ぎょーむ日誌 2006-06-14
2006 年 06 月 14 日 (水)
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0645 起床.
朝飯.
コーヒー.
0835 自宅発.
晴.
0850 研究室着.
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今朝はなぜかしら起床直後から
(アカマツとは関係ない)
空間構造あるデータのあつかいについて考えつづけていた.
苫小牧 leafminer がらみとかの問題かな.
そしてこのへんの面倒に関するどろくさいけど有効そうな
解決策がひとつ得られた.
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個体間の距離とかあつかうときには
距離行列なるものを使うことが多い
(R
には
dist()
なる距離行列つくり用関数があったり).
これはたしかに便利なんだけど,
空間データにつきものの edge effects (EE) を補正するのには不便だったりする
……
というか距離行列と EE 補正は計算のうえでは別のハナシのはずなんだけど,
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空間構造がらみの問題では距離行列をもちいると
便利なことが多い
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しかし距離行列は
(空間データにつきものの)
EE 補正に何の役にもたたない
(で,EE 補正のためまた別の面倒な計算が必要になる)
ということかな.
距離行列は個体間の距離のみをあつかい,
個体の位置に関する情報 (調査区画内の「どこに」個体がいるか)
が失われるからだ.
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もし距離カーネルのカタチが変わらないのであれば,
何も考える必要はない.
最初に一度だけめんどうな計算をやればいいだけのことだ.
問題は「パラメーター推定」と称して
距離カーネルのカタチがぱかぱかと変化していく状況だ.
カーネルパラメーターが変わるたびに EE 補正の再計算とかやってられるか,
ってのをどうにかしたいわけで.
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ふつーの EE 補正は反射境界 (reflection boundary) 条件
つまり「鏡面」なカベを仮定する.
つまり境界の「外」に架空の個体を置いてやるような方式だ.
しかしながらこの架空個体は距離行列にくみこめない
(……
わけでもない,
といま気づいたけど,
おそらく計算量はむちゃくちゃに増える).
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では解決策は何かというと,
じつに単純で個体ごとに「隣人名簿」みたいなもの
(距離その他の属性を掲載する)
を作ってやればよい.
ここに実在個体と EE 補正用の「架空」
(鏡像)
個体をまぜてしまうのである.
調査区画まんなか付近の個体は隣人名簿が実在個体でうめつくされるだろうし,
いっぽうで端のほうの個体の隣人はたいはんが架空な連中ばかり,
となる.
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カーネルパラメーターが変わるごとに再計算,
となるのは避けられないけれど,
この隣人名簿にそって実個体・架空個体くべつせずに
そのまま計算していけば,
EE 補正された距離カーネルをつかった近傍密度が計算される,
ということ.
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なンでこんな計算方式をひねくっているのか,
といえばまたまた Bayesian modelling がらみというか,
JAGS
みたいな Gibbs sampling をのぞくと
単純な四則演算+指数対数演算ぐらいしかできなくて,
しかも
(たぶん)
extension とか呼びだせない Gibbs sampler software
で空間構造がらみのしんどい問題の計算をやらせるには
どうしたらよいだろうか,
という検討なのである.
ここまでうだうだと述べてる方式は
計算そのものもうだうだしていて
(EE 補正しない場合とくらべて)
食いつぶすメモリも計算時間も 4 倍ぐらいになりそうだけど,
こんにちの計算機からすればむしろ,
計算資源をつかって柔軟性の高い方式が使えるなら,
そちらにするほうが本スジだよね.
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ああ,
しかし JAGS の計算能力が私の期待よりさらに下まわっていたら
……
たとえば
x <- x + 1
みたいな再帰的な代入計算すらできなければ,
もう何をやってもダメ状態ですなあ.
なんかそうなっていそうでオソろしい.
まあ,
そのうち調査してみよう.
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ということでアカマツ原稿かき作業に.
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工藤さんから研究室内メイリングリストにおしらせ.
7 月 12-16 日に
シレトコスミレ
調査,
8 月 12-17 日あたりに
(やはり知床の)
遠音別岳
原生自然保護地域の森林調査・高山植物調査,
か.
うーむ,
ちょっと行ってみたいかも.
しかしまだアカマツ以降の宿題も気になる.
そして堆積する論文宿題がかたづいても,
アリ modeling といっためんどうなハナシが残存してるし.
うーむ.
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そういえばこのあたりの処理があまりにも遅いので,
今回も
統計関連学会連合大会
(仙台,9 月 5-8 日)
の一般講演にもうしこめなかった.
例の
母子里 Gibbs 林冠
を,
と考えてたんだけど,
口答発表準備とかやってるヒマあるなら論文かけってかんぢですよね.
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えーと,
「参加するだけ」
なら
8/21
まで事前申込可,
か.
まあここは参加費がそもそも安くて,
事前なら 4500 円で当日参加でも 6000 円なんだが.
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Modelling と Results はだいたい書けたよーに思える.
昼飯.
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鍋嶋さん御依頼により,
気象値計算ぷろぐらむまわりの整備.
ついでにネット雑用とかも.
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お茶部屋雑談.
すごくひさしぶりに植物の生活史戦略について.
「高山で多回繁殖なのは生産力が低いから」
と主張する院生に対して,
理論的に単純に考えるとそうはならない,
と説明してみる.
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一年生か多年生か:
これは生産力が影響する可能性がある.
生産力が低いと時間をかけて繁殖サイズになったほうが
トクな場合がある.
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一回繁殖か多回繁殖か:
繁殖を何回に分割するか,
と生産力のあいだは無関係.
一回か多回かを説明するもっとも簡単なハナシとしては,
「繁殖」という event と個体の死亡確率のあいだに
正の相関がある,
というような状況.
では「単純に」考えないとするとどうなるのか?
この場合は答えは何とでもなってしまうのが
生態学のいいかげんなところなのかもしれない.
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アカマツ論文原稿はそろそろ introduction を書き直すべき段階に.
1940 研究室発.
2000 帰宅.
晩飯.
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明朝も歯医者.
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[今日の運動]
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[今日の食卓]
- 朝 (0740):
米麦 0.6 合.
チンゲンサイ・ネギ・ニンニク茎・ショウガ・ブナシメジのスープ.
- 昼 (1310):
研究室お茶部屋.
米麦 0.6 合.
チンゲンサイ・ネギ・ニンニク茎・ショウガ・ブナシメジのスープ.
- 晩 (2140):
米麦 1.0 合.
チンゲンサイ・ネギ・ニンニク茎・ショウガ・ブナシメジのスープ.