ぎょーむ日誌 2005-06-24
2005 年 06 月 24 日 (金)
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0645 起床.
阿寒実習第四日目.
朝飯.
コーヒー.
0755 宿発.
足寄から来てくださった田代さんと合流する.
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今日も二グループにわかれる.
大学院生 3 名と春木さん・田代さん・私は植物観察しながら雌阿寒岳登山.
その他の人たちはここから 2 時間ばかり行った屈斜路湖わきの硫黄山ふもと,
「毒ガス」植生の見物に.
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また私が公用車ランクルを運転する.
後部座席で院生たちが緊張している.
天気は晴.
国道 241 号をすこし足寄がわにもどり,
そこから舗装されてない林道を少しばかり走る.
0830 登山口着.
標高 740m ぐらい.
山頂との標高差は約 750m,
道のりは 5.5km ほど.
[雌阿寒岳登山口]
トイレなし,
案内なし.
入山届けの帳面だけがある.
先客一名.
こちら阿寒湖畔がわから登るヒトは少ないらしく,
たいていは反対側つまり西側の足寄町オンネトーがわから登るようで.
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0835 登山口発.
しばらくはアカエゾマツがめだつゆるやかな斜面をよこぎる.
林床はササ.
道草こそが山行の楽しみ,
と心える春木さんがアカエゾ更新についてササ原の中で
いろいろ説明してくださる.
[アカエゾマツ林]
なんでアカエゾばかりなのか,
よくわからない.
田代さんにこういう場所で手がるに
開空度の憶測値だせる機器あれば便利ですね,
と言ったら,
それは
spherical densiometer
使えばよいのではと教えてもらった.
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標高 900m あたりでいきなりハイマツ帯になる
(雄阿寒岳だと途中にダケカンバ・ササ帯になるんだけど,
雌阿寒にはダケカンバがない).
[ハイマツとオオイタドリ]
このオオイタドリ,
馬のエサ用に導入されたのかも,
というのが春木さんのハナシ.
というのも,
昔は山頂付近で
硫黄を採掘
して馬でそれを運んでたらしい.
[剣ヶ峰]
阿寒湖畔がわルートからみると,
雌阿寒岳の前衛峰ということになりそうなとがった岩峰.
1.5 時間かかってまだ半分も進んでいない.
あちこち観察してしまう
植物生態なヒトたちとの山のぼりはこうなりがちである.
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標高 1200m すぎたあたりからハイマツもなくなってくる.
これは標高のせいというより,
火山噴気孔からの亜硫酸ガスなどの影響なのかもしれない.
地面もざらざらした岩礫で,
頂上に近づくにつれ石灰岩っぽい白,
あるいは硫黄で染められた黄いろい地表が多くなる.
[山頂にいたる稜線]
左が阿寒富士,
右が雌阿寒岳.
パッチ状にはえる植物 (草本とか矮性低木)
は商売がら気になるので,
院生にその素性をお尋ねすると
「いきなり聞かれても」
と立腹しつつ,
マルバシモツケ
その他を教えてくれた.
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ちょっと曇ってくる
(一時的に雨もふった).
しかし完全な晴天よりは快適.
観察する植物も少なくなってきたので,
登頂速度はぢりぢりと速まる.
[雌阿寒岳火口]
青沼・赤沼という水たまりがある.
左奥は阿寒富士.
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1215 山頂着.
ゆっくり登っても 2.5 時間ぐらいのところ,
4 時間弱かかった.
まあ,
植物生態学の実習なんで妥当なペイスである.
山頂には網走の高校生たち多数が遠足登山にきていた.
[山頂東の火口群]
月面のクレイターみたいだ.
硫黄採掘施設の残骸あり.
ずっとむこうに阿寒湖と雄阿寒岳.
[山頂で昼飯]
山のぼり女性大学院生たちとその従僕たち.
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昼飯後,
阿寒富士とのコルに降りて,
すこしだけ阿寒富士がわ斜面を登る.
ざらざら斜面のコマクサの開花を見物して,
雌阿寒のほうに引きかえす.
登山ルートをひきかえして 1410 ごろ下山開始.
のんびり歩いて 1610 登山口着.
天気は曇.
田代さんとはここでおわかれ.
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われわれは林道を (朝とは反対の方角である)
南にすすみ阿寒川横にでようとする.
このあたりは国立公園からはずれており,
植林あとがある.
[途中の湿地らしきところ]
で車をとめて植物採集などやったり.
標本作り実習に使うため.
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最後,
林道の出口ふきんで道にまよう.
正しい方向だと思っていたんだけど,
どう見ても白水川を遡行している,
すなわち山奥にむかっているんで引きかえしてみると,
無事に阿寒川横の国道 240 号にでた.
本日の反省:
登山や林道走破には 5 万図ではなく 2.5 万図の最新版が必要.
1820 ごろ宿に帰着.
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ダニにひどく好まれているとしかいいようのない某女性大学院生,
昨日につづき本日もあらたな吸血昆虫にとりつかれたようで.
甲山さんがまたタバコの火を探してると,
工藤さんがやってきて「それそのまま抜けばいいよ」
とトゲぬきで除去してしまった.
「昨日のタバコの火,
とても,
熱かったんですけど」
と詰めよられた甲山さんはぢりぢりと撤退.
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晩飯.
晩飯後,
実習生たる院生のみなさんは標本づくり,
われわれは雑談.
ともかく実習の予定はめでたく消化された
……
あ,
そういや,
長谷川
「どりる技師」
が樹木あなあけの腕をまったくふるえなかったところが
予定外だったのかもしれないけど,
「甲山車専属運転手」
という新たな任務を得つつあるようなので問題ないだろう.
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[今日の運動]
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[今日の食卓]
- 朝 (0700):
民宿の朝飯.
- 昼 (1230):
民宿でつくってもらった弁当.
握り飯二個.
- 晩 (1850):
民宿の豪華な晩飯.
ツミレ・豆腐鍋ととんかつ.