ぎょーむ日誌 2003-03-30
2003 年 03 月 30 日 (日)
- 0800 起床.
朝飯.
コーヒー.
- 今日も怠業.
古本屋で調達した SF 文庫本を読んでた.
朝から晩まで
……
いやー,
この時期,
北大周辺の古本屋が一時的に充実するんで.
- で,
科学者たるものたまには SF 読まないと
アタマが固くなると思うんですよ.
といいつつ,
ちかごろ SF 読んでないんだよねぇ
……
以前は SF 読まない科学者がいるなんて信じられなかったわけだが,
ぢつは自分がそうなりつつある,
という
……
- まず朝から夕方までかけて
「過ぎ去りし日々の光」
(クラーク
&
バクスター,
2000).
- ネット上ではホめてる書評が多いけど,
私はそれほどおしませんねえ,
これは
……
同じ労力かけるならクラークの昔の作品のうち未読ぶんを
読んでたほうがよかったような.
- ワームホールを「商品化」するための実験の描写とか
なかなかイイんですけどね
(バクスター担当部分か? クラーク的ではないんで)
……
おおざっぱな理論つくっといて,
うまくいきそうなパラメーターセットをひたすら探索するとか,
失敗しても「これではうまくいかない,ということがわかるのは重要」
とか強弁してみるとか,
「なんで一日に一つずつしか試験が進まないだ」
と発注者に言われるとか
……
これって 10 日 ほど前までやってた
PipeTree 計算
そのまんま.
- しかしその後は,
なんちゅーのか,
宇宙も過去も DNA も生命の起源もヒトの意識も
ひどーくお手軽に扱われてしまっていてですね.
人類があまりにも万能すぎる
……
しかもオカルト的だし.
こういう材料のとりそろえかたはいかにもクラーク的ではあるし
……
たしかに超常なるものもクラーク的なんだろうけど,
そういうの出すときには,
「科学」なる石器をふりまわすサルたちは
それを呆然と傍観して感銘うけたり,
ぢたばたしたあげくにほんのちょっとだけ何か為す,
というのが A.C. クラーク世界の optimism ではないんでせうか.
- 夕方から
モンゴルの残光
(豊田有恒, 1967).
期せずして上の「過ぎ去りし……」
と
-
題名に「光」が入る「時間モノ」SF
-
キリスト教がどーのこーのという議論が在中
-
作中人物が人類の歴史にイヤ気がさしてしまう
といったあたりが共通するわけだが.
別にそういうのねらって買ったわけではないし,
ハナシはまるで別もの.
- SF というより元朝滅亡に至る歴史小説.
もしこれが現代において書かれていれば,
出版社は SF ではないふつーの小説として出版しただろう.
ま,
いちおー SF ということで,
たいむぱとろうるとか東西逆転世界史とかあったり
……
後者は,
モンゴル帝国がホントに世界帝国つくっちまったり,
回回人 (アラビア人) が産業革命したり,
倭人が北美西海岸 13 省で独立戦争やったり,
英国が鎖国 300 年の末にヴィクトリア維新を敢行したり,
ロシアでは赤色少年団が暴れて文革やったり
……
と楽しいモノではあるんだけど.
- 元というと元寇のクビライ汗まで,
という印象だったんだけど,
これを読むとその後も帝国存続していただけでなく
再膨張の可能性を胚胎していた,
とわかるわけで
……
とはいえ再興に失敗した元朝は 150 年ばかりで消滅してるけどね.
中央アジアのいくつかの汗国はもうちょい永らえる.
蛇足ながら,
これらの首都の位置を地図帳で憶測すると面白い
……
エミール (今のオムスク?),
アルマリグ (アルマトゥイ?),
サルト (ヴォルゴグラード?),
ダブリス (トビリシ?)
……
つまり現代でもそこそこにでかい都市がある場所のようで.
ところが元朝の最初の首都
カラコルム
(ウランバートルの西南 320Km ぐらい)
なんてのは今は都市としては使われてなさそうなのは不思議.
- なんつーか,
中国を統べるには結局のところ強力な官僚機構が必要で,
それは科挙をパスするような秀才漢人
(漢人といっても多様なのかも)
にしか為しえなくて,
この官僚機構はなぜかシステムをひどく安定させつつも
内部はどんどん制度疲労にやられちゃって,
耐えかねてときどき発作的に革命が勃発・夷狄も侵入
……
ということで,
モンゴル人・満州人・日本人みたいな異民族が
あんな国をどうこうしようとした試みはつくづく無茶だった,
という「気分」にさせられます.
しみぢみと.
- [今日の運動]
- [今日の食卓]
- 朝 (0820):
米麦 0.5 合.
ジャガイモ・タマネギ・マイタケ・豆腐のトマトシチュー.
- 昼 (1300):
パンケイキ.
- 晩 (1900):
マカロニ.
ジャガイモ・タマネギ・マイタケ・豆腐のトマトシチュー.