ぎょーむ日誌 2003-09-27

2003 年 09 月 27 日 (土)

• なんか寝てないような気がする． 計算待ち時間を利用して 0630 いったん帰宅． 着替えなど． 0700 もどる． 作図． 0800 ひととーり準備完了．
• 0815 研究室発． 「まんがいち」の予備用として講座の液晶プロジェクターかついでるんだが， 徹夜盆栽ばてのカラダにはきつい． 北 12 駅から札幌地下鉄南北線に乗って 0823 発． 大通りで東西線に乗り換えて 0839 東札幌着． ここまで 240 円． 駅から歩いて 札幌コンベンションセンター めざす． 途中で寺島さん に会う． 0845 会場着．

[シンポジウム会場]

「スケールをまたがる植物生態科学の展望」の． 椅子が 200 脚ぐらいあるんだけど， 参加者は 30 名ぐらい (植物学会では生態学関係者は絶滅危惧種なんで)． しかも皆さん， 部屋のうしろのほうにぱらぱらと． それはともかく札幌コンベンションセンターは学会にはよい場所でした．

• 0900 シンポジウム開始． 私は会場うしろで電力窃盗しつついまだに LaTeX slide をいじってる． 甲山さんあいさつ．
• 北大低温研・原さん「寒冷圏における光ストレスと北方林の更新メカニズム」． 気象屋とかいろいろなヒトたちとロシアン森林モデリングやってます， というハナシ． いつものことながら前おきが長い (そして後半になって時間が足りなくなる)． 最後の最後のほうで， とーとつに 松木さんのミズナラ光阻害の研究が紹介されたり．
• 東北大・ 彦坂さん 「葉群光合成 -- 静的モデルから動的モデルへ --」． 窒素いり葉群光合成モデルに葉っぱの回転を加えて， 構造変化も伴う資源配分をすべての各瞬間において最適化しました， というモデル． 各瞬間の最適化が生涯を通じての最適化になってるのだろーか， といった質問はありうるが， そういうハナシでもなさそうなので略． というか自分の発表の準備に気をとられててですね． とゆーかすでにばててたので体力気力温存 という最適配分策に逃げました．
• 北大農学部・大崎さん「栄養生態学からみた根圏制御」． 次に自分がしゃべるんで， ほとんど聞いてなかったんだが …… えーと， 強酸性の土地 (いや，Al³⁺ の多い土壌だったか?) でも菌根菌の発する有機酸によって 根の表面がカヴァーされると 植物は成長可能といったハナシが紹介されてた．
• わたくし「葉群光合成・個体形成・集団相互作用を結合する樹木シミュレイター」． 動画とかちんたらみせてたわりには 25.5 分でちょーど終ってやりましたよ (このシンポジウムでは一人あたりハナシ 25 分，質疑 5 分)． しかし早口だった． LaTeX slide class + gnuplot + dvipdfm のコンビネイションわざが未熟でグラフがつぶれまくってた (これは翌朝解決……またしても遅すぎるわけだが)．
• 質疑応答は水なハナシに集中 …… そうそう， 植物学会だからこのあたりにつっこみがあるだろうと 期待して地下部を作ったわけですよ． 会場前のほうの人口低密度地帯で シンポジウム中ずっと文庫本を読んでた久米さんが， 樹木の幹には貯水器官としての機能もありうるといったご指摘． 大崎さんが水利用効率が低すぎんじゃないの， といった質問なんで， てきとーな回答をしようと思ったら横あいから久米さんが 八ヶ岳稜線ふきんの低温ならありうるとすばやく回答してくださる． さらに座長の小池さん (北大) が「Abies の材には 水くい材 というのがあって……」 とコメントしてくださる． 質問者どうしでやりとりしてくれると， 当方としてはラクだ．
• ともあれなんとか大なる破綻もなく終ってはげしく脱力．
• 最後は環境研・ 竹中さん． 「森林の個体ベースモデルを使った多種共存系の動態の解析」． 要旨 のとーり， 林分スケイルから植生変化スケイルまで． 私は脳内ホワイトアウト寸前だったんだけど， 以前にいちど北大で話していただいた内容とだいたい同じだったので， なんとかトレイスできたんだが …… 質疑応答で座長にあてられてから 「これって以前にも同じ質問やったんでは」 という気がしてきた． また同じことやる確率を減らすために書いておこう．

  久保 (成り年に関するごちゃごちゃした確認質問のあと) 「えーと， つまり種内では同調してても種間ではずれてることが 多種共存には重要で， と …… とすると， 多様性が高いと言われている熱帯林でこそ むしろ種間同調の一斉開花がみられるのは すこしパラドキシカルではないでしょーか」

  竹中さんの回答は， 熱帯林ではまたべつの機構があるのか， あるいは種間同調で開花してるからといって 種間同調して更新してるわけでもないでしょう， というものだった．
• 1200 シンポジウム終了． 終った． おわった ……
• 寺島さんコメント． ぱいぷ樹木で葉から蒸散させてんだったら， それで大気中の水蒸気分圧も計算させたら， とのこと． それで飽差とか計算できるから水問題を定量的に解決できるぢゃん， ということのよーで． うーむ， 私はたいへんだという気がするんですが ……
• もはや帰るばかりである． 久米さんと地下鉄東札幌駅の近くで昼飯を食う． こういう物識りな人といるときは， 相手にひたすらしゃべっていただくのが双方のためになる． 樹種によって水をとる深度が異なる (表面と深いところでトレイドオフがある) とか， 樹種によっては導管横に「水量調整池」のごとき 貯水組織があるといったハナシを伺う．
• 1340 東札幌発． 大通りで降りて本屋などふらふらと． 結局， 無事故だったので使わなかった講座の液晶プロジェクターが重い． 1500 講座帰着． あまりにもばててたので， かとーオフィスソファで 4 時間ほど気絶してた．
• 2100 研究室発． 2110 帰宅． 体重 70.4kg．
• いったん寝たのでもう眠れないかと思ってたんだけど， 晩飯くったらまたすぐに寝てしまった．
• [今日の食卓]
  • 朝 : くってない．
  • 昼 (1240): 札幌地下鉄東西線東札幌駅そばの居酒屋 (昼飯メニューあり)「とりや」 の親子丼 (680 円)．
  • 晩 (2230): スパゲッティー． キャベツ・ニンジン・マイタケ・豆腐・ホタテのシチュー．