ぎょーむ日誌 2003-12-03
2003 年 12 月 03 日 (水)
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0820 起床.
どうも
抗ウィルス剤
をのんでるとやたらと寝てしまうような気が
……
そういう副作用については書かれていなかったんだが.
朝飯.
コーヒー.
0910 自宅発.
晴.
ちっとも冬らしくない.
0920 研究室着.
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午前中は Matt の熱帯林樹木死亡率モデリングの
こんさるたんとで終った.
かなりばて.
例によって例のごとく近傍個体との相互作用とかを,
どう定式化するか,
というようなハナシ.
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昼飯.
食後に散歩がてら北大生協に.
講座お茶部屋のコーヒーなどがキレてたので,
そのおつかいということで.
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午後はなぜかマルハナバチ論文の統計学解析の解読に取り組む.
これは M1 平林さんが「何やってるのかわかりません」
質問されたんで,
なーにこんな G 検定なんぞ簡単簡単
……
と読みはじめたんだけど,
じつに何をやってるのかさっぱりわからない.
数理的なデータ解析がこんなに理解できない論文はひさしぶりだ
……
統計学の適用とかが不適切なだけの論文だったら,
読めばすぐに
「あ,またまた○○ってパターンの間違いやってるな」
とわかることが多いんだけどなあ
……
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夕方すぎまで解読に取り組んで,
よーやくこの著者たち何をかんちがいしてんのか,
ってのがわかってしまいましたよ
……
もはや感情的な悪口を述べてしまいそうなので,
出典は書かないけど American Naturalist
に今年掲載された論文である.
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American Naturalist って誌名みただけでは
何やらわからんでしょうけど,
生態学・進化生物学の論文のせてる学術誌で,
「高邁さ」をウリにしてることになってる.
読むほうとしては,
まさかあの American Naturalist で,
うるさそうな査読者が 2-3 人アラさがししたあとで,
かくも完全意味不明なる変てこデータ解析作法が残存してる,
とは考えないものだ.
ということで,
American Naturalist 掲載だからって,
それだけでは何のアテにならぬものである.
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解読不可能だったのは,
説明がまったく書かれていなかったこと.
さらに説明がないのに heterogeneity
なる語を集団とか環境の「不均質さ」とはまったく無縁な,
生物学的にも統計学的にもおそらく前代未聞なる
意味不明な使いかたしやがった
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データを「プールしてない部分」の意味なんですよ.
我ながら,
たった数時間ばかり苦しんだだけで,
よくもまあこんな正気などというものは激烈に飛び越えた語釈
に成功したもんだと,
感心してしまいますよ.
いやはや.
(後記: 少なくともこの記述は
完全に間違い
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Sokal & Rohlf (1995) section 17.3 は
heterogeneity G-test
あるいは replicated G-test
に関して丁寧に説明しています)
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かかる難解論文はなぜ生じてしまったのか?
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著者は統計学って何をやるのかよくわかっていない
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しかし創意工夫の才能はある
(これが無いヒトは,
とてもわかりやすい誤用をするので,
読むほうとしては助かる)
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すると一見もっともらしい外見の解析結果だけど,
よく見るとまるで意味不明なデータの流れが生じる
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著者もうすうす「これヘンだな」
と気づいてるので
Method 節などから必要な説明すらもすっとばされる
……
査読者どもは理解できてないくせに,
わかったフリをして OK 出した公算大.
素直に「わけわからん」とか言えよな
……
書いててますます気分わるくなってきたので終了.
(後記:
例によって,
このあたりの指摘はかなりまと外れなんでは,
とご教示いただく
……
明日以降のぎょーむ日誌参照)
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実験とかについてはまっとうな論文だったのかもしれないけど,
せっかくそういうハチ訪花の室内実験をきちんとやって
莫大な観測データを得ておきながら,
こういうわけわからん解析やるもんかねぇ
……
なんというか,
苦労してかせいだお金を怪しげなる新興宗教にじゃんじゃん貢いでる,
というような構図といえばわかりやすいだろう.
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というようなハナシを質問者たる平林さんにやって一件落着.
ふつーにやればどうということのない推定・検定にすぎないんだよね
……
例によって「検定やる状況ではない」に該当すると思うんだけど.
あまりにもばてきってしまったので,
お茶部屋でごろごろと転がっていると,
来週に博士論文予備審をひかえ
ますます反社会性を亢進させつつある某氏 (他講座) がやってきて,
予備審関係者の搭乗する航空機その他の遭難を神仏悪魔に祈念したり,
自主的なるテロ活動にて混乱惹起させておいて予備審をうやむやにせん
と画策する凶々しい現場に立ち会ってしまって,
ますますばて感が悪化していく.
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どーにかこーにか起き上がって
2030 研究室発.
2050 帰宅.
体重 71.4kg.
晩飯.
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で,
今度はしばらくおいておいた,
某こんさるがらみのサカナ統計モデリング
(無料御奉仕期間中)
に関するメイル書き.
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今月末に四国にお邪魔しようかなと小林さんとご相談.
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今日は,
熱帯林・マルハナバチ・サカナの統計学,
で一日が終ってしまったなぁ.
2430 消灯.
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[今日の素読]
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[今日の運動]
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[今日の食卓]
- 朝 (0840):
米麦 0.7 合.
ワカメの味噌汁.
- 昼 (1300):
弁当.
研究室お茶部屋.
米麦 0.7 合.
トマト・タマネギ・ブナシメジ白・豆腐・煮干のシチュー (?)
- 晩 (2130):
米麦 0.7 合.
ハクサイ・タマネギ・エノキダケ・鶏レバの炒めもの.