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ぎょーむ日誌 2009-03-11
苦情・お叱りは, たいへんお手数かけて恐縮ですが, 久保 (
kubo@ees.hokudai.ac.jp
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2009 年 03 月 11 日 (水)
0720 起床. 朝飯. コーヒー.
朝から不幸のメイル. Behavioral Ecology and Sociobiology に出してたアリ論文が reject になった. うーむ, また「脱」アリがとおのいてしまった.
査読者二名が言ってることはだいたい同じで, 要約すると
よけーな discussion を大幅に削除して, もっと統計モデルにハナシを限定しろ
よけーな図を削れ
作文がへた
これって二回目の査読なんだから, このあたりは最初の査読のときに指摘してくれー …… と言ってもムダでしょうな.
査読者の一人は, この論文が二重の目的を追及しようとして中途半端になってる, とも指摘している. つまり階層ベイズモデルを使って動物の行動解析が改善される, というハナシと, エゾアカヤマアリの集団構造みたいなハナシ. ありていに言って, たしかに「すーぱーころにー」うんぬん議論を全部削除して 行動解析に集中してよいのであれば, 当方だって作文苦労はずいぶん軽減されましたよ.
ともあれ, あちこち手なおしして別のぢゃーなるに再投稿, となりそうだ. その際には削除できる図・議論は全部削除する, と.
行動解析のベイズモデルも一点だけ改善したほうがよさそうだ. 今回の reviewer と「蟻」解説を書いたときに恒岡さんに指摘されたのだが, antennation する → 攻撃成功確率が下がる, といった現象の説明として,
antennation なんて行動に時間をかけているから, そのすきに侵入アリが逃げだして攻撃失敗におわる (論文で書いてること)
そもそも「敵っぽくない侵入アリ」がいて, そいつは念入りにチェックされるけど, 「やっぱり敵でなかったか」 ということで無事に釈放されるので攻撃されない (指摘された別の説明)
のふたつがありうる. 私としてはべつにどっちの説明でもさしつかえないんだけど, 統計モデルにちょっとテを加えることで, ハナシがしやすくなるかも, という気になってきた.
これは「個体差」のいれかたに関係する. 今まで, どうせ一個体あたり 5 反復なんだし「個体差」 なんかわかるわけないぢゃん …… などと考えて antennation と攻撃における「個体差」 は同じ (つまりアヤしい個体は antennation・攻撃されやすい) といったモデルになっていた.
改良はちょっとめんどくさいんだけど, 「個体差」を antennation に関するものと攻撃に関するものに分割, そしてぽいんとはココなのだが, これらの事前分布を二変量正規分布とする. で, この二変量正規分布の分散共分散行列の事後分布から 相関係数の事後分布を計算するわけだが,
相関係数がマイナス: 「敵っぽい侵入アリ」と 「敵っぽくない侵入アリ」がいる説がマシかも, となる …… つまり「個体の差」に依存して 「antennation せずに攻撃」 「antennation して釈放」 していますよ, と
それ以外: 攻撃確率の説明変数である「事前の antennation」 という説明がマシでしょう
上で書いたように一個体 5 反復なので, 相関係数はゼロからずれない可能性が高いのだが (上のハナシが支持されにくい), まあいちおうこういう比較ができるようにはなっている, と.
しかし論文がこれ以上長くなるのも問題だな (すでに 8000 word 超). 次の投稿前の作業としては,
まず可能なかぎり論文を短くする (投稿可能そうなぢゃーなるの投稿規定を見てると, これが必要に思われる)
モデル改良による再長文化が可能か検討する
といった手順でやるべきだろう. モデル改良できなかった場合には, 「説明いろいろあります」 式の議論でごまかす展開になるだろう …… つまりこのあたりは「どーでもいーや (単なる bias 補正でーす)」 といったあつかいにして, ハナシを実験アリ拉致サイトに依存して攻撃確率が段階的に変化します, といったあたりに集中する, と. これはこれで安易な改訂だな.
0920 自宅発. 雪. まだまだ冬っぽい日にもなる. 0935 研究室着.
ちょっとアリ論文など検索したりして, アリ問題を検討してしまった. 「納得」が必要とされているんでしょうな.
小林君の予備審の時間だけど, まあ何ともよゆーのない状況なので, ぱす. まあ, 議論は公聴会でやればいいでしょう.
専攻事務から連絡. あらら, 甲山さんが次期 (生物圏) 専攻長になってしまったか. どうなることやら. これ以上, 雑用が増えてもだいじょうぶなんだろうか?
とりあえずアリ論文共著者にメイル連絡. 再投稿は早くても 4 月以降. 上のようにいろいろ思惑があるわけだが, すでに上に書いてしまってアタマの中で整理されたので, メイルはかなり簡潔になった …… 「ぎょーむ日誌」の効能というやつですか.
またべつのアリ問題に関するべつのメイル書き. どうなることやら ……
そしてデータ解析こんさるメイルかき. 昼飯.
なんだか進捗ののろくさいウミガメポスター作業のつづき.
とりあえず主要部はできた. 紙面の 7 割ぐらいがうまったかんじ. 時刻は 1530.
残り 3 割の部分は …… これから計算が必要だ. どうなることやら. まあ, すでに MCMC 計算で得られた 事後分布標本をひねくるだけですけどね.
1997-2006 年の平均対数増殖速度の予測分布, あっさり計算・作図できた. こりゃーおもしろいね …… しかしこれにもとづく「将来予測」なるものは, とくにおもしろいわけでもない, と気づいた (動態モデルが単純だから) ……
1700 から農学部 (というかフィールド科学センター 2F 会議室) で
ベイズカエル本
輪読会, 最終回. FSC の森君が第 11 章 Subjective prior で, 著者 McCarthy がやたらとススめる主観事前分布のススめ, といった内容. うーむ. ようするにアンケートとかの結果から事前分布をでっちあげる その作法に検討の余地いろいろありだと思うんですけどね.
そのあと私が一時間ほど, ベイズカエル本では
すごくカルい
あつかいだった階層ベイズモデルの補講 …… といいますか, 先日の統数研の
公開講座
の流用でありますが.
そのあとはその場で輪読会うちあげパーティー.
[うちあげ]
豊田さん・宮田さんがもちこんでくれた料理いろいろ. ごちそうさまでした. 飯島君ほか院生のみなさんの尽力で, 楽しい輪読会 & うちあげとなりました. この勉強会, いろいろ勉強になりましたよ. 著者 McCarthy みたいな安易な 「何でも主観事前分布」 派が増えていきそうな予感もするのだが, まあ階層な事前分布を普及したいところです.
2240 研究室発. 真冬のような吹雪. 2300 帰宅.
明日は朝から試験監督だ. 二次試験後期日程.
[今日の運動]
そしてうんどう休養な日々 ……
[今日の食卓]
朝 (0750): 米麦 0.8 合. ネギ卵炒飯.
昼 (1300): 研究室. セイコーマートサンドイッチ.
晩 (1920): うちあげのごちそう.
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