ぎょーむ日誌 2007-03-03
2007 年 03 月 03 日 (土)
-
0800 起床.
朝飯.
コーヒー.
1005 自宅発.
曇.
1022 研究室着.
-
1030 から 2F 講堂で
進化植物学研究会
(今回は「日帰り」形式).
最初は北大農学部の
江口君,
で北大苗畑で 3 年前からやってる
FACE
実験のうち,
水分生理的な結果の説明.
私のおおざっぱな理解だと,
高 CO2
条件下では気孔ひらいてる時間短くてよい
→
気孔コンダクタンス低下
→
葉・葉柄・当年生シュートの通導性低下,
とここまでは順当な気がするんだけど,
ハナシは地下部につながっている可能性があるかも,
ということで
……
葉内 N 濃度が低下
(そんなにルビスコとかいらんから)
→
見かけ上 C-N バランスが変わる
→
地下部が応答,
細根量が増大?
(水利用効率・窒素利用効率が上昇してるにもかかわらず)
→
「よぶんな」
窒素などが別方面に使われているのかも,
という植物はカシこいのかバカなのかよくわからぬ現象らしきものがあるかも,
とのこと.
ついでに,
窒素すくない「味のうすい」葉っぱは,
いやそれゆえにというべきか,
虫にばりばりと食われてしまうそうで
……
-
昼飯.
みなさんと北大生協 (中央) へ.
江口君に
FACE 実験の Bayesian modeling が
Clark-Gelfand 本
に載っていますよと紹介したり.
植物生理学 (とくに生態学よりなやつ)
の実験データ解析はこの方向に変わっていくのはまちがいないだろう,
と吹きこんでみたり.
-
次は北大の室蘭臨海実験所の
本村さん
で生態学ではなく細胞生物学・発生学よりのハナシだったんだけど
……
このあたり不勉強な私にはなかなか驚きの内容ばかりだった.
藻類の定義として現時点で妥当なモノとしては
「酸素をだす生物のうち,
コケ・シダ・種子植物を除いたもの」
とならざるをえないとか,
ふつーは母親由来の細胞内小器官が残るんだけど
藻類のうち同型配偶子をつくってるものは葉緑体が
父母どちら由来のものも残るとか,
真核生物なる構造の進化と有性生殖は不可分だと考えられていて
その理解には藻類の研究を避けて通れないとか,
細砲分裂時の紡錘体形成時の中心体などは父親配偶子の鞭毛由来だろうとか,
父親由来の細胞内小器官を「消化」する機構はおろか認識のしくみさえ
まだ何もわかっていないとか
……
-
次は東北大の
板垣さん
で,
オオヤマオダマキやサワギキョウといった花序を作る多年生草本の
花序内の両性花の役割,
とか.
このあたり,
研究室まわりでよく聞くハナシなので
自分ではよくわかっているつもりだったんだけど,
じつは示されるデータが限定されているときにその中間を補間して
ハナシを理解できるほどにはわかっていなかった,
と判明してしまった
……
繁殖生態学ってのは,
いろいろな意味で難しい
(フェノロジーがらみは何でも難しい?).
-
最後は
永光さん
で道央回廊北部-中央部におけるセイヨウマルハナバチがらみの
一連の研究まとめて紹介,
という豪華な内容.
概要
はすでにネット上でも公開されている.
永光さん自身の「理屈篇」で示されたように,
外来生物の生態学は群集生態学にほかならず,
群集生態学ってのは (集団遺伝学と同じく)
全容をつかみがたい集団の
「組成自体に依存する組成動態」
みたいなところがあって
(「組成」ではなくホントは局所密度),
そういうハナシだとするとこれまた Bayesian ですね,
というハナシをあとで研究室お茶部屋で.
-
1700 ごろおひらき.
1745 研究室発.
北大正門前の居酒屋
ででんがでん
で研究会懇親会.
2030 帰宅.
-
[今日の運動]
-
[今日の食卓]
- 朝 (0900):
米麦 0.6 合.
ナガイモのモズクあえ.
コマツナのゴマあえ.
ナメコ汁.
- 昼 (1210):
北大生協中央.
サケ・イクラという北大ふう
ひな祭りちらし寿司.
オクラ・モロヘイヤあえもの.
440 円.
- 晩 (1820):
研究会懇親会.
豚肉・水菜の鍋物.
鍋のしめは蕎麦だった.