ぎょーむ日誌 2001-10-21
2001 年 10 月 21 日 (日)
- 0910 起床.
- うーん,
次の仕事にかかれない
……
PopWave はさっさと開発できた.
U 検定問題疑問のメイルも昨晩書いた.
なんかいろいろやった感があるんだよなぁ.
- 何もしないうちに夕方になってしまい
……
昨晩書いたメイルについて粕谷さんから
返信いただく.
うーむ,
結果的に私の疑問は少しハズれだったのか
……
これぢゃあテロじゃなくて,
フライトシミュレイターやりすぎて
日航機ハイジャックしたあげくに
レインボーブリッヂくぐろうとした
危ないヤツと同じだなぁ.
不発ということで.
- 私の昨日まとめてみた疑問点は
「異なるふたつの母集団からランダムサンプリングしてきたものを
U 検定して Type-I エラー調べるのはマズいんでは」
というもの.
で,
あれこれとお忙しそうな粕谷さん
(お気の毒に九大生物学科
ネットワーク雑用掛を押しつけられてるそーだ)
から丁寧なる返信いただいたんだが
……
私なりにそれを要約してみると,
統計学的検定は必ずしも
「単一の確率分布から得られたふたつの標本分布の比較」
にとどまるものではない,
ということのようだ.
- たとえば
……
昨日の「ぎょーむ日誌」で不等分散の場合の t 検定,
Welch の方法について書いてけど,
あれはそもそも
母分散不明な二つの正規分布からの標本集団間の比較
――
これは Behren-Fisher 問題というんだけど,
これにたいするひとつの近似解である,
ということのようで
……
つまり統計学的検定論の世界では異なる母集団,
とゆーのを昔から考えてたみたいね.
- 蛇足ながら Welch の t 検定はあくまで近似だったのか
……
パラメーター二つで決まる正規分布の世界にあってなお,
不等分散な標本集団間は難しいわけね.
- ……
とすると.
また疑問がわいてくるんだよね.
異なるふたつの母集団しかもノンパラメトリックな検定って,
いったい何をやってるんだろうか?
- こういう場合の帰無仮説は
「ここにふたつの確率分布があり,
それぞれの形状はまったく自由であるけれど,
統計量 S
(まぁノンパラメトリックだから中位数とか順位和とか)
は等しい」
となるはずである.
さて
……
- これら二つの確率分布から得られた二つの標本集団の
S の標本推定統計量に関して,
何か確率分布を計算しうる場合もあるだろうし,
それができれば有意水準を設定して検定を
構成できるのかもしれない
……
- しかし,
なぁ.
この帰無仮説が棄却できたとして,
何が言えるんだろうか?
分布のカタチが違うんだから,
他の統計量
……
たとえば平均値も違う,
というふうにはならないわけだし.
ひとつの母集団から得られた標本集団
……
なるありがちな帰無仮説であれば,
もうちょっとやりようがありそうなんだけど
……
そうではない状況ではどうしたらよいのであろうか.
- このあたりはもうちょっとノンパラメトリック検定を
勉強してみてまた質問してみようかな.
うう,
知らないことがいろいろあるな.
私なんぞよりよほど
統計学的有意差というものを激しく好んでいる
他の生態学者たちは,
このあたりどう考えてるんだろうか.
- 粕谷さんメイルによると,
1999 年の Animal Behaviour 誌において
U 検定使ってる全論文をキビしく審問したのは
編集者がそうやれと命令したからであって,
かなり苦労させられた
……
とのこと.
うーん,
つまりご本人のシュミではなかった
……
のだろうか?
- 今日の食卓
- 朝 (0930):
蕎麦.
- 昼 (1330):
パンケイキ.
- 晩 (2230):
米 0.6 合.
豆腐・タマネギ・シイタケの炒めもの.