ぎょーむ日誌 2004-08-05
2004 年 08 月 05 日 (木)
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0830 起床.
コーヒー.
0920 自宅発.
晴.
0930 研究室着.
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もはやこれで終りにしてもらいたい釧路雑用
(まー,小雑用はまだまだ尽きないような気がするんだが).
印刷会社
にお電話なんぞして
(かかる音声通信に依存してるようではもはや人間として終ってるな)
ファイルさしかえの確認.
なぜか私におしつけられた小雑用あれこれのメイル連絡.
ともあれ,
これでおわりだな.
残るは web サイトがらみのハナシだけのはずだ.
あとは他のみなさんで苦労してください.
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と思ったら,
またポスター賞がらみでなにやらくるし.
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嗚呼,
石井家長男 (生後 1 月)
をだっこしてしまった.
しかもいぢわるな院生たちが
緊張のあまり失神しそうな私の写真とか撮るし.
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苫小牧直径成長モデリング.
昨晩,
小林さんからいろいろとうけた質問を wiki 上に書き出してみる.
これらは説明をススめるときの要点になりそうだな.
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1240 研究室発.
1245 地下鉄北 12 条駅.
大通りで乗り換えて 1306 東札幌着.
ここまで 240 円.
1320 札幌コンベンションセンター
小ホール
着.
1330 から
樹木の環境適応戦略
なる研究会.
発表者は 4 名.
参加者は 50 名ぐらいか.
講座からは M1 石橋君もきている.
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樹木の葉・花・幹・根の形態・構造のハナシ.
4 人のハナシに共通する文脈はない.
しかし,
みかけ上の共通点は,
発表の途中で必ず木材か葉の薄片着色標本の顕微鏡写真が
(それが必要条件であるかのように)
示される,
というもの.
さすがは木材学会の公開研究会.
ともあれ,
どれも勉強になった.
しばらくこういう「いままでの研究あれこれ圧縮概説」
スタイルの講演は聞いてない日々だったなぁ.
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小池孝良さん
(北大)
「葉の形態・構造の環境適応性」.
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最初に葉の構造が葉内外のガス拡散に与える影響を強調.
しかし遷移初期種-後期種と葉の形態・光合成能力は
対応してるかもしれないけど,
さまざまな例外を含んでいるようである.
例によって,
種間比較は難しい
(なンか統計学的な相関があったところでね,
という問題もあるし).
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次に葉のフェノロジーと樹幹内位置による性質の相違.
まあ,
一般的なハナシ.
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Predetermination (前形成) について.
いきなり明るい環境にさらされても,
それに対応した構造の葉は作れない,
とのこと
(つまり前年の環境で今年の葉の構造が決定されている).
トドマツなど針葉樹も同様.
トドマツ当年葉はシーズン末にならないと形成が終了しない.
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院生の北岡さんのハナシを紹介で,
現象としては光合成速度の季節変化,
これが観測年度によって異る,
というもの (年変動がある).
今度は当年の開葉前の乾燥とかで LMA
(葉の厚さをあらわすとかいう割り算値)
が決まるとか言ってるな.
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日浦勉さん
(北大)
「繁殖器官の形態・構造の環境適応性」.
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ハクウンボクのハナシ.
つまり,
かとーさんや宮崎さんの研究の紹介.
とりあえず
(途中で貯蔵するにしても)
枝先内での局所的な資源やりとりが重要,
ということのようで.
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ブナ・ミズナラの種子サイズ比較.
ブナの堅果は早い時期に種子が完成するせいか
気温との関係が明確ではなく
(ただし葉のサイズと負の相関なるなぞのパターンを提示),
ミズナラは 8 月ぐらいから形成されていくので
……
というような.
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アオダモの性表現 (機能的雄性両全異株; オス株と両性花株)
は亜高木であることと訪花昆虫によって説明できる,
というもの.
パターンとしては,
若い二次林でアオダモはオスである確率が高く,
林冠が発達すると減る.
大きな株ではオスである確率が高い
……
ふーむ,
単純な「資源量で性転換」
といったハナシでは説明できそうにない.
しかし訪花昆虫が性表現を淘汰するだろうか?
まだ資源依存のほうがわかりやすいな.
空間分布をみれば,
old growth 森林内でさえも生き残ることのできた
アオダモ個体の特異性がわかったりせんのかな?
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吉田正人さん
(名大)
「樹幹の形態・構造の環境適応性」.
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これは生態学会とかではぜったいに聞けんハナシだ
……
圧縮あて材・引っ張りあて材・成長応力 (growth strain)
・ミクロフィブリル傾角 (MFA)・縦横弾性率・昼夜の膨圧差
……
などなど.
しかし昼夜の膨圧差だけでは巨大な成長応力の一部しか
説明できてないとのこと.
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また傾斜地に生えてる傾斜樹木の姿勢回復を
成長応力と肥大成長に分解して解析すると,
成長応力はわりとすぐにアタマうちになるので
太りで対応する,
というような.
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いまやってる実験あれこれの紹介.
過重力 (6G - 56G!) で樹木を育ててみる
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56 G でもそれほど顕著な変化なかった;
昼夜の膨圧変動と直径変動の対応を調べたい
(夜になると樹木は水をすって横にふくらむので,
Pascal の原理によって樹高はちぢむ!
--- さらに質量分布が昼夜で異るので幹がふらふらする)
……
といったまあなんだかスゴい世界が.
私は樹木のカタチ (いわゆる D-H 関係とか)
がますます理解できなくなった.
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浅田隆之さん
(王子製紙)
「根の形態・構造の環境適応性」.
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地下環境と植物の成長ホルモンとの対応,
その細胞生物学的な機構の解明.
まあ,
最終目的はユーカリなど環境不良地でも
CO2
固定量を増加させたい,
とのこと.
王子製紙の森林資源研究所では地下部の性質を変えるような
遺伝子くみかえユーカリなどを実用化しつつあるらしい.
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関与しそうな成長ホルモンはアブシジン酸 (ABA)
とジベレリン (GA).
ABA は水ストレスありなしで地下部促進の効果が異る.
GA が過剰だと地下部成長を阻害.
また ABA は栄養塩量に依存しつつ
気孔閉鎖を制御してるらしい.
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地下は CO2 濃度が高く,
植物によっては地下のもののみ使い
空中の二酸化炭素は使わなかったり.
放射性同位体な
高 CO2 水 (炭酸水とは別ものなんだろうな)
を使うとユーカリなどでも地下から CO2
とりこんでいいることがわかり,
しかも成長が良くなる (資源分配もかわる).
細胞内腔 CO2 分圧増大
→
気孔閉鎖
(通水抵抗増大)
→
地下部成長,
となっていそうだけど,
理由はよくわからない.
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えー,
最初の二人のハナシが長くて,
予定がずれまくったような.
1710 会場発.
腹もへったのでいきなり帰宅する.
1800 帰宅.
ちょっとパンなど食べたら,
いきなり寝てしまった.
夜中におきる.
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[今日の運動]
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腹筋運動 30 ×
3 回.
腕立ふせ 5 ×
3 回.
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[今日の食卓]
- 朝 :
食ってない.
昨晩のヤマダモンゴルで食べた生ラム 1.5 人分のせいで,
いまだに空腹感ナシ.
食ってるときはじつにあっさりしていて,
いくらでも食べられる,
というかんぢなんだけどねえ.
- 昼 :
食ってない.
帰宅後「北欧」ごまパン.
- 晩 (2300):
米麦 1.0 合.
モヤシ・ニラの炒めもの.
オクラのゴマあえ.
トマト.