ぎょーむ日誌 2004-12-09
2004 年 12 月 09 日 (木)
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0830 起床.
不調.
生活周期がヘンだ.
朝飯.
コーヒー.
なんか「一日の中で,
アタマから正気でない考えがでる確率は朝がもっとも高い」
という奇妙な思い込みにとりつかれていて,
何かよいアイデアが出そうになるとそれに没頭する,
ということがあってですね
……
1000 自宅発.
晴.
1010 研究室着.
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なにやらあやしげな書類に拘束されたり.
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てなことその他あれこれで昼飯前が終ってしまうって,
どういうこと?
われながら,
ひどい.
いや,
そういった雑用するふりをして統計学本とか読んだり,
論文をダウンロードしたりとわき道にそれてしまって,
ますます雑用処理効率を落してしまったのは認めますけど.
昼飯.
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しかし勉強してアタマをひっかきまわすことで,
新しいアイデアも得られる.
新しいアイデアは役にたたないことが多いんだけど,
アタマは新しいものが好きなので興奮状態になる.
そういうふうに,
これから数時間もアタマの中に居座られてはイヤなので,
ここに記録してアタマの中からは削除したい.
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またしても集団遺伝学なハナシなんだが
……
ある遺伝子座 X (複数でも良いけどとりあえず単数)
でいくつかの中立なる対立遺伝子があるとする.
それぞれの局所的個体群から得られた有限個の遺伝子 X
の対立遺伝子の個数セットのことを,
遺伝子 X の組成の標本とよぶことにする.
とうぜんながら,
この標本 S が得られる母集団について,
われわれは多くのことを知らない.
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母集団は確率分布 (N 個の対立遺伝子あるなら N 項分布)
によって近似的に表現されるとする.
すると,
われわれは組成の標本 S が得られる確率つまり尤度 L を計算できる.
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では,
この母集団なる確率分布 F をどのように構成すればよいか?
ここで局所的個体群はひとつではなく複数あるものとしよう.
局所的個体群間の距離その他が「近い」と遺伝子 X の組成が似ている,
とする.
もしこれが成立するならば,
ある局所的個体群の母集団 F を他の局所的個体群の「合成」によって
構築できるかもしれない.
もちろん「合成」は単純な平均などではなく,
局所的個体群間の距離その他に依存して加重を変える加重平均となる
(この場合は標本を加重平均して合成する).
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つまり母集団たる確率分布 F が「よその局所的個体群」の標本
・局所的個体群間の「距離」・その他に依存する関数として書いてしまい,
そこから標本 S が得られる尤度 L を最大化するように
未知パラメーター (距離依存性とか)
あれこれを推定してしまえばよい,
というだけのハナシ
(むろん他の局所的個体群についても同様に尤度を計算して,
全体の尤度を最大化する
……
といういつものやり口が今回に関してもホントに良いのかしらん?).
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問題点は局所的個体群のサイズの効果とかを考えてないところだろうなぁ.
つまりこれでは大個体群 → 小個体群への流れ込みはありがちなのに
逆方向にはなかなか流れない
(正確に言うと,流れたことを検知するのが難しい),
といった当たりまえの現象をうまく表現できていない.
可能な解決策としては
……
困ったときのべいぢあん,
か?
それから「局所的個体群」とか言ってるけど,
これは単に標本あつめをやった場所にすぎない.
調査しなかった場所にも大個体群とかあるかもしれない.
そんなときはどしたらいいの?
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上の問題一覧をまとめて解決する策のひとつとしては
……
これがいいのかどうかわからんが,
各局所的個体群の「個体群サイズもどき」みたいなパラメーターを仮定して,
それをモデルに組み込んで一緒に推定することだな
(これをランダム効果とすると形式的には経験ベイズモデルと同等になる).
未発見の局所的大個体群はその近くにいる誰かが「代行」してくれるはず,
と.
このアイデアでいくと,
ある場所での局所的個体群の組成の確率分布 F を推定するときに,
他の個体群だけでなくその場所自体も含めるべきかもしれん
……
あ,
それをやると「いっさいよそから影響ナシ」
という推定結果が得られるだろうな.
いやいや,
自分への影響つよければよそにも影響強い,
という効果があれば,
「自分への影響」 vs 「よそに及ぼす影響」
がうまく相殺されるかも
……
しかし標本数の多いところは,
それだけで大集団と見積もられる確率が高くなるな.
これはある意味,
実際にそうなっている可能性たかいわけだが.
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この方法がどれぐらい正確かを validation するためには,
マルコフ連鎖モンテカルロ (MCMC) 法を援用せんといかんのかもね.
少なくともモンテカルロ法は必要だ.
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……
というふうに,
逸般的な概要と問題点を列挙すればアタマ内から削除できそーなかんぢですね.
ぎょーむ日誌の重要な機能のひとつなんですよ.
欠点は「つみおろし」作業に時間かかること.
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いつまでも遊んでばかりはいられないので,
苫小牧モデル appendix 書き作業にもどろうとする.
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というところで,
粕谷さんから例のベータ二項分布モデルのファイルをいただく.
ふーむ
……
このあたりまた後日.
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M1 牛原さんの輪読会予習につきあう.
例によってへなちょこな概念モデルが,
院生をわずらわせるわけだが
……
たしかにこの Chapter 10 はちょっと説明が不親切かも.
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その問題章にでてくるモデルをだいたい解明して終了.
私にとっても予習になった.
腹へった.
2120 研究室発.
2130 帰宅.
体重 73.8kg.
晩飯.
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[今日の素読]
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Lehitilä, K. 2001.
Impact of herbivore tolerance and resistance
on plant life histories.
in
Life History Evolution in Plants
(Timo Olavi Vuorisalo and Pia Kristina Mutikainen eds).
Kluwer Academic Publishers.
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[今日の運動]
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腹筋運動 30 ×
3 回.
腕立ふせ 5 ×
3 回.
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[今日の食卓]
- 朝 (0900):
米麦 0.5 合.
キャベツ・ダイコン・ブナシメジ・コンニャク・煮干の味噌汁.
- 昼 (1350):
研究室お茶部屋.
米麦 0.7 合.
キャベツ・ダイコン・ブナシメジ・コンニャク・煮干の味噌汁.
- 晩 (2230):
米麦 1.0 合.
キャベツ・ダイコン・ブナシメジ・コンニャク・煮干の味噌汁.