ぎょーむ日誌 2010-03-16
2010 年 03 月 16 日 (火)
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生態学会
東京大会
出張 3 日目.
0720 起床.
朝飯.
コーヒー.
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ちょっとメイル書きなどやってみから,
0850 宿発.
曇.
0905 会場着.
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午前中は林さん (国環研)・岩崎さん (横国大) 主催の
「生態リスク」シンポジウム
に参加してみた.
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最初は農環研の永井さんで,
農薬リスクの確率論的評価.
農水省は農薬リスク評価のための「標準状況」
みたいな設定 (川がこーあって農地がここにあって流量はこれこれ,といった)
を準備していて,
どの農薬もその設定のもとで濃度を計算しなさいみたいなことになってるそーで.
一方で,
曝露実験とその結果評価に関しては個体レヴェルの現象
(ミジンコの生死)
が重視され
(個体群とか群集は考慮のソト),
さらに結果の解釈にあたっていろいろアヤしげな計算を命じられる.
このあたりの計算のアヤしさをもう少しマシにするべく,
不確定性にまつわる部分をいろいろモンテカルロ法でまともに評価しました,
といったハナシ.
ベイズとかも応用できるんではないかな.
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次は農環研の山村さんで個体群時系列データを WinBUGS で解析しました,
といったハナシ.
何というかつっこみどころ満載で
……
Neyman-Pearson 検定のわくぐみは frequentist
で,
frequentist とは「何度も検定を繰り返すことを前提にしているから」
……?
ふつーは確率に関する
頻度主義な解釈
をするヒトたちを
frequentist
というのでは?
Neyman-Pearson 品質管理のためのものであり
(このワープした歴史解釈もどうかな?),
自分は科学者なので Fisher のわくぐみの検定をする
(そんなもんですか?).
ベイズ統計は事前分布を変えると推定結果が変わる点を聖 Fisher
に排撃されて歴史の闇の中に葬られていったんだけど,
Jeffrey の事前分布
とか
確率の主観的解釈
を押したててしつこく復活してきた
(うーむ?).
で,
その「Fisher 排撃」な事前分布の使いかた,
まさにそれをそのまま自分のデータ解析にて使っておられるんだよね.
そのオチとは,
個体群動態モデルのパラメーター最尤推定がしんどいので WinBUGS 使って推定計算,
ここでは無情報事前分布を使ってるんだから最尤推定の近似計算,
これはベイズではないベイズではないと日々自分に言いきかせている,
といった顛末で
……
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次は自然環境研の深澤さん,
奄美マングース個体群動態の推定,
苦闘の WinBUGS 格闘.
おもしろいベイズ統計モデリングなんだけど,
空間構造を介した地区間相互作用がちょっとヘンだと思えたのと,
なンというのか
「捕獲の記憶」とでも言うべきやや奇妙な説明変数まわりの
解釈がよくわからなかったので,
質問してみてシンポジウム終了後も少し議論してみた.
後者に関しては,
どうも単位努力あたりの捕獲量 (CPUE)
の減少らしき現象
(しかもそれがマングース密度低下だけでは説明できない?)
が実際にあるようで
……
だったら解釈としてはワナ捕獲による人為淘汰
(うっかりマングース一族は滅び,かしこい遺伝子もつマングースたちが残った?),
あるいは捕獲ワナのしかけかたが年々ずさんになってきた,
とゆーことなのかな
……?
いずれにせよ表現に工夫の余地あるかも.
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次は国環研の横溝さんで,
information-gap なわくぐみの単純化した意思決定数理モデルの紹介.
従来の同様のハナシと異なるのは,
ある条件下
(例: ある不確定性)
における人間側の利得の何らかの最大化をめざすのではなく,
許容できる最小限の利得を最初に設定しておき,
複数のオプション (例: 外来商用植物を導入する・しない)
の中から不確定性を最小化をめざす,
とゆーもの.
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最後は統数研の上野さんで,
昨年 10 月
の島谷さん研究会で話しておられたデータ同化のハナシ
……
の後半部分 (エルニーニョ現象の予測をめざす気象モデルのデータ同化)
を生態学会シンポジウムで話すのはマズかったのではないでしょうか.
たぶん,
多くのヒトたちには難しすぎたと思う.
10 月のハナシの前半 (状態方程式の簡単な説明)
とかのほうがよかったかも.
まあ,
私はエルニーニョモデルの「潜在変数」みたいなのが,
水温躍層の深度にあるとわかって勉強になりましたけど.
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野外で昼飯.
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午後はずっとポスター会場
(第二体育館)
にいました.
本日は植物生態学系のポスター発表が多い日になってた.
がんばってデータとってるんだけど,
最後のデータ解析がへぼくて残念な解釈になってる大学院生には,
ちょっと GLMM とか使ってみたらどうでしょう,
などと言ってみたり.
はい,
ベイズモデル化したらとか言ったら,
たいへんなことになりますんで.
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とうぜんながら,
大学院生その他の皆さんからの逆襲もあり
……
ポスター会場をうろうろしてると,
いきなり背後からの「ちょっと久保さん,よろしいでしょうか?!」
とのかけ声によって「その場」データ解析こんさるが始まったり
……
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ばててきたので 1620 ごろ撤退.
てけてけ歩いて,
また宿の前の Pororoca で晩飯など調達してからもどる.
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コーヒーとかいれてひと休み.
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こんさるばてなのか,
いきなり一時間ほど寝てしまった
……
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晩飯.
渋谷自炊生活というか中食生活.
外食しなくていいんで助かる.
しかも,
こんびに飯よりはずっと良い.
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昨日の
自由集会
の投影資料を改訂.
再アップロード.
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ぎょーむ日誌かきとか
……
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[今日の運動]
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[今日の食卓]
- 朝 (0740):
宿の無料給食.
パンが配給されるので,
昨晩買ったチーズをもっていっていっしょに食べた.
- 昼 (1240):
駒場キャンパス第二体育間のそばで,
東大生協サンドイッチとバナナ.
- 晩 (1910):
Pororoca で買った白米
(炊飯器から容器に自分でつめる方式).
生春巻き.
ゴボウごまヒジキ豆サラダ.
月餅.
リンゴ.