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ぎょーむ日誌 2009-04-22
苦情・お叱りは, たいへんお手数かけて恐縮ですが, 久保 (
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2009 年 04 月 22 日 (水)
0600 起床. 朝飯. コーヒー. 0700 自宅発. 曇. 0710 地環研ちかくのサンクスの駐車場, 苫小牧毎木調査隊集合場所 …… と思ったら場所まちがった. いやはや.
[07:26 地環研前に集合]
遅刻しなくてよかった …… 0740 ごろ出発. 宮田さん車にのせてもらって, 支笏湖畔ルートで苫小牧へ.
[09:44 苫小牧研究林 (TOEF) 着]
しかし, 別ルートでくる院生の車がいつまでたってもこなくて, ですね …… 結局, 待つのはやめて先にとりかかることにした. このために樹高測定のための測高ポールは使えず (その所在不明車につまれていたため), 超音波で測距・ジャイロで測角 の組み合わせで樹高を憶測する電子機器を使うことに.
[10:22 河畔林 1 ha plot そばの林道]
まあ, TOEF 的なこういう「しょぼい」かんじの二次林で毎木調査 …… あとで, 40 本ほど樹高測定したけど 20 m ごえはひとつもなし. 樹高測定 80 本ぐらいと, 1 ha 内 (1000 本ぐらい?) の毎木 GBH 測定. 私は樹高測定チームのひとつに投入される. 作業が始まると写真とってるヒマもなし.
[12:36 昼飯]
手前の紫ジャケットはインドから PD の Geeta さんで, 彼女・宮田さん・私で午前は樹高測定. これはひととーり終わった. 午後は GBH (樹木周囲長) 調査. 午前・午後どちらも記録係をやってたんだけど, 日本語・英語が混在する中での記録係, というなかなか貴重な, しかしながらアタマのくたびれる体験をしてしまった.
[18:00 終了]
1 ha 毎木調査を終えて, TOEF 庁舎にもどったところ. 今日は朝は天気わるかったけど, 正午ぐらいから天気が回復してきてよかった. メンバーの半分は本日札幌に帰る. 残り半分は TOEF 宿舎にとまって, 明日の札幌発別動隊と合流, 残されたぎょーむ (0.25 ha 毎木調査) を終了させる.
保要さんの車にのせてもらって 1810 TOEF 発. 道央道にのってぴゅーんと帰ることにしよう, とゆーことで札幌まで 1250 円. 1920 北大着. やはり速い. 1940 帰宅. 晩飯.
ひさしぶりに毎木調査に参加, しかもずっと記録係をしていたので (データ記録用紙には過去の観測値も一部示されている), こういうデータの「実態」についていろいろ考えさせられた.
まず, データが「汚い」というか, 「エラー」の統計モデリングが難しい. たとえば周囲長なんて単調に増えるばかりだろう, と思うのはまちがいで, 少なくとも記録上は 増加・減少・増加 といったパターンはしょっちゅうでてくる. これは測定誤差・記録まちがい・樹木がホントに 増・減・増している (これは TOEF デンドロバンドデータで示されている), その他いろいろな要因がまじっている.
樹高のほうにいたっては, 今回のように測距・測角で推定するか, それとも (今回使えなかった) 測高ポールを使うか, で値がかなり異なるだろう. しかも樹木頂部がふっとぶような disturbance などがあったりして, これまた単調に増えるようなものではない.
つまり, 樹木はどのように直径成長・高さ成長しているのか? といった基本的な質問に対して, このデータを解析して回答するのは, じつはなかなか容易ではないだろう.
毎木調査なんて毎回おなじことばっかりやってるんだから, データがどんどん増えても別に困ることはないだろう …… ということはなくて, めんどうはどんどん増えていくように思える. 統計モデリング的な難しさはいったんおくとしても, だ. ただ単にデータが増えるだけで,
ある個体のある年の測定値だけおかしい, ということが発見しやすくなってしまう …… しかしそれを「どう修正すればいいのか」 は簡単な問題ではない
各樹木に個体識別の金属プレイトがつけられているけど, これはときどき落ちるし, 新しくつけられるのは 劣化がすごく速い (つまり数年ごとにとりかえる必要のある) 「ナンバーテープ」とよばれるもので, この番号変遷の追跡がなかなかたいへん
といった問題が生じてくるんだよね. しかも後述するように, 全データがゑくせる上にある. ホントにおそろしいことだ.
この毎木調査データ, 歴代の大学院生たちの努力によって維持されているわけだが …… たとえば上記の問題などに関して, 院生たちにこれ以上の努力を要求するのはまったく無理な状況.
というのも, 「何のためにこういう調査をやるのか」 といったあたりが何も示されていないし, さらに 10 年以上のデータの蓄積があるんだけど, まったく論文として公表されていない. というか誰もデータ解析やってないんだよね.
主催者は甲山さんなのだが 「去年も調査したんだから, 今年もやれば?」 といった方針だけなんだよね. まあ, これだけで院生たちがかなり尽力するのは, ある意味すごいことだ. 調査当日だけでなく, 事前の準備としてヒト・機材などの準備はかなりたいへんそうだ. じつは調査後はもっとたいへんで, ゑくせる上でデータ入力, そのチェック, チェックで問題があったらさらにまた TOEF にいろいろ再測定や 調査地のメンテナンス, といった気のとおくなる作業をやらされるわけで ……
私だってこんなデータつかう気がしない. 何しろ必要とされる作業は莫大なモノで ……
まず個体ごとの記録がつじつまがあうようにデータ全体をととのえる (ちかごろ問題になってる年金データベイスのつじつまあわせのごとき作業)
今後二度とかかるバカげた作業を回避するために データベイスシステムを作る
異常な値をどう「修正」すれば妥当なのか, その統計モデリング的な手法を開発する
データ全体を簡単にあつかえる (
CTFS
pacakge のような) R プログラム群をつくる
データ全体をみて生態学研究としておもしろそうなテーマを (データから抽出可能な情報量の限界の範囲内で) 検討する
空間相関・時間相関・群集内相関・その他個体差などを考慮しつつ データ解析する
論文をかく
…… といった手間が要求されているわけで. データ解析にいたるまでの労力はたいへんなものですよ.
私個人の仕事進捗状況をみると, てもとにあるあれやこれやを全部かたづけないことには, 上記のごとき作業なんかはできそうにない.
まあ, 今後どうなることやら, ですね …… ともあれ, 「なんでこんなことしなきゃいけないんだろう?」 といった疑問に回答がえられぬ院生たちの動員は続いていくのでしょうな ……
ちなみに, 秋にも苫小牧国有林内の同様の調査 (これは森林総研北海道支所との合同調査) がある. これまたほとんどまったく論文になってないハナシで ……
[今日の運動]
TOEF 毎木調査.
[今日の食卓]
朝 (0620): 食パン. チーズ. トマト.
昼 (1240): 食パン. チーズ.
晩 (2130): 米麦 0.8 合. カレー.
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