ぎょーむ日誌 2001-11-10
2001 年 11 月 10 日 (土)
- 1100 起床.
北海道時差×週末時差.
- 昨晩,
九大の粕谷さんからまた統計学メイルいただたいので,
その返信.
粕谷メイルは情報が圧縮されてるので解読と返信作成が
必ずしも簡単ではない.
- 二値分布なのに分散が二項分布よりさらにでかくなる
ナゾの確率分布について.
これはベータ二項分布などの複合分布などのことのようだ.
たとえばこのベータ二項分布ってのは二項分布の確率 p が
ベータ分布にしたがう確率変数になってる
(ふつーの二項分布では p は定数であって確率変数ではない).
うーむ.
- あるい粕谷さんがいま準備中の論文では一般化超幾何分布などと
いうものが登場するらしい.
これは検索エンジンで調べてもでてこなくて,
generalized hyper geometric distribution という単語で
英語ペイジも含めて検索するとようやく少しだけ情報が得られる,
というひどくまにあっくなものだった
……
で,
得られた PDF メモを解読してみると,
どうも一般化ポアソン分布の期待値の確率分布,
というものらしい.
- で,
この一般化ポアソン分布というのがまたまためったに使われない
確率分布だと思うんだが
……
ふつーのポアソン分布の定数λが定数じゃない,
というシロモノなんですね.
- こういうややこしそうな複合確率分布に使いどころはあるんだろうか?
ベータ二項分布に関して面白い使用例を紹介してるペイジを見つけた.
性比は全国どこでも同じか
という解析で,
ベータ二項分布へのあてはめをおこなって,
0-4 才児の性比 (これを出生性比としてる) が市町村人口サイズ・年代と
どう関連してるかしらべてるわけだ.
で,
結果として,
たとえば人口の少ないところほど女の子が多い,
とか.
- 統計学とは直接関係ないけど,
これは典型的な「男の子供がほしいと女の子が増える現象」ではないかなぁ.
なんらかの文化的な理由で
「母親は男の子が一人誕生するまでは子供を産み続けて,
一人産まれたら出産を停止する」
という極端なことをやる集団があったとしよう.
こういう「男ほしい」集団ではかえって女が増えるのである.
理由は簡単で出産パターンがこうなるからだ
(誕生時点での出生性比を 1/2 とする).
確率 1/2 性比 1/1 男
確率 1/4 性比 1/2 女男
確率 1/8 性比 1/3 女女男
確率 1/16 性比 1/4 女女女男
……
……
となるからで
……
あれれ?
これで計算すると 男:女=7:3
あたりに収束してしまうぞ.
そうか,
必ず一人は男が含まれるからか.
うーむ.
なにかを間違って記憶していたようだ.
ぼけぼけだなぁ.
- 私はてっきり「イナカ」ほど家督継承とかで男の子重視なのかと
思っていたんだけどそうではないのかな.
では逆に,
「イナカ」ほど女の子重視,
理由は男は都会に逃げるから
……
いやはや,
こういういかにもモデル屋的なその場しのぎの
理由づけはやめておきますか.
もしホントに調査したいなら,
兄弟姉妹構成にあらわれる男女パターンを解析しなければならない.
- とはいえ,
上の極端な出産パターンをやってる集団があったとすると,
各家庭の男の数は p=0.7 の二項分布からずれる
(…… うん? この例はベータ二項分布になるんじゃなくて,
これこそ負の二項分布 (k=1) か ??).
このように要素間の相互作用がある場合には,
分散の大きくなるような複合確率分布が生じるようになる.
- しかし「男を産もうとすると女が増える」パラドックス,
そういうのがあったはずなんだけどな.
もうひとつ何か仮定が必要なんだろうか.
とすればその仮定は何か?
……
わからん.
一人の母親の子供の総数 N はポアソン分布にしたがうけど,
男が産まれたらそれ以上の出産停止,
かな?
いや,
これでも男が増えるな.
- うだうだしてると,
夕方,
某女性大学院生から「個人攻撃で申しわけないのですが」
などと恐ろしげなことの書かれたメイルをいただき,
呼吸停止しそうになったほど激しくおびえる
……
けどよく読んでみると,
たんに計算機の使いかた質問だったのでひと安心.
どうも彼女の語法では「個人攻撃」とは
「個人あての質問」
という意味だったようで
……
- 今日はこの 2 通のメイルに応対しただけ.
あとは何もやってないな.
-
京浜流刑地も次第に寒くなってきました.
(2001.11.10)
- 朝 (1130):
パンケイキ.
コーヒー.
- 昼 (1430):
蕎麦.
- 晩 (2100):
焼きそば.
具はニンニク茎・ニラ・ハクサイ・エリンギ・シイタケ,
いちおう五目か.