................ 私としてはまず「ベイズ統計モデルによって,明示的に X の 誤差をくみこんだ統計モデルを容易に定義でき,しかも推定計算できる」といっ たことではないかと思います.非ベイズ & 最尤推定のわくぐみのもとでも定 式化は不可能ではないかもしれませんが,ベイズモデルのほうがわかりやすい・ 推定しやすいといった主張には説得力があると思います. 次に注目したいのは,「ベイズを使ったからといって,推定結果のバイアスが なくなるわけではない」 (今回の例題セットでは) という点も重要だと思いま す.私などは「ベイズモデル化すれば,X のずれがうまい方向に補正されるだ ろう」などとばくぜんと考えていたのですが,それはぜんぜんそうではない, ということですね. で,解決策としては,ベイズだろうが非ベイズだろうが,測定時誤差が重要と 考えられる場合には (推定結果のバイアスをへらしたい),とにかく複数回のサ ンプリングをしなさい,といったハナシだろうと思います.ここでちょっと実 用的におもしろそうな問題のひとつとしては,「全サンプルのうち何割ぐらい を『再測』すればいいんだろう?」といったことがあるかもしれません....