ぎょーむ日誌 2006-03-15

2006 年 03 月 15 日 (水)

• 0920 起床． なンか生活周期が修復できない． 朝飯． コーヒー． 1020 自宅発． 晴． 1035 研究室着．
• 半径 7cm 仮想葉 (ダケカンバ葉およそ 6 枚ぶん) で MCMC 計算やらせていたんだけど …… ダメだ． これでは葉がでかすぎて林冠上層部がまた動かなくなってしまった (SWF 動画)． 葉の「移動」距離を 5cm から 2cm に変更してみる．
• 2cm にしてもダメ， とわかった． 仮想葉の半径 7 から 5cm にもどす． 半径 7cm 葉のほうが図にしたときの「みてくれ」がよいのだけど， まあ動かしにくいんだろうというのはわかる …… また計算やりなおし．
• この研究室にいた浦口さん (現・三菱総研で現時点では南米出張中) から浦口さんカエデ論文

  Uraguchi, A., Kubo, T. 2005. Responses to light in individual growth and reproduction of two Acer species and the long term consequences Ecological Research 20:177-187. (url)

  が第 6 回 Ecological Research 論文賞に決定された， とのたいへん嬉しいおしらせ． おめでとうございます， と非力な (蛇足な?) 共著者としてはこれに加わわれた幸運に感謝し， 主著者にお祝いもうしあげるのであった．
• 吉報あれば凶報ならぬ非吉報あり． ぢつは昨日のことなんだけど， 鍋嶋さん・日浦さんとの共著論文 (苫小牧樹木直径成長モデル) は Annals of Botany にケラれてしまった．
• ここは審査がかなり速いのは良い． さらに査読者の層もあついみたいで generalized linear Mixed model(GLMM) とかもち出しても それなりにマトモに読んでもらえる． しかしながらこのふたつの組み合わせのぢゃーなるに 投稿する論文にはかなり注意が必要だね ……
• たとえば GLMM のようにまだ必ずしも普及してないモデルの場合， 聞きかじりのナマはんかの知識で批判される場合がある (random effects は longitudinal data に使えないといったでたらめな指摘など) --- 締切にせかされてる先方が 「考えず・調べず」にいいかげんな判断をするかもしれない， というのであればそうとうにバカ丁寧に説明せんといかんかも． まあ上の例の場合だと 「わかってないのにわかってるフリ」してる reviewer の誤解を指摘すればいいだけ， なんだけど．
• これに関連してモデルまわりの説明でも「不要な」引用を もう少し増やしたほうがいいかも． よく「引用による正当化」というか 「○○という論文でこの数式が使われてたので (内容よくわかってないんだけど) ここでも使いました」 というヘンな説明はよく見かける． 私はそういうのはイヤなんで， たとえば GLMM とか引用で尤度方程式を正当化するのではなく， 「これとこれを組み合わせてこの数式が得られました」 ときちんと説明してたつもりなんだけど， そういう数式の導出ってのはぜんぜん読まれない場合があるみたいだ． どうもそういう reviewer どもは引用されてる文献をみて， 同じ数式が掲載されていれば「これが正解か」と判断するものらしい． 「権威」ある論文・教科書が大好きな (自分の頭では考えない) ヒトに読まれてしまうのであれば， 防衛的措置として先方が喜びそうな偉そうな文献でも示してやるべきかもしれん …… と書いてみるとやはりイヤな気分になった．
• まあ査読者たちの指摘の中にもごもっともなところもあり， たとえば種間比較を統計学的にやってないあたり反論が難しいと認めざるをえない …… とゆーか nested random effects 仮定すべき状況でまっとうな種間比較ができる 生態学研究者がこの世界にどれほどいるものなのか数えてみろ， という気もするけど． 現在の私なら (今年度修論したうけで計算方法を修得した) 階層ある Bayes 推定とかやるわけだが (これが最良の方法なのかどうかはよく考える必要あるけど)， 苫小牧論文の解析やってた時点では投入できなかったんだよね． まあ， 鍋嶋さん・日浦さんたちと相談して善後策を， と． いづれにせよ新潟大会以降だ．
• しかし (上にも書いたけど) Annals of Botany は審査が速い …… 投稿したのは一ヶ月ほど前 でもう結果がでたわけだ． で， 私が昨年 8 月にアカマツ論文投稿した (「論文審査せかせかやるべし」風潮にがんとしてタテついてる) 「硬骨反主流派」ぢゃーなる我らが Ecological Modelling ごときにいたってはいまだに審査延々引き延ばしまくってくれてるんだよね (ということでここへの投稿は現時点ではおススめできません， ねんのため) …… 昨日も「いったいどうなってるンでしょうか」 と問い合わせメイルだしたんだけど音信不通状態． 夜逃げしたのか?
• 計算指示とかメイル書きとかプリンター修理 (またしても不良な再生トナーカートリッジ問題!) とか「混合モデルの説明のしかた」の説明とか …… 昼飯．
• またメイルかきとか．
• 母子里 Gibbs 林冠モデル， 新潟大会発表にむけて残された最後の三次元計算に着手する． Flatleaf 近似．
• Perl インターフェイスがわから改造していく． 今までのコードとうまく融合させられるはずだ …… ばてたので A 棟 8F 散歩． すると ……

[女性大学院生の机の上に]

なぜかしら， マンガでわかる統計学 回帰分析編 が． ゑくせるの「そるばー」にて尤度方程式最適化 logistic 回帰の最尤推定やれ， といったまにあっくなことが書かれている．

• 事情をきくと， 名前はここでは明かせないが指導教官 (露崎さん) がうれしそうに買ってきて大原さんとかに自慢してあきれられ， さらには女性大学院生に「読め」といって渡したものと判明．
• ところで， いま「ひっこし」が大流行してるらしく， おどろくべきことに新潟 「合宿」 企画者四名の中でこの流れから取り残されてるはじつに私だけ， と判明してしまった． うーむ， 何だか不安になってきた．
• Flatleaf 近似， Perl インターフェイス側の改造はおわり， C++ 側にとびこむ …… Canopy クラスに Initialize_flat_leaf メンバー関数を追加， Light_processor クラスに Add_flat_leaf メンバー関数を追加 …… これで終わり? これだけで終わりなのか?
• あとは Gibbs 林冠葉に作った光計算その他がそのまま流用できる． ならば実行． バグとり．
• Flatleaf 近似は従来型のいわゆる群落光合成モデルに相当するものであり， MCMC 計算とかは必要ではなく， したがって一瞬で計算は終了する．
• Flatleaf 近似とは何か? そのダケカンバ林冠は下の図のごとし． 同じ観測データ与えられた場合の Gibbs 林冠 (の一例) はさらにその下に (昨日の図のつかいまわし)．

• 今回の発表は従来の考えにもとづく flatleaf 林冠 (上) と MCMC 計算でサンプリングした Gibbs 林冠 (下) がどう違うかを光合成速度を計算して示すことにある． 観測データに対応する葉群配置， 終了． 各葉群における明るさ計算， 終了． あとは R の中でちょいちょいと光合成計算するだけだ …… おっと光合成曲線を観測データにらみつつでっちあげる必要あるな．
• まあこれはそんなに急がなくてもいいだろう (計算のわくぐみの面倒な部分は完成してしまったことだし) …… とゆーことで Gibbs 林冠のほうのサンプリングをもう少し続けることに．
• そして新潟大会 自由集会 のうちあげ会場さがし …… 信濃川河口の大会会場 「朱鷺メッセ」 は「新潟市内の僻地」とでもいうべき不思議な位置にあり …… この近辺にはうちあげに使えるような店が あまりないようだ (ネット上の情報だけで憶測するかぎりは)． 新潟駅ちかく (あるいは反対方向の東堀通方面) まで 1500m 以上歩く必要あるみたいで (十数名を「引率」してこの距離を行軍するのはけっこう疲れるかも) …… 新潟ってそういうものでしょうか， と思わず (以前は新潟大におられた) 粕谷さんにお尋ねメイルだしてみる．
• 2000 研究室発． 2020 帰宅． 運動． 体重 72.8kg． 晩飯．
• [今日の運動]
  • エアロバイク 50 分間．
• [今日の食卓]
  • 朝 (0950): クラッカー． タマネギ・ニンジン・タラすりみのカレー．
  • 昼 (1420): 研究室お茶部屋． 米麦 0.5 合． タマネギ・ニンジン・タラすりみのカレー．
  • 晩 (2230): 米麦 0.8 合． ネギ・モヤシ・エノキダケの卵とじ．