なので， 3 とおりのパラメーターセットについて 朝までに計算するよう， 命令を出しておいて帰宅準備．
• 今日は発表準備がほとんど進まなかった． やはりパラメーターが決まらないと何もできない． くそう． 1840 研究所発． 普通に乗って 1850 京急杉田発． 快特に乗り換えて 1900 京急上大岡発． 普通に乗り換えて 1920 京急川崎発． 1940 帰宅．
• ばててるためか， 久しぶりに「晩飯食ったら寝てしまった」をやってしまった． 目をさますと真夜中． 国外に出る前から時差状態になってどうするんだ．
• 旅行会社にけべっく往復の航空券代ふりこむ． 139,850 円． 高い． しかもこれで「格安」だから， キャンセルも効かなければ変更もできない． どうなるんだろうね．
• けべっく出発まであと 6 日．
• 今日の食卓
  • 朝 (0715): 米 0.6 合． キャベツ・ニラ・ヒラタケの炒めもの．
  • 昼 (1250): 弁当． 米 0.7 合． 朝と同じ．
  • 晩 (2010): 米 0.7 合． キャベツ・ニンニク茎・ニラ・ヒラタケの炒めもの．