更新: 2017-09-01 16:34:24
生態学のデータ解析 - 生態学会大会2016
[W25] データ解析で出会う統計的問題: なんとかしたい時系列データ
- 日時: 2016 年 3 月 23 日 (木) 15:30 -- 17:30
- 場所: 仙台国際センター, 生態学会大会 G 会場
- 企画者: 粕谷英一 (九州大・理)・久保拓弥 (北海道大・地球環境)
- 短縮 URL: http://goo.gl/LK9q4g
- 大会サイト内の 要旨
概要
昨年の自由集会で大きな反響のあった「時間の長さ・時系列データの統計モデリング」についての検討をつづけます.時系列データとは,たとえば同じ個体・生物集団・調査地などから何度も調査・観測をくりかえして得られる時間軸をもつデータです.あるいは一個体の挙動を経時的に記録したものも時系列データとなります.ある時刻のデータは前の時刻のデータとは独立ではないという特徴があり(時間的自己相関,ここでは時間相関),これを無視して統計モデルをあてはめると「にせの有意差」を発見することになったりします.
時系列データ解析では「Y = a + b×時間t」といった GLM 的なモデルのあてはめができないだけでなく,説明変数として使うデータも時系列データとなる場合があります.たとえば,個体数変動は気温の変化で説明できるか,あちこちに時間相関が登場し,統計モデル構築が難しくなります.
生態学の分野でも時系列データを解析する手法がいろいろと提案されていますが,必ずしもわかりやすいものではなく,「なぜこのような統計モデルが必要なのか」が理解しにくい場合もあります.この集会では時系列データの時間相関や差分を調べるといった基本的な方法から始まり,状態空間モデルなどの統計モデルへのあてはめなどを紹介し,集会当日にあつまってくださった皆さんと,これからの時系列データ解析について議論ができれば,と考えています.
話題提供
複数の時系列データの間の関係を探る-spurious correlationとspurious regression
- 粕谷英一 (九州大・理)
- 当日の投影資料: kasuya2016timeseries.pdf
時系列データの統計モデリング入門 (続)
- 久保拓弥 (北海道大・地球環境)
- 当日の投影資料: kubo2016ESJ.pdf
- 昨年の投影資料: 生態学会大会2015
- 気象庁の傾向推定: 世界の平均気温解析: 長期変化傾向(トレンド)の解説, 地球温暖化, http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/list/an_wld.html←これを CSV 化したファイル data.csv
- 便利な気象データ:ほくそうりさんからの情報, https://github.com/ropensci/rWBclimate と 🌎全球規模での気候データをRからサクッと得たい(可視化もするよ)
- 時系列データ解析だけじゃないけど ASA の p-value についての声明の解説,おもしろいですね
- 気象庁のインタラクティブな気象データ CSV ファイル生成システム http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php
- 当日の投影資料: kubo2016ESJ.pdf
参考になりそうな資料
- CRAN Task View: Time Series Analysis
- 伊東宏樹さん:
- 状態空間モデルの実行方法と実行環境の比較 (slideshare)
- KFASをつかってみた
- (JSS の特集号) Special Volume: Statistical Software for State Space Methods http://www.jstatsoft.org/v41
- 馬場真哉さん: dlmの使い方
- TJO さん: Rで計量時系列分析:単位根過程、見せかけの回帰、共和分、ベクトル誤差修正モデル
- 2015-02-11 時系列データ解析のためのメモ (ryamadaのコンピュータ・数学)
- 下野寿之さん 時系列の相関係数の解釈は注意を要する (ランダムウォーク同士の相関係数は±0.72の外側に15%も分布することなど)
- Wikipedia
関連ありそうな集会 2016
- 3/21 [T01] 階層的なプロセスをモデル化する:階層モデルによる生態データ解析
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