ぎょーむ日誌 2003-05-13
2003 年 05 月 13 日 (火)
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0830 起床.
朝飯.
コーヒー.
0900 自宅発.
晴.
0910 研究室着.
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「線形モデルの分散分析における呪われきった作法」
というべき対比行列の問題をひきづる.
蛇足ながら線形モデルひとすぢリニアー愛好同盟
に属する全国数千の生態学者たちの大半は対比行列を知らづ
(というか線形モデルというコトバもあまり膾炙してない),
「線形モデルってよくわからんなぁ」
などと不信心な私などがかかる呪法あいてに苦闘してるという状況だ.
先日 amazon.co.jp か購入した
An R and S-Plus Companion to Applied Regression
に提示されている例をみながら,
R を動かしてみる.
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いつものど忘れ:
順序変数は
ordered(...)
で定義する
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名義変数 3 水準の対比行列は
0, 0
1, 0
0, 1
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順序変数 3 水準の対比行列は
-0.707, 0.408
0.000, -0.816
-0.707, 0.408
で,
いろいろ試行錯誤してみたんだけど,
よくわからん.
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ということで Crawley 本
(Statistical Computing)
を熟読してみる
……
対比行列のナゾの一端がほどけた.
簡単な場合に関しては自分で構築できるようになった.
しかし問題は,
これではまだ R の吐くなぞめいた contrast matrix のすべてを
解読しうるわけではない,
というところだ.
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かとーさんが
make.contrasts
なる R の関数を見つけてくる.
これは ``human-readable'' な対比を R 用の contrast matrix
に翻訳してくれる,
というものだそうで.
さっそく
CRAN
から
gregmisc-0.8.4.tar.gz
をダウンロードしてきて
sudo R INSTALL gregmisc-0.8.4.tar.gz
.
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ところが私が作れるような簡単な対比行列では,
make.contrasts
を作る御利益がとぼしい
(列ごとにスカラーがかけられるだけ).
少し複雑なる事例ではやはり暗号的な変換になっていて,
アタマの中で対応がつかない.
まだまだ研究が必要だ.
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同時にこの対比行列によって生成しうる
「比較の組み合せ」
にも疑問が生じてくる.
このお作法にしたがうと
モデルを比較する回数の最小化が実現するわけだが,
「帰無仮説棄却されなかった→これら二つは同じ」
とみなす論法をひたすらに繰り返していく流儀は
ホントに正しいのだろうか?
調べたいすべての場合の組み合せを
対比行列で表現できるのだろうか?
しかも F 検定とか Wald 検定とかをつかっているわけだし.
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さまざまなナゾを残しつつ正午はとっくにすぎてしまい
北大構内走.
昼飯.
もう 1430 か.
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1530 ちかごろではめったに使われなくなったスライド投影機を
かかえて百周年記念会館へ.
1600 すぎから Peter Grubb 先生の
講演
がはじまる.
ちなみにリンク先要旨に書いてある後半のハナシ
(なにが優占種をきめるかよくわからん,
耐陰性と葉っぱとかの形質の関係がよくわからん)
はそのとーりだが,
前半に話されたのは
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熱帯林の構成はランダムではない
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rank-consistency
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熱帯の樹木では
繁殖の機会が制限されてることは重要
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種子における arrival vs. survival
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この中でとりわけ 1. の rank-consistency がおもしろい.
距離のはなれた plot でも優占種はだいたい同じ,
というハナシだ.
これは
Grubb がイギリスで調べていた chalk grassland でも
あるいはアマゾン西部の熱帯林でも,
成立するとのこと.
で,
これをつかって Hubbell のランダムモデルをやっつけるわけだ
(ランダムだとすると優占樹種が同じである必要はない).
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講演後に会場横の食堂「きゃら亭」での立食パーティで
この点を質問してみた.
「あなたの rank-consistency に関する指摘に対する
Hubbell の反撃はどのようなものでしょうか?
Hubbell はとうぜんこの rank-consistency を知ってますよね」
Grubb 先生は直接これに答えず
(あるいは私の質問がわるかったのか)
「彼はパナマでしか研究していないからさ」
とのこと.
パナマのあちこちの熱帯林には rank-consistency
がない
(つまり優占的な樹種が場所によって変わっている).
しかしこれはランダムであるからではなく,
パナマ内の太平洋側・大西洋側ではずいぶんと環境がことなり,
とりわけ人間活動の影響のはいりかたが違っているせいで
ずいぶんと森林は変化しているのに
……
というご指摘.
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老 Grubb 先生は「世界のあちこちに実際に行ってみる」
というのが身上で,
北海道滞在中の現在も院生たちといっしょに
いろいろな森林をひたすら歩き回っている.
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2020 研究室発.
2040 帰宅.
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R には標準 (?) の neural network ライブラリ
nnet
がある.
そして MASS
に書かれていることから憶測すると,
多少面倒な推定計算にはこの
nnet
が使われているらしい.
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[今日の運動]
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北大構内走 1250-1320.
ストレッチング.
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[今日の食卓]
- 朝 (0840):
米麦 0.3 合.
コマツナ・タマネギ・マイタケの炒めもの.
- 昼 (1400):
弁当.
研究室お茶部屋.
米麦 0.7 合.
コマツナ・タマネギ・マイタケの炒めもの.
- 晩 (1800):
「きゃら亭」
立食パーティ.