ぎょーむ日誌 2001-01-14
2001 年 01 月 14 日 (日)
- 1200 起床.
寝たのは 0600 ごろなんだが,
時差をこれ以上拡大しないように,
日曜だというのに目覚しで起床.
眠い.
- さーて,
小川モデル推定系の結果描画の完全自動化は
昨日で終わったんで,
つぎは小川式 (森林総研式 1980 年代型か?)
開空度計算方法を 21 世紀の計算機上で
再現してみせる仕事に着手せねばならない.
まにあっくなるメイリングリスト
canopymania-ml
のここ数日間のやりとりのおかげで,
魚眼レンズについては
だいたいわかったんで,
あとは計算するばかりである.
- ……
とてきぱき取り組むことができないのが,
私の私たるゆえんである.
えへん.
「早起き」と新しいコトばりあーのおかげで,
なかなか着手できない.
結局,
自宅から歩いて数分の図書館に逃走.
1700 時閉館までそこに籠城.
ただし本を借りだし
(最大 6 冊まで)
をやってしまうと,
それを読んでそのまま一日が
めでたく終わってしまうんで,
何も借りずに撤退.
- ここ数日の失敗を反省して,
晩飯食ってからすぐに朗読に取り組む.
蝋山本第一章の核心部なんで
(というかこの第一章はどこも
コい内容なんだが),
読むにもかなりの気合いが必要なのである.
- 今日の朗読
``Analytical Population Dynamics'' (Royama, 1992)
Part I Theoretical bases of population dynamics
Chapter 1 Basic properties
and structure of population processes
- 1.4 Regulation of populations
- 1.5 Statistical equilibrium state
- 1.5.1 Time and ensemble averages
- 1.5.2 Statationary and ergodicity
- 1.5.3 Requirements
for population persistence
under stationary reproductive rates
- ……
いやー,
たぶんこんなコトどもを言及している
個体群生態学の本はこれをおいて他にあるまい
(しかも著者は観測されたデータを解析する
道具としてモデルを開発するヒトなのであり,
モデルの数学的性質ばかりを研究してる専門家では
ないのである).
再読してもなかなかに衝撃的である.
まず短い第 1.4 節では,
前 1.3 節でランダムウォークが persistence
という概念を満たしていない
(二次モーメントが発散するから),
という話をうけて,
じゃあ,
逆に平均値は時間とともに増加あるいは減少するけど,
分散は一定に収まるような個体群はどうかを
考察している.
これは著者の決めた persistence の定義を
満たさないわけだが,
現実の集団ではこれに近いこともあるだろうから,
これを regulate された集団,
としようと.
すなわち,
persistent な集団は常に regulate されている,
が regulate されてるからといって persistence
じゃあない,
ということである.
- で,
次の第 1.5 節が第一章前半のヤマ場である.
ここまでいろいろと persistence を
規定するような条件式が出てきたんだけど,
これらはいずれも定性的であって定量的ではない
(これこれの式がある量を満たす,
としてそのある量が具体的には与えられて
いない).
ところで,
時系列データが定常状態にあるならば,
このあたりはもっと定量的になる,
という話である.
まず時間平均とアンサンブル平均の関係が
述べられる.
なにゴトもていねいなる著者の習性でもって
アンサンブル平均と空間平均の類似と相違に
ついても言及せずにはいられない.
つぎにその時系列データが
確率過程の定常状態
(時刻 t ではなく時間 t-t' だけで
統計量が決まるような状態)
にあるならば,
Birkhoff-Khintchin のエルゴート定理が
成立する,
と紹介し,
アンサンブル平均と時間平均を同一視してよい
状況を説明する.
で,
結局,
定常状態ではそーいう便利な性質があるから,
得られたデータが定常状態にあると
信仰できるならば,
その有限のデータから想定してる
確率過程のパラメータが推定できると
保証されますよ,
となってしまう.
その応用例として,
∞ を含んでいる
persistence が成立するかどうかの判定式が,
最後の小節では定常状態のもとにおいて
(上のエルゴート定理を援用しつつ)
変形されて具体的な量が与えられるのである.
- ふう.
なんともはや.
私としては実際の生態学的な時系列データが
定常状態にあるかどうかは判定できない,
と思うんで,
上のような計算が有用になる状況があるか
どうかもわからない
(すでに読んだヤマネコ・ウサギデータ解析の章では,
このあたりの判定式は適用されていない).
著者はもちろんそんなことはよくよく理解しつつ,
どこまでならば計算によって明らかになりうるかを,
示すために persistence という概念を
押していってるのである
(というか,
押していけるように persistence という概念が
設計されているのである).
つまり,
モデル屋多数派ならばエルゴート定理だのの
数学的道具立てそのものに耽溺し,
私ごとき異端派ならば
「そんなの計算できるか」
と投げてしまうような状況において,
理論と現実の双方を勘案しつつ思考の展開を継続していく
バランスが絶妙なのである.
- 掃除.
流し周りはかなり丹念に.
風呂・便所はざっと.
私ごときナマケものとて家事ぐらいやるのである.
そう,
住環境の persistence を維持するために.
- その後,
風呂に入り,
晩飯の準備.
炊飯開始.
味噌汁の具に一通り熱が通ったんで,
あとは余熱にまかせて買い物に出る.
時刻は 2210.
もはや第一京浜むかいのマルエツしか開いていない.
ここの野菜はかなり高い.
[ハクサイ半株 250 円]
そこらの八百屋の 2.5 倍.
野菜はやめて,
豆腐 (88 円) やコンニャク (100 円) など買う.
あ,
トイレットペイパーも忘れてはいかん.
60 m 12 ロール 198 円か.
これは安い,
というべきだろうな.
- コンニャクなど追加して味噌汁を完成させる.
炊飯終了してる.
晩飯.
- なんか今日はこのまま仕事しないまま
終わってしまいそうである.
おっと,
自宅闇ネット経由で外づけ計算機 Mate と
ThinkPad の間で同期をとっておかなくては.
- 今日の食卓
- 朝 (1230):
パンケイキ.
コーヒー.
- 昼 (1800):
スパゲッティー.
怪しげなトマトソースはこれで終わり.
- 晩 (2250):
米 0.5 合.
ニンジン・タマネギ・切り干しダイコン・
コンニャクの味噌汁.
だしは昆布とサバぶし.
キムチ浅漬の素につけておいた
ハクサイを豆腐 1/4 丁に添える.
お,
ひさびさに一汁一菜が実現した.