特別寄稿!!

世にも不思議な企業「日▲※○機」について 拙文 にて報告させていただきましたが, これでは読者の皆様に同社の実相が十分には伝わらないと, おのれの力量のなさを痛感いたしました. そこで私の電算機道の師匠すじにあたります 九州大学の とーや師匠 に同社に関する原稿の執筆をお願いしたところ, 快く引き受けてくださり, たちまちにして玉稿を送っていただきました.

とーや師匠は九州大学理学部生物学科の某研究室で 細胞・組織レヴェルでの形態形成の数理モデルを研究している 大学院生であります. その一方で同研究室の電算機インフラを(実質的に) 支えている 「影の主任計算機係」, その超絶技巧ゆえに 「闘う電算機管理者」 としても令名を馳せておられます.

優秀な大学院生を見つけては かくのごとくタダ働きさせる (授業料を支払っている人間に! ) あたりに 本邦の大学のまさに救いがたいところがあるわけですが…… この話題については いずれまた機会をあらためることにしまして, 読者の皆様に まずは 以下のとーや師匠の手になる簡にして要を得た 「戦記」を堪能していただければと思います.

1998. 10. 27
久保拓弥


私と日▲※○機

第壱回(最終回)

ぼくが九大生物学科某講座の電算機管理者[1]になってからは「日▲ ※○機」という会社からものを買ったことはない。しかし既に購入してしまった ものが幾つかあるので(当時は同社の優秀なサポート要員が九州にいたためそれ ほどむちゃな買物ではなかったのかも知れない)、不幸にもこの会社と無関係と いう訳にはいかなかった。そしてトラブルとも...。
以下はその顛末。


すでに買ってしまったものリスト

Sun 互換機 其ノ壱
まともに起動しなくなったので修理に出したらマザーボード交換。 直って返って来たと思ったら、ハードディスクが異音を放つ。 営業担当の K 氏[2]を呼び出したら「ハードディスク交換です。」 とのたまい、法外な額を請求された。中を開けてハードディスクをしっかり固 定したらピタリと音が止まった(金払わんで良かった〜)。

Sun 互換機 其ノ弐
ふたつのハードディスクを内蔵しておりそれぞれ SunOS 4.x と Solaris 2.x がはいっていたのだが、K 氏に一時的に互換機其ノ壱のハードディスクと 交換してもらった。その後元に戻すときに K 氏が SCSI ID を間違えてつない でしまったため、Solaris 2.x が boot 不能に。そこで K 氏を再び呼んだのだ が、東京のブレーンに繋がる電話番号を知っていた、ということ以外には何の 役にも立たなかった。[3]

Sun 互換機 其ノ参
買ってからの年数が浅いためか、唯一トラブル知らずの珍品。

PowerPC ベースの BSD 機[4]
この電算機は着想がユニークというか、日▲※○機の特徴を顕著に表す 逸品。非常に面白いマシンなのだが(個人的にはこの分野を伸ばすべきだった と思う)、bash をインストールしようとして ./configure を実行すると OS が死ぬというおよそ UNIX とは思えない脆さを持っていた。 [5]

X 端末
ぼくの足元に転がっている。[6]


この会社から物を買うべきか否か。答えは簡単で、「否」。 なぜなら、営業がダメダメ君なら恐くて物が買えないし、優秀な人物ならいづ れいなくなるのが明白だから。

文責:とーや
1998年10月27日ちょこっと修正


  1. 通称「計算機係」。所詮は独学のボランティアゆえ、管理というほど大 したことはしてない。ちなみに必要とあらばプリンタの面倒も見るが、 電卓の面倒は見ない。
  2. A 氏の後任。商売云々以前に知識が乏しく、恐くてこいつからは物が買 えない(まじで)。ちなみに A 氏は一筋縄ではいかないが (実際いちど丸め込まれて使いもしない Solaris 2.x を購入してしまった)、 融通も利く非常に優秀な人だったようだ。
  3. この会社、どうやら東京(と新潟?)には人材がいるらしい。
  4. この電算機はそこそこ売れたようで、g○○(伏せ字になってない?)で検 索すると結構ひっかかる。
  5. さすがに configure から追っかける気にはならなかった。 ちなみに configure は一般ユーザとして実行した。
  6. 備品なので捨てられない。

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