ぎょーむ日誌 2002-03-28
2002 年 03 月 28 日 (木)
- 0445 起床.
眠い.
仙台市内ホテル.
- まだ発表準備つづき.
うう.
- 0700 になったのでホテル一階のレストランに朝飯たべに行く.
発表準備もさすがにほぼできたので,
0800 ホテルチェックアウト.
晩翠通・木場町通交叉点で信号待ちしてると
京大の菊澤さんとばったりお会いしてしまう.
そのまま二人して東北大まで歩く.
けべっく樹木会議や次の研究
――
展葉問題の三次元化など.
ああ,
しかし件のよくわからぬ「よーご集」がらみの莫大な雑用で
牧さん・宣教師殿が苦労しておられるのはどーにかならんのでしょうか,
といったハナシは切り出せなかった.
- データマイニングシンポジウムの会場が変更になってるのに
(部屋の前にそう書いてあるのに),
気づかずに無人の部屋で発表準備の見直しなど.
開始直前まで気づかなかった.
もはや夢遊病状態にあったのだろうか.
- 0900 「データマイニングシンポジウム」開始.
150 人収容の会場に立ち見客まで出る注目度である.
島谷健一郎さん (統数研) が
「あなたのデータにはまだまだ解析できるところがあるのではないか」
「解析方法開発者とそういった手法の利用者の情報やりとりを
もっと緊密にしたい」
というような開会のコトバ.
-
岩田洋佳
さん (森林総研)
「植物の形を計る」.
モーメント不変量とか eigen shape analysis あるけど,
今日紹介されたのはフーリエ記述子
――
ディジタル画像から輪郭を得て
周期関数としてフーリエ展開する.
楕円フーリエ記述子の標準化 →
単なる楕円にして始点と座標軸をきめる.
推定されたパラメーターを主成分分析.
主成分の「意味」を簡単に図示できる
(フーリエ逆変換をつかう).
自作解析プログラム Shape の紹介.
奇関数・偶関数から対称・非対称成分に分離できる.
QTL 解析にもつかわれている.
……
これらはすごく強力な手法とわかった.
- 山村光司さん (農環研)
「経時的測定データの解析法」.
データマイニングと従来統計的手法の違いに関する考察.
うーむ,
「帰無仮説」の有無で判断してよいのだろうか.
経時データに関してはふつーの ANOVA では
……
変数変換.
Repeated Measures ANOVA.
key-factor 分析と ANOVA を結合する.
私が AIC に関してしょーもない質問をする.
ほんとは proper な生残解析と今日紹介された
ANOVA なやりかたの関連を問うべきであった.
-
久保田康裕
さん (鹿児島大)
「ヤンバル亜熱帯林の遷移系列に沿った空間構造解析」.
多種からなる群集は情報の損失が大きい
(優占種だけみてられない).
点過程の方法論を使って空間統計学的な解析を行う.
{15 年生, 30, 50, 極相}.
空間スケイルを考慮した多様性指数を作ろうとした.
ヨコ・タテを軸とする種数.
距離によってかわる胸高断面積 (BA) 考慮の多様度指数.
しかしこの次の次の粕谷さんが
「生態学者は …… むやみと指数を作る」
と指摘されるんだよね.
とはいえ,
「種多様性」みたいなモンは
そういう指数をでっちあげねばならんでしょうなあ.
問題はそれらと統計学の連携だ.
- 久保 (横浜独房群).
内容は
こういうモノ.
とりあえず 25 分以内には終った.
これはめでたい.
しかし,
いつものごとくよけーなお喋りに時間とられて,
最尤推定の説明がザツになった.
本末転倒だ.
そのせいか質問がでなかった.
まぬけだ.
-
粕谷英一
さん (九州大).
冒頭で「異端審問官」たる自覚が鮮明になりつつあるといった
所感を.
ああ,
私が「ぎょーむ日誌」なんかでよけーなコト
(これ とか
これ)
を書いてしまったために
……
今日もキビしくいんちき手法の追及がなされる.
「グループ平均とる→その相関をみる」
というアヤうさについて計算例を示しつつ話が進み,
binary データを角度変換する危険性が述べられる.
その動機が恐ろしい.
「『二項比率は角度変換するもんだ』と言われて腹がたったので」.
立腹しても表情をまったく変えぬ冷徹なる審問官に
失言した人物は自らの愚を省みる機会が残されていたのだろうか.
- ともあれ,
比率なんぞを計算して
さらに角度変換すると Type-I の間違いがおこる確率がすごくたかまる
(ほとんど間違う).
統計学的な観点からも,
ゑくせるでよけーな計算するもんじゃない,
との指摘だ.
私が最尤推定法なる原理主義的な方法をススめたのに対して,
粕谷さんは一般化線形モデル
(generalized linear model, GLM)
の普及が望ましいと考えておられるようだ.
まあ,
そちらのほうが現実的かも
(しかし最尤推定法のほうがわかりやすい,
という状況はかなりあると思う).
最後に
「統計学を
『単なる飾り』
『論文とおすための方便』
と捉えるものがいるかぎり
……
わたしは異端審問官を続ける」
と宣言して会場内二百名を震え上がらせたのであった.
- 1200 マイニングシンポジウム終了.
まぁ,
盛会でした.
閉会後に三中さん・池田さん・山村さんといった農環研軍団と
粕谷さん・私で大学生協で食事.
- 午後からポスター発表会場に.
さっさと帰るつもりだったけど
面白い発表が多くて,
ついつい遅くまでいろいろ見て回る.
- 北大農学部の大学院生の小泉さんがオショロコマ (渓流魚) の
メタ個体群絶滅モデルの計算やっておられる.
これは興味深い.
しかしパラメーターの最尤推定がうまくいかない,
とのこと.
なんでも Mathematica で計算してるんだけど収束が
……
ということでそのコードを拝見して愕然.
それは他ならぬ 私
が 5 年ほど前に作ったものだった
(コメントの英語がおかしかったので分かった).
九大で入手されたものらしい.
こんなモノ
(初期値をかなりうまく設定しないといけない)
を何年も改良もせずに使ってる連中はなに考えてるんだ.
私自身は便利だけどカネのかかる Mathematica と手を切って
自作の
mlfitting
に移行したんで,
Mathematica 用の最尤推定コードは放置したままだったんだけど
……
- 1732 東北大前バス停発.
1744 JR 仙台前着.
東京まで 10080 円.
1756 JR 仙台発.
また Max やまびこ号.
復路は空いてる.
東京までほとんど寝てた.
1908 JR 東京着.
1913 山手線に乗って同発.
1924 JR 品川着.
京急に乗り換えて 1927 同発.
平和島まで 150 円.
1950 帰宅.
- 自宅の引越し準備に着手するつもりだったけど
……
かなりバテてたのでそのまま朝まで寝てしまった.
寝不足状態で重量物 (液晶プロジェクター)
持ってうろうろするもんぢゃないな.
ここ数ヶ月の体力涵養にもかかわらず,
体力低下が進行してるとは認めるけれど.
- 今日の食卓
- 朝 (0700):
ホテルのレストランの朝食.
トースト・スクランブルドエッグ・ハム・サラダ・
パイナップル・イチゴ.
コーヒーとトマトジュース.
800 円でこれはちょっとさびしい気がする.
- 昼 (1220):
東北大で農環研なヒトたち・粕谷さんと.
ライス (S),豚汁,五目ヒジキ,揚豆腐カレーソース,
合計 378 円 (422kcal).
- 晩 :
あまりにもバテてたんで食べるの忘れてた.