DATE: 2005-04-04 10:01:35 +0900 更新
これまでの 自由集会 (データ解析 & 計算生態学)
第52回日本生態学会大会 (大阪) の自由集会

デ−タ解析で出会う統計的問題
  -- 検定かモデル選択か

2005年 3月 30 日(水) 17 時 30 分 E 会場 (11F) 開催
企画者: 粕谷英一 久保拓弥
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(目次) 企画の趣旨 | 話題提供 | 参考文献・参考リンク
(集会後のうちあげ会場)

企画の趣旨

必ずしも生態学に限らないが, 多少とも確率的変動を伴うデ−タを扱う際には検定で有意となることをもって 新しい主張がデ−タによって支持されたあかしとする習慣が定着している. そして, 確率的変動を伴うデ−タに関する意志決定はほとんど検定で行うのが実態である (「いつでも検定」) と言ってもいいであろう. しかし, 生態学には2つ以上のモデルを事前には等価において デ−タをもとにどちらかを選ぶタイプの推論もかなり多く, そのときには検定は妥当でない. そもそも検定とはどのような意志決定だったのかまで遡ってみれば, 「いつでも検定」が検定という作業の内容をかえりみない, 誤ったル−チンワ−クに過ぎない ことは明らかだろう. また, とくに AIC を使ったモデル選択がいろいろな問題でよく使われるようになってきて, 検定とモデル選択の関係は現実的な, デ−タを扱う者が心得ていなければならない問題になっている.

検定とモデル選択は, そこから言えることが大きくちがうので, 問題のタイプによって明確に使い分けるべきだ. この「使い分け」は, 研究者が自分のしたいことを理解していればそう難解ではない. しかし, データ解析に明確な方針を持たなければ検定やモデル選択の誤用 (場合によっては「悪用」) につながる ことになる.

この自由集会では, まず三中が, 統計的検定に関する Neyman-Pearson (NP)の定式化 について要約する. Fisher 流の「帰無仮説だけ」検定に対して対立仮説を明示する NP 流定式化が受容される過程をみることで, 「検定かモデル選択か」問題を考える準備とする. 次に粕谷が 「検定とモデル選択の使い分け」 の一般論ともに, その具体的で実用的な例として, 検定に使う統計モデルの選定にモデル選択を適用する方法を示す.

話題提供:

前口上 (PDF file 60KB) : 久保拓弥 (北海道大・地球環境)

「統計的検定:ネイマン-ピアソンの仮説検定ワールドから始まる モデル選択論のルーツ」 (link to PDF file 1.3MB in 租界<R>)
三中信宏 (農環研)
「いつも検定じゃない−モデル選択,検定,統計的推論の使い分け」 (PDF file 139KB)
粕谷英一 (九州大)

コメンテイター: 酒井聡樹 (東北大・理)

参考文献・参考リンク

R 関連のリンク

モデル選択・R 関連の文献


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