ぎょーむ日誌 2003-02-17
2003 年 02 月 17 日 (月)
- 0620 起床.
土日はススまなかった,
にせアカマツ説明図つくり.
朝飯.
コーヒー.
0840 自宅発.
晴.
0850 研究室着.
- 説明図つくりぢりぢりと進める.
少し復調しているのか「手ぬき説明」のアイデアが
ぽつぽつと思いつくようになってきた.
よーし.
1020 ひとまず終了.
こんなかんぢ
で.
- さーて,
次の仕事だが.
まず生態学会
つくば大会
の発表準備をせんといかん.
一般講演と自由集会.
- まずは一般講演の PipeTree から片づけるべきなんだが
……
今回は昨年末版をそのまま出すしかなさそうだな.
けっきょく手直ししてるヒマはなさそうだ.
というか時間があったら自由集会の準備に費やすべき,
というところまで残り時間が少なくなりつつある.
- しかし今日はいろいろセミナーとかあって時間が寸断されそうなんで,
まだ 10 日間ほどよゆーのある査読原稿に着手してみる.
できれば 1 日ぐらいで終わらせたいんだけど,
ちょい時間かかりそうな予感もあるので
今日と明日を使ってしまうんではないかな.
- ざっとみる.
データ処理と計算はわかるだろう.
しかし生態学的な内容については詳しくないところだ.
こっち方面の最近の研究とかどうなってんのだろう.
もしかしたら文献検索せんといかんかも.
まぁ,
査読報告作成も勉強だ,
ということで
(そういうときぐらいしか勉強してない,
という指摘は却下).
- というふうに午前おわってしまった.
1210 北大構内走発.
降雪にはばまれて途中で撤退.
1235 研究室帰着.
昼飯.
- 1300 より
講座セミナー.
今日は M1 大澤君.
2002 年の苫小牧シウリザクラ調査速報.
情報捨象されたゑくせる図ばかりが投影されるのは私が受注したはずの
データ処理機構がまにあってないためである.
むべなるかな.
- でシウリザクラというのは根萌芽というのをむやみとやって,
近所の個体たち実はことごとく地下接続
……
というわけのわからぬ樹木.
苫小牧では個体の遺伝子型があるていど解明されているので
「遺伝子型ごとに資源配分とか葉の寿命なんかに特徴あるのか?」
ということが調べられるんでは,
というハナシ.
で,
虫にかじられたりかじられなかったり.
- 理論的には遺伝子型ごとに違いあってもよさそうなモンだが
……
私はこないだのトドマツ計算いらい
(これは完全クローン・同齢・同サイズ・同一環境
と条件そろえたのに,
個体の高さ成長量とかがすごくばらばらになった),
すっかり「微環境による個体差」恐怖症になっているんで,
遺伝子型によって違っているのか,
あるいはその genet が存在する野外微環境のちがい
(これは測定困難というか不可能)
が反映されているのかといった区別が難しい,
と思ったりするわけだ.
- で全体のハナシの流れとしては
(というか指導教官の工藤さんの意向としては)
「今年こそシロクロつける実験を」
(地下流通路の切断とか)
となりつつあるようで.
いっぽうでそういう決戦型実験を思いつけない
(あるいは「予想どーりにならなかったらダメ評価」
方式におびえる)
私としては,
すでに得られたデータをしつこく調べて
何かでたらめではないパターンらしきものがあるかどうか,
ぢりぢりと探索すべきだろうな,
と妄想する.
ということで,
データハンドラーさっさと作らんといかんな.
- 1445 研究室発.
1455 低温研着.
今日はこちらの
戸田研究室
のセミナーがおもしろそうなんで
ひやかしにきた次第.
- 1500 D1 萬屋さんのキノコとそれを食うショウジョウバエと
それに寄生するハチ,という食物網のハナシ.
2000-2001-2002 年の動態パターンはなかなか興味ぶかいのだが
……
寄生ハチが出てくるとたちまち
Silwood CPB
(centre for population biology)
方式で「おまかせ定食」的に解析されちゃう
当世のいきかたはちょっと面白くないなあ.
- いや,
たしかに quantitative food web を中心にすえると,
全体の見通しとかは良くなるけどね
……
しかし
「○○というキノコが全体の何割で,
それに○% 依存してるショウジョウバエが全体の○% で」
というふうに何もかも割合・比率になおされてしまって,
こういう問題では重要な「数の効果とその変動」
ってのがまるでわからん.
その観測データって,
寄生ハチによる
top down 制御とかいう説明ではなくて
……
天候の影響でハエの餌資源たるキノコが変動して,
ショウジョウバエの優占度ががたがたとそれに引きづられて,
この宿主密度変化にあわせて
寄生ハチがハエ探しのやり口を変えているような
……
- と思ったんで,
個体群動態も解析してみたらとか言ってみた.
嗚呼,
しかしながら脳内 Silwood Park 状態の萬屋さんとしては
「個体群動態??
……
あ,ところで『彼ら』のやってる
食物網類似度を推定する Mantel 検定ってまだやってないや.
久保さん,そういうこと簡単にできる統計ソフトウェア知ってます?」
ということで,
いまは彼の中の CPB ぶーむが少しおさまるのを
じっと待つ時期なのかもしれない.
まだ D1 だし.
ちなみに
「食物網類似度を推定する Mantel 検定」
とやらはよくわからなかったので
(なぜ Mantel 検定で類似度が?),
関連するメモとかの複写をもらって持ち帰り宿題ということに.
- 1620 より戸田さんの
「今年度もデータとれなかったので」
と大量の雑用に圧殺された無念の前置きから始まる
多様性理論の紹介のハナシ.
まず「最新理論」ということで Hubbell の
``
The Unified Neutral Theory of Biodiversity and Biogeography
''
すなわち群集の「中立説」が説明される.
これはいわば分子進化の中立説の群集生態学版で
(移動分散・種分化なども入っている),
「個体の更新・死亡速度に差が無い状況でも
これだけ種多様性が説明できますよ」
というもの.
BCI や Pasoh データ (森林樹木) に適用してみたり.
- で,
つぎに「私が考案し,発表を断念した MDPE モデル」
なるものが説明される
(20 年前に作られたものなので英文タイプした紙を
撮影してスライドにしたものを使っておられた).
これは元村の等比級数則の多次元 (multi dimensional)
版で,
資源が複数あって,
というもの.
- 私なりに要約すると,
Hubbell と戸田さんの理論はオリジナル等比級数則の
「うまくいってない部分」
(rank の低い種の個体数を減らしすぎ)
をとりつくろおうとしたところは発想を同じにしている.
違いはいろいろあるんだが
-
Neutral theory (Hubbell):
-
資源は「場所」だけ
-
種間に優劣なし
-
無限大集団の中の有限集団
の個体群動態を考える
-
個体数そのものの効果をうまく使う
(population drift)
-
種ランク-数度曲線 (優占種部分) の説明:
中立個体群の
(アンサンブル平均的な)
サイズ分布による
-
種ランク-数度曲線 (非優占種部分) の説明:
種分化・移入による
……
「弱者補給」というか
-
MDPE theory (戸田):
-
ややこしい資源構造あり
-
種間に優劣あり (しかも randomize される)
-
無限大集団のみとりあつかい個体群動態は考えない
-
個体数の効果は考えない
-
種ランク-数度曲線 (優占種部分) の説明:
等比級数則による
-
種ランク-数度曲線 (非優占種部分) の説明:
複数資源による「弱者救済」による
それぞれ対象生物のちがい (森林の樹木 vs ショウジョウバエ群集)
を反映している,
といいますか.
- ということで,
大澤・萬屋・戸田と群集生態学な午後をすごしてしまった.
1740 低温研発.
雪.
1755 研究室帰着.
- 明日までに現金が必要なので本日はこれで撤退.
1820 研究室発.
JR 函館本線のむこうまで
南下してまだ稼働している ATM まで行く.
よせばいいのに本屋とかにふらふらと.
2000 帰宅.
体重 72.2kg.
- 晩飯くったらまたいきなり寝てしまった.
- [今日の運動]
- [今日の食卓]
- 朝 (0700):
米麦 0.7 合.
ハクサイ・ブナシメジ・豆腐の味噌汁の残りで雑炊.
- 昼 (1245):
研究室お茶部屋.
「北欧」バゲット.
- 晩 (2050):
朝ののこり.