ぎょーむ日誌 2002-12-29
2002 年 12 月 29 日 (日)
- 0620 起床.
ねむいねむい.
朝飯.
コーヒー.
0700 自宅発.
10 分間待ったが
小菅車
あらわれず.
いったん部屋にもどったけど電話もナシ.
また道路に出たらちょうど来てくれた.
- 長年の酷使ゆえに機械的信頼性が
いささかアヤしくなってしまった軽四駆にて,
無謀にも
道央回廊
の冬期縦断を敢行せん.
苫小牧にむけて 0715 自宅前発.
- 除雪によって車道-歩道間には高さ 2m 超の雪山が形成されており,
その背後に隠れている歩行者の発見は著しく困難である.
今日は降雪がなく晴れているんだが,
東方にむけて走ると低い太陽とその雪面乱反射によって
視界がはなはだしく制約される.
圧雪で舗装された路面での制動が剣呑であるのは言うまでもない.
- 国道 36 号線に沿って道央回廊を南下していくと,
移動距離は短いのに日本海側→太平洋側と転じるので,
目に見えて積雪量が減じる.
なるほど札幌から少し離れた
千歳に空港があるのは雪が比較的すくないためか.
0910 北大
苫小牧研究林
着.
小菅せんせー,
どうもありがとうございました.
なお,
小菅せんせーはこのあと研究林内某所に温度記録機を隠匿設置し,
苫小牧の悩める院生たちに的確なる学術アドヴァイスを行い,
小菅人脈をたよって
航空自衛隊千歳基地から北海道を超音速離脱する予定とのこと.
- さて苫小牧に来たのはいいが,
いまだに
-
空間構造ありモデルを
寄生率推定プログラムに渡す部分
-
20 秒ほどで自動作図される 150 枚超の
推定結果グラフを配列してみやすくする
HTML page 自動生成プログラム
ができてない.
あらかじめ「苫小牧でもしばらく作業時間ください」
なる泣き言メイルは送っておいたのだけど,
債権者もとい顧客である村上さんと M2 松田さんに,
とりあえず空間構造なしモデルのデモンストレイション
(ここで「目に見える」結果を出すのが重要なので
gqview
で結果グラフなど表示)
をやって心理的な時間かせぎ.
計算下請け商売における常套手段である.
- 院生も帰省して人口密度の減じた院生部屋の机を借りて
プログラミングを片づける.
1150 よーやく上述の未完成部分ができた.
あ,
もう昼飯時間かということで,
顧客お二人と昼飯.
飯を食うと体力回復.
- さーて
……
とりあえず元データから推定結果が出てくる
処理の部分とその結果をまず説明してみる.
で,
私自身もこのように配列された結果を見くらべるのは
初めてなんだけど,
どうも現時点では host 密度の
空間構造が寄生率推定の確率論的モデルに
うまく反映されていないような.
たいていの樹種 (というよりその樹種特異的な
leafminer 見ているわけだが) では
空間構造なしモデルのほうが最大化尤度が高い.
- まぁ,
そのへんは今後のモデリング試行錯誤でなやむことにして
……
村上さんから松田 PC でこれらの推定プログラム群
(in Perl)
が動かせないかやってみて,
とゆー注文.
で,
その間にご本人は子守に.
そういえば今日は日曜日だな
……
- 松田さんのノート PC には Active Perl 入っているんで,
これで動かせるはずなんだが
(私は Linux 上の Perl で開発)
……
元データ→空間構造モデル計算を動かす
第一のプログラムは動いた
(Perl モジュール
ToefLMP.pm
と連動しつつ).
しかしこれをパラメーター推定プログラムに渡すとコケる.
そうか,
逆行列計算に CPAN の
Math::MatrixReal
を使っていたんだった.
- 「わーい♪
今日はこの部屋だーれもいないや……」
と村上家長女もえちゃん (2.5 才ぐらい?)
がとても元気よく登場したんだけれど,
われわれを見つけてがっかり (目を伏せる)
→意気消沈 (口をつぐむ)
→絶望 (床にひざをつく)
……
これは私ばかりがとくに嫌われているというわけではなく
(たぶん),
見慣れぬオトナが近くにいるととても警戒してしまって
言葉などまったく発さなくなる,
というちょっと激しく人見知りな側面によるもので.
しかし,
しばらくして廊下でおとーさんに遊んでもらうと
ご機嫌うるわしくなったらしく,
難解なコトどもを
ひたすら活発かつ脈絡なくしゃべりまくっているのが聞こえてきたんで,
その言語操作能力に感銘うけた.
- ゐいんどうづ上の Active Perl の場合,
(ふつーはコンパイラーが入っていないので)
ppm なるツールで Active Perl 用 Perl モジュールをインストールする.
Active Perl サイトから .ppd ファイルとバイナリーファイルを
ダウンロード.
あれこれと苦労して,
最終的にはコマンドプロンプトから
ppm install /location c:\Math-MatrixReal Math-MatrixReal
とやるとインストールできた.
このときに
c:\x86
なるディレクトリを作っておき,
そこにバイナリーな部品
Math-MatrixReal.tar.gz
を入れておかねばならぬ.
- で,
ここまで苦労させられたんだが,
けっきょく推定プログラムは動かなかった.
インストールした
Math::MatrixReal
が古くて (1999 年版),
new
による初期化のやりかたが現在のものとは
異なっていたため.
いやはや.
- まぁ,
いずれにせよ苫小牧でのコード改造は難しいので
(まずは修士論文を来月末までに書かねばならぬことだし),
計算注文メイル→とりあえずの結果は web page で,
というリモート計算請負体制でやることに.
私が結果を HTML ペイジ化していた理由のひとつは,
実はこの方向にハナシをもっていくため.
とはいえ,
ここ研究林の回線があいかわらず ISDN であり,
その一本の線を数十人で使っているという
凄惨な状況を考えてないわけだが
……
- 本日の核心部.
ホワイトボードを使って,
寄生率の確率論的モデルの説明.
各個体独立の仮定
(これはいずれ overdispersion によって覆されることになるだろう).
観測データと尤度.
尤度の最大化.
1 パラメーターモデル.
ロジスティック関数による 2 パラメーターモデル.
AIC によるモデル選択.
空間構造モデル
……
と順序をよく考え説明技術を駆使してハナシを進める.
このあたりの概念は何としてでも
顧客の皆さんのアタマに深く浸透させないといけないところだ.
でないと計算商売などというものは
確実に失敗してしまうのである.
意味不明な計算をやってるプログラムを買う客など
いないのだから.
- 最後に,
この確率論的モデルの統計学的推定が
Perl コードによってどのように書かれているかの
概論的な説明.
- 1855 研究林発.
松田さんの車で送っていただく.
1910 国道 36 号線わき「操車場」バス停.
1911 の
札幌いき道南バス
は 5 分おくれで来る.
乗客 5 人ぐらいか?
道央自動車道に乗って北上.
2030 JR 札幌駅バスステイション着.
1270 円.
- 2050 帰宅.
なかなか疲れた.
- [今日の食卓]
- 朝 (0640):
パン.
コーヒー.
- 昼 (1230):
研究林ちかくの弁当屋「甚兵衛」
でかった「つぶめし弁当」(つぶ貝の炊きこみ飯)
660 円.
- 晩 (2210):
スパゲッティー.
ハクサイ・ニンジン・ブナシメジのクリームシチュー.