Thursdaty, 23 March 2000
第 47 回 日本生態学会・広島 自由集会 計算生態学
演者は北海道苫小牧の冷温帯落葉広葉樹林で、樹木個体群の繁殖生態を研究し ているが、数年間蓄積したデータの解析に入には、プロットデータの整理に時 間が取られてしまうことがある。野外の森林で実際に調査を行なっている研究 者のプロットデータといえば、これまで表計算ソフトに頼ってきたものが多い と思われる。視覚的には表計算によるデータは扱いやすいのだが、ソート、新 しい項目の計算など繰り返しの作業は、表計算ソフトでマウスによって操作を するのではなく、プログラムによって自動化させて計算させる方が効率的であ る場合が多いはずである。また個体ベースのプロットデータから、統計処理に 持っていく場合でも、生データの表からすんなりと統計パッケージまで持って いくことには、職人的な技と努力が必要なことがある。
今回の発表では、表計算ソフトを離れた場合、どのように森林のプロットデー タを扱うことができるのか、統計処理までどのように持っていけるのか、また その自動化に付随して森林のデータをどのように視覚化できるのか、というこ とを紹介できれば、と考えている。表計算以外の選択肢として、プレインテキ ストによるデータとそれに対するスクリプト言語 Perl を用いる。Perl は非 常に簡便な言語で、計算機による計算とは縁遠い演者のような人間にも使いこ なすことができ、またハッシュというデータ構造が準備されているので、表計 算的な処理には向いている。そこでハッシュの利用についても簡単に触れてみ る。さらにPC-UNIX を用いることによる、画像化、統計処理までの自動化法に ついても述べられたらと考えている。
演者は計算が得意な人間ではありませんが、実際に野外での大量のデータを扱 っていて、うんざりしている人であれば、参考程度にはなるかもしれません。