ぎょーむ日誌 2002-03-30

2002 年 03 月 30 日 (土)

• 0810 起床． 3 時間ちょい寝た． 雨はいつの間にかやんで晴． おお， 当家から富士山が見えるとは今のいままで知らなかった． 窓が第一京浜に面しているんでいつもカーテン閉め切っていたんで．

[大田区大森東から見る富士] 固定焦点距離の安物カメラの悲しさで 山は空に溶けこんでいる． そうか， 雨が降ったから京浜流刑地の空中汚染塵濃度が低くなって 遠くまで見えてるんだな．

• 高脚ベッド (いや，高床式寝台，とでもいうべきだろうか?) 解体． 布団梱包． これで荷物送り出し準備はだいたい終了か． 時刻は 0850． 現金もちあわせにちょっと不安があるんで 平和島 ATM までいく． 0905 帰宅．
• ベッド部品などまとめられるものはヒモでくくってしまう． さっき外に出たときに調達した朝飯食う．
• クロネコヤマトの引越し屋まだ来ない． 少し掃除でもしてみますかね． あまりにも汚い． おっとゴミを吸気しないように覆面しなくては．
• といっても搬出を待つ荷物が山積になってるので， 掃除機を投入できる局面は限られてるわけだが． 何箇所かで白くつもってるチリの山がいくつか消滅しただけ．
• クロネコヤマトの大森北支社に電話して何時ごろに来るのか 問い合わせてみる …… 前回の引越しのときの「ぎょーむ日誌」にも同じようなことを書いてる， と発見したんだけど， この質問は運送屋には難問中の難問であるらしく， 抽象化された回答しか得られない．
• おお， 前回の引越しと比べると今回はあまり感慨もないねぇ． 以前は過去と比べて「ずいぶん変わったなぁ」 などと思ってるようだけど， 今回は特にそういうのも無いし． 「夜逃げ」感もまったく無いし．
• 1105 引越し屋来着． さっそく作業開始． 私も手伝う． 1145 トラックへの積み込み終了． 今回も 2m³ ボックスふたつに収納できた． ただし高脚ベッドは別あつかいになるんだが．
• ボックスふたつで 72000 円． ただし土日料金とて 3000×2 = 6000 円 (これはイタい) と消費税 3900 円・保険料 2000 円が付加されて 83900 円． 解体したベッドの床部は小型自転車輸送みたいな値段で …… 税込 12400 円． 買い直したほうが安いんじゃないかしらん． 処分するのに費用と手間がかかるだろうけど． ということで， 今回の自宅まわり引越し料金 (東京→札幌) は合計 96300 円． やれやれ．
• ひっこし搬出ばて， ということで律儀にばてる． 通信回線は生きてるんで本日づけ召集令状を発している 平八郎提督にメイルを出してみる …… なんでも午後は会議でいそがしいそうだ． 当方もあわてて出なくてよい， ということだ．
• 炊事用具もなくなったことだし， 昼飯でも食べにでますかね． 1340 自宅発． 晴． 15 分ほど第一京浜を北上すると 京急大森海岸あたりで品川区に突入する． そこから駅の裏を 10 分ほどうろうろと探策して 1405 蕎麦屋 布恒更科 (ぬのつねさらしな) を発見 (地図は こちら から)． 食不毛といわれる大森 (大田区北東部) 近辺にあって， これはかなり有名な店 (品川区に入ってるけど)， とのことなんだけど ……

[蕎麦屋] たしかに目立たぬたたずまいであった．

• といっても内部はふつーの店構えである． この時間になっても店内はほぼ満席． これは関東人が蕎麦屋における行動として好んでいる 奇習のようなんだけれど， 客のうち半分ぐらいはまずは蕎麦ではなく 卵焼だの天ぷらだのを注文して それでビールや清酒を飲んでいる． 池波正太郎の食エッセイに出てるような， 蕎麦屋で飲む， というやつですかね．
• 香りのいい蕎麦茶でる． それを飲みつつ 5 分ほど待つと 生粉打ち蕎麦 おおもり (1260 円) 来る． 緑色の香り高い蕎麦だった． ヘンな指摘ではあるけれど生ワサビとよくあっている． うーん， 隣の卓に届いていた荒引き打ち蕎麦ってのも気になるなぁ．
• 相席の四十台半ばぐらいの小柄なご婦人の注文がすごかった． あなご天もり， というのだろうか． 二本の棒のようなアナゴの天ぷら丸一匹ぶんにもりそばがつく． 天つゆと麺つゆが共有される， という仕組みのようで …… あ， あの褐色に近い黄色の巨大天ぷらはひょっとして 「東京ふう」とかいうゴマ油で揚げたモノだったのだろうか? アナゴも羽田沖で取れたとか． この組み合わせは一度食べてみたいとは思ってたんだけど， 実物 (らしきもの) を見ると 「ぜんぶ食べるのたいへんそう」 としり込みしてしまった． その女性はためらいもなくぱりぱりと端からかじっておられたけれど．
• 蕎麦湯をのんびり楽しんでるうちにも新しいお客さんが入って来たので 1435 同発． 少し西に歩くと JR 大森駅に近づくので， 南におれて山王商店街を歩いて 1445 大森郵便局． ここは土曜日も窓口が開いている． 郵便物転送もうしこみ． 1510 帰宅． 期せずして大森一周散歩になってしまった．
• さーて， 横浜辺境探検にでかけますか． 1540 自宅発． 1550 京急大森町発． 快特に乗り換えて 1600 京急蒲田発． 1618 京急横浜着． おみやげを買おうか逡巡してるうちに 乗車予定の JR 横浜線電車を逃す． しかもすでに改札くぐったので買いたいおみやげ無し． ああ優柔不断．
• JR 横浜線に乗って 1624 横浜発． 1651 JR 長津田着． ここまで 290 円． 東急田園調布線に乗り換えて 1700 同発． 1704 すずかけ台着． さーて， 海軍燃料廠関連のつくば研究所を退官された 平八郎提督が奉職しておられる大学校がこのへんにあるはずなんだが ……
• 2-3 万メートル離れた空を (シルエットと挙動から憶測して) 敵国海軍航空隊の F/A-18 が旋回上昇してるんで なかなかうるさい． たぶん厚木に進出してる この地区の停戦監視団か何かだろう．
• 武蔵-相模の有史以来の係争地として ここらはヨルダン川西岸のごときありさまであるらしい． 平八郎提督は来るなら生命保険をかけるように (受取人を提督に指定しておくよう付言しつつ) 忠告してくれたので ただちに保険会社に連絡したものの そのようなテロ多発地帯で生じる遭難への保険は請け負いがたいと 断られてしまった． で， 冗談ではなく言語に絶する苦闘を経て 1720 なんとか平八郎提督研究室に到達．
• しかし本人は自席には不在． なんでも会議が続いているんだとか． 実験系研究室には土曜日もなければ日曜日もない． まさしく 月月火水木金金 ． やることもないんで， えらく展望のよい研究室から 武蔵-相模国境非武装地帯 (DMZ) を遠望してみたり， 提督机上の分子結晶本だの意外と面白い雑誌 パリティ だのを勝手に読んでみたり．
• 会議終えた提督が研究室を案内してくださる． ガスクロマトグラフィーだの蒸着装置だの． 廊下に出されてた柵をさして
  「これが柵だ」
  「なるほどー」
  「モノを，置く」
  「それは便利ですねえ」
  シールド実験室という怪しげな部屋に入り， 微小超音波発振素子を用いて 提督が密造してる極秘実験機器・隠匿名称「激震」シリーズ (1-5 号機はすでにロールアウト) を見学する．
• 1835 研究室発． 東急が開発したらしい 高級住宅地内に位置する提督邸におじゃまする． このあたりは家だの町だののαβ両多様性の高くない． 関東南部の住み場所は 鉄道幕藩体制 (JR 沿線が天領で私鉄ぞいが大名領) のもとで新造されたからだ． とはいえ， わが室内に「カオスの縁 (edge of chaos)」を現出せしめて， 多様性の創発 (emergence of diversity) をもくろむ 提督の深慮は私のごとき凡人には なかなか難解なものに思えるのである．

[平八郎提督邸宅内] ゴミ捨て場ではありません． だいにんぐきっちんです．

• 万年床周辺にもおよそ二週間分の新聞が 無秩序に散乱・堆積・成層・褶曲していたのだが …… なんとしたことか! いきなり提督がその新聞紙を猛烈なる勢いで片づけはじめる． まもなくお仕事の関係で 少しく遠方に住んでおられる令夫人レスリーさん (サスカチェワンご出身) が提督宅に見えて， 入室して驚きの一声．
  「おお， 何があったんでしょう?! タタミが見える!」
• 1940 三人して提督邸発． 提督車で 2020 横浜中華街着． 晩御飯をご馳走になる．
• 楽しい一時をすごしてご夫妻とおわかれ． 2255 京急横浜発． 2340 帰宅．
• すごく眠いんだけど某大学校潜入の過程で壊れた XFree86 修繕に取り組む． けっきょく XFree86-4.2.0-0vl3 のたぐいを apt-get install することになった． うーむ， kinput2 が正しく動作しない ……
• 今日の食卓
  • 朝 (0825): 平和島商店街のコンヴィニエンスストアで調達した 焼きそばパン・カレーパン．
  • 昼 (1415): 布恒更科 の生粉手打ち蕎麦おおもり (1260 円)．
  • 晩 (2040): 横浜中華街某店でごちそうになる． ありがとうございました．