ぎょーむ日誌 2001-02-14
2001 年 02 月 14 日 (水)
- 0750 起床.
眠いなぁ.
- 朝飯・弁当の準備.
朝飯.
う.
時間か.
- 0815 自宅発.
曇.
曇天な毎日.
0832 東京モノレイル流通センター発.
浜松町の気温 1 ℃.
0853 研究所着.
- さて,
と.
「ニセ」アカマツ問題をぢりぢり進めなくてはならんのだが
……
今まで,茎という部品の
「ある時刻 (齢) での太さ」と
「茎ごとに固有な生長関数」が
一対一でばちんと対応していて
(という仮定というかでっちあげというか),
その長さについては
観測された値をそのまま使う (不変),
という方針だったのだが
……
そういえば「重さ」という観測値もあったなぁ,
と思い出す.
えーと,
これはどういうふうになっていたっけ.
- all_dump.pl という手持ちデータを
全部出すスクリプトで調べてみると
……
そうか,
「◯齢の茎の重さ」
というふうに齢ごとにまとめて
総重量を測定されてる.
ということで,
「ニセ」アカマツ構成部品としては
やはり
(太さ,長さ)
ペアが一番細かいわけだ.
とはいえ,
材密度でも計算してみるか.
- なーんか,
実験区のほうが
「つまって」いてばらつき大きい,
としかわからんな.
さて,
どうしよう.
[重さと材密度]
いや,相関を見てる
のではなく,処理区
によるばらつきの違
いを眺めてるだけな
んですけれど ……
[茎と葉の重さ (当年生)]
で,曝露実験とゆー
のをやると,葉っぱ
の量が増えるのに茎
は軽いんだよね.ト
レイドオフか効率低
下なのか ……
葉っぱの重さも 4 標本 × 2 処理区
だからなぁ
……
当年生シュートの個数の分布は
処理間でそれほど差がないように見える
(とはいえ分散大きいし,
やはり 4 標本どうしの比較なんだけど).
- 昼飯を食いつつ取りまとめを考える.
- 生産は当年生茎だけが行うもの,
としよう.
常緑とはいえ,
針葉の古いやつなんて生産には
ほとんど寄与してない,
ということらしいんで.
- えーと,
当年生針葉も存在しないことにしよう.
むろん当年生茎そのものが光合成してるわけないんだが,
それを言い出すと面倒になるばかりなので
(観測データとの整合性などなどの問題あるんで),
茎が光合成してるかのように見せかけるのである.
ええ,
そうですとも.
そうに決まりました.
- さて,
その茎の生産したものがどこに配分されるか,
というと
……
- (自分も含めた)
既存の茎の肥大生長.
各茎の肥大生長量は
その茎に「固有な」
生長曲線によって決まってしまう.
いやおうなく.
- 新しく作る茎.
むろん葉っぱ (針葉) も作られるんだが,
それを言い出すと面倒になるばかりなので,
葉っぱの生産はここでは考えないのである.
証拠隠滅のためなら,
私が「ニセ」アカマツの葉っぱを
むしって食べてしまってもよい.
- これらの配分先に回した重量の合計のことを純生産と
仮称することにして,
(純生産)/(当年生茎の合計重量)
を生産率と呼ぶことにする.
この生産率なるパラメーターの値は
観測データを利用して計算できる.
なんとならば,
「すべての茎は固有の生長曲線を内蔵しており,
それは時間の関数である」
というでっちあげから,
観測樹木個体の「一年前」の状態が
決定されるからである.
つまり現在の一年生茎が当年生であったときには
コレコレのサイズであり
(他の齢の茎も同様),
それがこの一年間でこれだけ太ったあげく,
ついでに新しい茎をこんだけ作りました,
と逆算してみせればよいだけだ.
- かかる作為的なサブモデルによって,
実験区の当年生茎集団による生産は
対照区に比べてますます貧弱になるハズ.
個体ごとに異なるとする生産率の値を
上のように「推定」してしまうと,
そうならざるを得ないだろう,
というのが読みスジなのである.
詳しくは,
この生産率とかいうのを計算してみてから.
- さらに個体全体の体積膨張の速度は次第に鈍化する.
竹中さん言うところの
「シンク要求」
じゃないけど,
既存の茎も「固有の速度」とやらでもって
ぶくぶくと太らねばならず
(という仮定をすでに与えてしまったんで),
そちらに資源を取られて
(古い茎が
「俺はこれだけ太らねばならんのだ」
と言って来るとその要求量は必ずぶんどられる),
当年生茎の生産は少なくなるはずである.
すると翌年の純生産はさらに落ちる,
という悪循環である.
やれやれ,
個体としてはすぐに破綻してしまいそう
……
- さーて,
これで
「茎という個別の部品が単位なんだけど,
(データ無いんで)
それら部品間のつながりの見えない樹木個体モデル」
のアイデアは出そろったかな.
では,
ヤバいところにできるだけ触れないようにして,
(部品間の相関を可能なかぎり
考慮しない)
帰無仮説的な動態モデルを考えるとしたら,
その一試案はこうだ
……
-
当年生茎の総重量に
生産率なるもの掛け合わせて
純生産が決まる.
-
各茎の齢をひとつ増やす.
-
一年生以上の茎が要求する
肥大生長に必要な資源を純生産から
融通する.
-
余った資源を新しい当年生茎の
生産に充当する.
-
当年生茎に回す資源を
個別の当年生茎として分割する.
分割するサイズは
各当年生茎の「生長速度」
で決まる.
その速度分布は
観察されている当年生茎の
速度分布を流用する.
- よくわからんけど,
材密度は個体ごとに固有ということで.
そーすると,
実験区のほうが多少密になるワケですか.
で,
長さは「速さ」とセット.
一緒に分布からひろってくる.
これで
「速さ」→ (太さ・長さ) → 体積 → (材密度) → 茎重量
とつながりますかね.
- ま,
あと三次元樹木図を作れと言われるだろうから,
例のいんちきな親-子分配法で当年生茎を
一年生の先端にでもくっつけてやればよろしかろう.
観察されてる速度分布からリサンプリングするので,
上記分配法は破綻しないのである.
なぜ,
親子関係づけが処理の末端に位置してるかというと,
こんな怪しげなサブモデルに樹木個体の挙動を
左右されるのはイヤだから,
である.
- 観察されたというか強引に算出された速度分布から
リサンプルするとなると
……
実験区では「遅い」個体が増えるだろうな.
そうか.
このあたりを
生産率に反映するようなモデルにすれば
……
- それはともかく,
その生産率なるものを推定する Perl スクリプトでも
書いてみますか.
- ……
なんてのは
面倒だなぁ,
とネット上に逃避してると
……
お,
オアフ島沖の <LosAngels> 級原潜と
日本の水産高校実習船の衝突事故報道に隠れるよーに
……
バレンツ海に沈んだ
<Krusk>
はやっぱ魚雷自爆でした
って
……
うーむ,
ロシア人め.
なんていんちきな.
さんざん衝突説・陰謀説を連呼してたくせに.
- 生産率推定用兼シミュレイション用の
茎クラスをぢりぢりと書き始める.
今回は All Perl な方針なので,
この「Perl モジュールでクラスを書く」
という作業に
面倒感がつきまとうのである.
Perl でオブジェクト指向じみたことをやると
あまり楽しくない.
すでにいくつか「ニセ」アカマツ用の
モジュール書いてんだが.
- とりあえず茎クラスが生産率推定に使えそうなところまで
書けてテストできたので帰宅準備.
腹減った.
1805 研究所発.
モノレイル駅で定期券買う.
一月分 10300 円.
久しぶりに浜松町の本屋 dan に寄る.
付け焼き刃的ながらデータベイスに関する
かなり初歩的な解説書を買う.
1830 東京モノレイル浜松町発.
1900 帰宅.
- またまた晩飯食ったら 2 時間ほど寝てしまった.
そして「ニセ」アカマツの
生産率推定スクリプト書きがなかなか進まない.
-
Tu-22
が北海道付近にて領空侵犯という報道.
うーむ,
ロシア人め.
どうせ来るなら私が札幌にいるあいだに
北大上空を航過しろ.
見たかった,
ツポレフの超音速爆撃機.
- 今日の朗読
``Analytical Population Dynamics'' (Royama, 1992)
Part I Theoretical bases of population dynamics
Chapter 2. Structures and patterns of population processes
- 2.2 Pure density-dependent process
- 2.2.5 Nonlinear second-order process
- 2.2.6 Higher-order process
- ふつーな第 2.2 節もようやく終わりである.
まず 2.2.5 ではやはり
X(t) = f( X(t-1), X(t-2) )
なんだけど f() が非線形な関数である場合について,
計算例が紹介される.
というのも,
非線形な場合はあまり記号操作的な解析は
有効ではないからである.
線形な場合との対応をよく考えられたパラメーターセットで
もってあれこれと計算.
非線形なのでカオスみたいなのが出る場合もあるけれど,
著者は
こういうのは面白いけど
実際の個体群ではカオスなんて稀じゃなかろーか,
という冷静な見解を述べる.
このあたりはハヤりものに弱いモデル屋たちとは
一線を画している.
つづいて長い 2.2 の最後に位置する 2.2.6 では
三次以上の動態が紹介されそうになるけれど,
二次以下の動態をこよなく愛する著者によって,
ごくあっさりと切られておしまい.
- 今日の食卓
- 朝 (0800):
米 0.5 合.
一昨日の豆腐トマトソース残り.
- 昼 (1215):
弁当.
米 0.9 合.
一昨日の豆腐トマトソース残り.
- 晩 (1930):
米 0.6 合.
豆腐・葉タマネギ・シイタケ・麸の味噌汁.
煮干だし.
だしがらも食う.
ホウレンソウおひたしサバぶし麺つゆ味.
お,
久しぶりに一汁一菜が実現.