ぎょーむ日誌 2000-11-11
2000 年 11 月 11 日 (土)
- 0720 起床.
昨晩は 0200 ごろに寝たかな.
同室の人はすでに起きている.
- ここ富士教育研修所のトイレの西向きの窓は大きく
今朝のような快晴のときには富士山がよく見える.
[東から見た富士山]
わがでぢかめ撮影では
山頂の冠雪部分が空と
区別できなくなってる.
まもなく山容は雲に隠
された.
- 0730 朝食.
洋風である.
- 0830 よりセミナーの続き.
三中さんの要旨は
「オッカムの剃刀」
と最尤法のびみょーな関係に
ついて何事か述べたいようであるが
……
ああ,
今回も「最節約的」に終ってしまった.
ちょーし悪いんだろうか.
[今回は饒舌ではない三中氏]
場所は静岡県裾野市
(富士山の東) にある
えらく立派な (県立?)
富士教育研修所の教
室.
- 0850
庄野宏さん
(遠洋水産研)
「モデル選択手法の水産資源解析への応用
―― 情報量規準とステップワイズ検定の取扱い ――」.
- まずは情報量規準 AIC と
小サンプル時の補正 c-AIC の紹介.
この c-AIC は パラメーター数 / 標本数が
大きいときにも有効である.
また大標本における AIC 以外の規準
BIC や HQ との比較.
- 次にネスト構造のあるモデルにある変数選択,
でステップワイズ検定のパスの間で矛盾が生じた場合,
どう解決すべきかという方法が紹介される.
- 最後に混合分布を構成するコンポーネント数の推定における
AIC や BIC といった情報量規準の挙動.
AIC のほうがマシという結果であった.
- 1020 このセミナー最後の講演は
北門利英さん
(東京水産大)
「種々の尤度に基づく推論
―― 水産資源解析への適用 ――」
である.
- まずは便利な最尤法も
よく考えずに使用していると失敗することがある,
として
「標本数が増えると同時にパラメーター数が増える状況
ではうまくいかない
(Stein 推定など)」
「仮定したモデルに強く依存」
といったことが挙げられる.
- また,
尤度関数の定式化によってはパラメーターの識別性が
失われたり
(パラメーターがカケ算になってる場合など),
あるいは「どういう確率分布をあてはめるか」
によってモデルそのものの識別性がない場合もある,
とのこと.
正規分布モデルとΓ分布モデルの
区別がつかない例が示される.
- 次に局外母数を含む統計モデルから,
興味のない母数を取り除く手法が紹介される.
プロファイル尤度・
条件つき尤度および周辺尤度・
積分尤度
……
などなど.
どれも解決になってるのだけど,
いろいろと修飾した推定関数が不偏であるか
推定量が一致性をもつか,
といったことを検討したり,
あるいは
Fisher の情報行列計算しなきゃならん,
なんかの面倒はつきまとう.
- さいごに「確率分布を特定できない場合」という
尤度関数最大化という常套手段がとれない場合について.
平均-分散関係だけはわかっていれば
quasi-likelihood や pseudo-likelihood を
構成してなんとかしよう,
という話.
- quasi-likelihood の使用例として紹介されたのは,
指数関数族の分布 (未定部分を含む) で構成されている
一般線形モデル (GLM).
分散が期待値の関数 (分散関数) で表されているとすると
GLM の連結関数のパラメーターβの
スコア関数が既知の関数だけで表される,
というもの.
なんとなくわかるが,
自分でやってみないと納得できんだろーな,
私の場合.
- 一方,
pseudo-likelihood は未知の分布を
正規分布だと思って計算しましょう,
というもの.
つまり問題をすべて
(等分散性を仮定しない一般的な)
非線形最小二乗法に帰着する
……
ということだと思う.
- ……
かくして全部の講演は終った.
とくに今日の午前中のふたつの講演は
「最尤法依存症」である私にとって,
たいへん有用なものであった.
- やはり,
ときどきは統計学専門家に教えてもらわないと
大失敗しそうだ.
計算機を使うと無理矢理にでも
「それらしい」
解を計算してしまうからなぁ.
- あとデーターを説明できそうな現実的な
(つまり簡単ではない)
統計モデルやその統計量の性質は
モンテカルロシミュレイションで
それぞれ個別に
調べるべきである,
というのも教訓かな.
- 1150 食堂で昼食.
統計学専門家たちから
サッカーくじに関する
実践的な講義を受けつつ.
- 1224 研修所発.
バス.
JR 三島駅まで 750 円.
一時間ほど.
となりに座った粕谷さんと
計算機おたく話.
九州大学生物学科ネットワークの
呪われ具合についていろいろと伺う.
- 1332 JR 三島発.
在来線の東海道本線.
他の人々は新幹線にて帰られるんで,
ここにてお別れである.
- 1345 JR 熱海着.
1400 同発.
「アクティー」なる 15 両編成の
長い快速電車東京行きである.
車内で熟睡.
1515 JR 川崎で下車.
三島からここまで 1890 円.
駅前のえらく広い紀伊国屋に寄る.
つぎに京急川崎横のベスト電器.
どちらでも何も買わなかった.
何しにいったんだ.
1626 京急川崎発.
大森町まで 150 円 10 分ぐらい.
食糧など買物してから 1703 帰宅.
- (一言近況)
富士山麓から戻りました.
素晴らしい講師の人たちばかりで,
とても勉強になりました.
(20001111,
統計学教最尤推定派に洗脳された私).
- 図書館から借りてきた本など読みつつ
のんびりとすごす.
- 今日の食卓
- 朝 (0730):
富士教育研修所の食堂.
パン・マーガリン (給食ふう)・ベイコン・
スクランブルドエッグ・サラダ・コーヒー,
というふつうっぽい朝食.
量がふつうだったので助かった.
- 昼 (1150):
朝と同じ食堂.
かきあげのせたてんぷら蕎麦・
稲荷寿司・煮物という
豪華な昼食.
昨晩の晩飯と同じく体育会系的な内容である.
- 晩 (1900):
うどんをゆでて,
ざるうどん.