尤度が良くなる、 つまり観測データへのあてはまりが良くなるように パラメーターを変化させていくという目的は ベイズモデルの MCMC 法でも最尤推定法と同じである。 しかしながら、 MCMC 法では「尤度が良くなる方向」にばかり進むのではなく、 何か特定の値を探索するのではなく尤度が良いときの 「モデルの状態」にむしろ興味がある、 というところが異なっている。 この手法を適用することで、 ベイズ統計モデルで定義された事後分布そのものを直接に推定はできないが、 事後分布からの多数のランダムサンプルが得られる (以下、サンプリングとよぶ)。 これによってわれわれは事後分布の性質を知ることになる。といったかんぢで, MCMC 計算の中での パラメーターの値の 「動き」みたいなのに着目していたんだけど, たしかに上の説明は「何が何やら?」いまいちなかんぢだ. そこで以下のように改訂してみた.
(MCMC 計算は) 最尤推定法と同じく尤度 (統計モデルの観測データへのあてはまり) にもとづくものである。 数値的な最尤推定法では試行錯誤によって 尤度最大となるパラメーターの値を推定する。 ベイズモデルの MCMC による推定でも パラメーターの値を試行錯誤で変化させる。 しかしながら、 MCMC 法ではこの試行錯誤 (以下、サンプリングとよぶ) で得られたパラメーターの値のセットが 事後分布からの無作為抽出標本となるような、 巧妙な「値の変化のさせかた」のルールが適用されている。 このようにしてサンプリングされた値のセットによって、 われわれはパラメーターの事後分布の性質 (事後平均値など) を推定できる。より抽象的な記述になっているわけだが, まあ中途半端に具体的な「動き」なんかを書くより, 「どういった値が得られるのか」 に焦点をあててみたわけだが …… どうでしょうかね?