生態学会大会(1999)・自由集会 「計算生態学」テクニカルノート

用語集

1999.03.16 作成 / 1999.03.18 更新

編:久保拓弥 (北大・地球環境) kubo@ees.hokudai.ac.jp

OS 【おーえす / operating system】 プログラムを実行させるときに, 必要なメモリーを割り当てたり, 外部装置とのやりとりを助ける ソフトウェア. 日本の新聞やテレヴィジョン報道では 「基本ソフト」などと呼ばれることもある. よいOS の必要条件としては 「実行しているプログラムが暴走しても, それを『きれいに殺す』」 などが挙げられる. 代表的なOS としては Unix (Linux / MkLinux / FreeBSD など), MacOS, Windows (Windows NT など) がある.
GUI 【ぐーい / graphical user interface】 ソフトウェアの入出力部分において, 文字ではなくドット絵, キイではなくマウスによる制御が重要である と主張する思想の具現. OS などとは本質的に独立なモノなのだが, 混同して使われることが多い (誤用例:「○○はキイボードが苦手な人でも 簡単につかえるわかりやすいOS だねぇ」). 代表的なGUI としては, X Window System (Unix 用), Finder (MacOS 用), Windows98 (MS-DOS 用) などがある. GUI でない文字中心のインターフェイスは CUI と呼ばれる.
プログラム 【ぷろぐらむ / program】 計算機を作動させる情報, あるいはそれを記したファイル. プログラムのうち, 「機械には読めるけれど人間には読めない (あるいは読むのがしんどい)」 ものは バイナリーファイル / 実行ファイル / 機械語プログラム などと呼ばれ, 「人間に読めるけれど機械には読めない」 ものは ソースファイル / ソースコード / コード などと称され, 「人間にも機械にも読める」 ものはスクリプトなる名前が与えられ, 「人間にも機械にも読めない」 ものは 下手くそなプログラム / へっぽこプログラム / 汚いプログラムと ののしられている. プログラムを作ることをプログラミングという.
開発 【かいはつ / development】 プログラムを作ること. プログラミング. 開発環境というのはソフトウェア開発のための ソフトウェアに何を使うか, ということ.
プログラミング言語 【ぷろぐらみんぐげんご / programming language】 プログラムを記述するための言語. 代表的なものとしては, C / C++ / Fortran / Pascal / BASIC / Perl / Tcl /Tk などがある.
データー構造 【でーたーこうぞう / data structure】 プログラムの中でデーターをどう取り扱うかという形式. 代表的なものとしては, スカラー / 配列 / リスト / ハッシュなどがある.
アルゴリズム 【あるごりずむ / algorithm】 「データーを処理する手続き」を抽象的に表現する語. 具体的なプログラミング言語とは独立である. 「データー構造 + アルゴリズム == プログラム」 という名言がある.
バグ 【ばぐ / bug】 虫. 転じてプログラムに含まれる誤り. 誤りがあると, 計算機は人間が期待しない動作をする.
ディバッグ 【でぃばっぐ / debug】 プログラムに含まれるバグ を見つけて修正すること. そのときに ディバッガーと呼ばれるソフトウェアを 使うこともある. 某社はディバッグされた修正版プログラムを 恩着せがましくservice pack などと 僭称していたりする.
暴走 【ぼうそう / crash / freeze】 バグを含むへっぽこプログラムを作成し 実行したときに, 永劫に終わることない反復作業を始めたり, メモリをぐちゃぐちゃにしたり, システムを破壊したりすること. 良いOS を使っていれば, 暴走したプログラムだけを 安全に「殺して」しまえるのだけれど, ダメなOS ならばシステム全体を 再起動しなければならない.
コンパイラー 【こんぱいらー / compiler】 ソースコードを実行ファイルに変換する ソフトウェア. 実行する前に一括して機械に読める形に 変換する(コンパイルする)ので, 実行速度が速くなる. ただしプログラムに誤りがあった場合, 元のソースコードを修正してコンパイルを やり直す必要がある.
インタープリター 【いんたーぷりたー / interpreter】 「人間にも機械にも読める」 スクリプトを読み込んで一行ずつ実行するプログラム. コンパイラーを用いた場合に比べて 実行速度は遅い. しかしプログラムの修正は容易.
テキスト
ファイル
【てきすとふぁいる / text file】 人間に読める文字コードで書かれたファイル. ソースコードやスクリプトはテキストファイルで 記述することが多い.
バイナリー
ファイル
【ばいなりーふぁいる / binary file】 テキストファイル以外のファイル. ふつーの人間には読めない. バイナリーとは二進数の意.
エディター 【えでぃたー / editor】 何かを編集するソフトウェア. テキストを編集するソフトウェアは テキストエディターである.
構造化
プログラミング
【こうぞうかぷろぐらみんぐ / structured programming】 「読みにくい汚らしいコードを書くな」 という宗教運動. 機能ごとに独立したモジュールを用意しておき, 必要に応じてそれを呼び出すのが よいプログラムとされ, 実行中にソースコードの あちこちを迷走するのは ダメな書き方の烙印を押されて迫害される.
オブジェクト指向
プログラミング
【おぶじぇくとしこうぷろぐらみんぐ / object oriented programming】 比喩的に説明すると, 生物集団のモデルをプログラミングするときに 各個体に 「君はA という種類の生き物だから, ここでは こーいうふうに振る舞って……」 と何かあるたびにいちいち教えてやるのではなく, あらかじめ計算機内の個体たちに‘教育’を行い 「私はA なんだからこの状況ではこうしよう」 という自覚と自立心を持たせるのが いいんじゃなかろーか, という宗教運動.
FSF 【えふえすえふ / Free Software Foundation】 「ソフトウェアはすべからく free かつ そのソースコードが公開されていなければならない」 という教義をらでぃかるに実践している 戦闘的宗教団体. その影響力は絶大, 地球上の貧乏プログラマーを あまねく救済している. 教祖は Richard Stallman, 世界中から尊敬され「恐れ」られている人物. → GNU
GNU 【ぐぬー / ぐにゅ / GNU is Not Unix】 FSF が配布もしくは 認可しているフトウェア. GNU プロダクツとも. GNU という略語は再帰的に定義されている. → FSF
Linux 【 りぬくす / りーぬくす / りぬっくす / りにゅっくす / りぬぉぅくす / りなっくす / らいなくす / らいなっくす 】 読み方は決められていない. ただし, FSF のStallman の前では 「GNU/Linux」 と言わないと説教されてしまう. 「無料」で高性能なOS. → 「テクニカルノート」のペイジ
カーネル 【かーねる / kernel】 OS の“中核部”のこと. ドライヴァーやファイルシステムも 一体化しているのを 「一枚岩 (monolithic)」カーネル, 最小限の機能 (メモリとCPU 資源の分配) だけのものをマイクロカーネルという.
シェル 【しぇる / shell】 カーネルとユーザーを介在するプログラム.
PC 【ぴーしー】 コンピューターハードウェアのガイドラインのひとつ, あるいはそれに従っている機械. 日本では「DOS/V」とか「AT 互換機」と呼ばれている 場合も多い. よーするにWindows なるモノが動くような計算機のこと.


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