ぎょーむ日誌 2009-03-21
2009 年 03 月 21 日 (土)
-
0820 起床.
朝飯.
コーヒー.
洗濯.
怠業.
-
11 時ごろに家をでて,
地下鉄東西線の西 11 丁目駅ちかくの道立近代美術館で
「 セザンヌ主義
父と呼ばれる画家への礼讃
ピカソ・ゴーギャン・マティス・モディリアーニ」
みてきた.
19 世紀
ポスト印象派の画家である
セザンヌ
と,
同時代以降に
彼の方法
をとりいれようとした画家たちの絵を並べた展示.
-
私は
(以下を読めばわかるよーに)
「絵を見る目」みたいなのないし,
美術史にもぜんぜんくわしくないんだけど,
わりとおもしろく見ることできた.
絵についてる解説と実物をながめているうちに,
「あ,この画家たちは人間のアタマの中の
(いわばベイズ統計学的な)
画像処理を検討してるんだ」
といったハナシを思いついてしまったので.
セザンヌたちは賛成しないかもしれないけど.
-
以下,
いつものごとくてきとーなコトを書きますが,
いつものごとくマにうけないように.
まず,
19 世紀以降の画家にとって写真機の技術的発展は
「絵画って何だろな」
と再考させるものだったのではないか,
と.
三次元空間内に配置されたさまざまな光学特性をもつ物体たちに
ある光源からあてた光を反射させて,
どこかの平面上に投影する,
といった変換は写真のほうが精確にみえるからだ.
-
美術史の歴史はよく知らないんだけど,
だったら現物なんかを描くのはヤメて,
宗教画とかにもどります,
とゆーふうにはならなかった.
理由はよくわかんないけど,
ルネッサンス以来の人間中心主義の伝統というか,
画家たちは「人間の認知できる世界」
を描くことに興味あったのかもしれない.
-
さてさて,
写真機と 19 世紀後半に台頭してきた印象派の関係が
いまいちわかんないんだけど,
点描なヒトたちがやってることは絵画の画素 (ピクセル)
化と画素集合に対する
(いわば画像処理ソフトウェアで画素の部分集合の特性値を操作するような)
色変換,
のように見える.
彩色点々の集まりをみた人間は,
アタマの中の画像処理で三次元世界を再構成しうる,
といった絵をみるヒトの
「アタマの中の画像補間機能」
を明示的に援用する方法が欧州近代美術にとりこまれる.
-
で,
写真のようでもなく,
印象派のようでもない方法,
ってのがセザンヌたちの追求した方法ではないでしょーか,
と.
それは平面上に画素化された画像情報が
さらにアタマの中でどう処理されているかを表現したい,
たとえば輪郭抽出とか幾何学的なモデル
(三角形・円筒形など)
あてはめによる構成の把握とか
事前情報にもとづく「二次元→三次元」モデル化とか.
-
妥当な例なのかよくわからんけど
……
点描なヒトたちと比較すると,
肖像画なんかで顔の輪郭線を明示的に示しているように見える.
写真
(これも画素化された二次元上の投影図)
でヒトの顔をみても黒くて太い輪郭線は存在しない.
しかし,
アタマの中では顔のまわりなんかの輪郭線を自動的に抽出・補間してるのではないか
(じつはアタマの中までいかなくても視細胞・視神経系の段階で
エッジ検出を助けるような構造&機能がある……んじゃなかったっけ?).
そういう処理能力があるからこそ,
輪郭線だけで描かれた平板な
(あるいは目なんかを描いていない)
似顔絵とか見ても
「あ,これは誰それの顔だ」
とわかるんでしょーな.
-
同じように,
対象の把握においても幾何学的な遠近法計算
(射影変換つまり座標変換)
は,
アタマの中ではくずされてしまって
「興味がある部分のまわりをまた別の方法で座標変換して拡大」
みたいに処理してるのかも
……
といったあたりを表現したいのが,
セザンヌとかの座標変換してるとしか思えない構図
(人間の顔のパーツの配置とか静物画のモノや台の配置とか)
じゃないのか,
その採用理由の説明のひとつになってないか,
と.
-
このあたりがのちの
キュビズム
と関連してるのかな,
と考えてみたり.
つまりヒトの横顔の片方の目を見てるときも,
われわれは事前情報にもとづいて
「見えてない」もう一方の目がむこう側のこのあたりにある,
とアタマの中の三次元モデル
(三次元なのかな?)
を (いわばベイズ統計モデリング的に) 補間している.
だからこそ,
その横顔が回転してこちらを見たときに
「わっ,このヒトにもやっぱり目がふたつあって,
左右が同じ高さについてたのか」
とかいちいち驚いたりしない.
ピカソとかの横顔なのに二つの目が描かれている絵,
ってのはそういう脳内画像処理をあらわしているのではないのかしらん?
-
その他の仕事はすすまなかった.
うーむ,
一年後ぐらいにこのへんのぎょーむ日誌とか見て
「あらら,盛岡のあとも学会ばてしてたのか」
と思うんだろうな.
今回はそういうへろへろ感はないんですけど.
-
[今日の運動]
-
とはいえ,
うんどう休養日だし
……
天気よかったんで,
札幌市内あちこちかなり歩いたんだけど.
-
[今日の食卓]
- 朝 (0900):
米麦 0.6 合.
キャベツ・ミズナ・ネギ・ハムのサラダ.
- 昼 (1310):
美術館すぐそばのレストランである
プロヴァンサルキムラで美術館展示と連動
セザンヌゆかりの地プロヴァンス地方 19 世紀末レシピを再現する
特別メニュー
を楽しみました.
おいしかった.
- 晩 (2030):
米麦 0.8 合.
ダイコンの味噌汁.
キャベツ・タマネギ・ブナシメジ・豚肉の炒めもの.